冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

サクラを追う者

どこかで誰かが話している。
 「あの村でマヨネーズを作った者の行方は分かったのか?」
 「はい、首都フイエウの冒険者ギルドに現れたようです。」
 「私たちが行方を捜しているのを知ってもか?」
 「そのようです。冒険者ギルドではテンプレテンプレ言っていたようです。」
 「・・・・・。追われている自覚はあるのか?」
 「どうでしょう・・・。」
 「よし、まずは捕獲するか?」
 「ちょっと問題が・・。」
 「なんだ?」
 「Bランクの冒険者と一緒にいるようです。」
 「Bランク程度なら問題ないだろう?」
 「それが・・・。強さだけならもっと上なようです。」
 「だれの情報だ?」
 「それは・・・我々の敵のあいつの攻撃をかわせるほどと報告があります。」
 「あいつとはあの黒いローブを着たあいつか?」
 「そうです。我々でもあの黒ローブは単独では難しいな・・・。」
 「どうします?」
 「それでも我々の繁栄のためには捕まえなければ。」
 「それでは私が行きます。雑魚を出しても難しそうなので・・・。」
 「そうだな・・・。気をつけろよ。お前はまだいなくなるのは惜しい。」
 「はい、生きて帰ります・・・。では!」


・・・・・我が陣営に来てほしいが・・・。


 ~~~~~~~~


しばらくラウール達は魔物討伐の依頼を受けていた。
ゴブリンを探し倒し、慣れてきたところで、さすがにオークが多くいるところ・・・。オーク討伐に精を出していた。オーク討伐の依頼はサクラは受けることが出来ない・・・。しかし、今回は4人でパーティーの登録をした。ラウールにとっても初めての。


そしてオークを狩ること数日・・・。
その日は朝からいいことがなかった。運が90もあるラウールの革靴のひもが切れるほどに・・・。


 「サクラ。今日はオークを1人で倒してみるか?」
そうサクラにラウールは聞いてみた。


 「そろそろ1人で向かってみる! 接近戦もだいぶうまくなったでしょ?」


にこっとしてラウールは
「そうだね。多分だけど、オーク10匹程度なら遠距離で殲滅できるよ。そして、近距離戦に持ち込んでも、時間はかかるだろうけど、その剣でなら10匹なら倒せるよ、かすり傷程度で。チートでしょ。」


にこっとサクラは、
 「そうよ、私はチートだから!それくらい余裕~。」


そう言って森の奥へ進んで行く。


 ~~~~~~~~~


しばらくすると、魔物ではない気配をラウールは察知した。


 小声で仲間の3人に、
 「何か魔物以外がこの先にいる。意識しすぎず警戒して・・・。」
 難しい注文をしてみた。


 「「「了解!!」」」
 小声で帰ってきた。
 頼もしい仲間だ。


 先に進んで行くと、
 「こんにちは。何も言わずその娘を置いていくのだ・・・。」


 目の前に小柄な男が立っていた、まるで忍者のような・・。
 「娘って誰?」
そうラウールは言ってみた。


 「そこにいる黒髪の者だよ・・・。置いていくのなら、他の者には危害は加えない。」
そう言い放った。


 「僕の事?黒髪って?」
おラウールは言ってみた。


 「お前は男だろう・・・?そっちの目立つ娘だ。」


やはりか・・・。サクラは狙われている。
 何か繁栄をもたらす者と思われる行動をしたな。
それでないと、何か罪を犯した?


そう考えているとサクラが話し出した。
 「ラウール。私をここで置いて行って。これ以上迷惑をかけられないから。私を連れて行きたいのよ?この男は・・・。」


それを聞いたラウールは、
 「ねえサクラ、サクラは何かしたの?」


 「私は何もしていない。何もって言うのは変だけど、マヨネーズを作った。」


 「マヨネーズ?あの白いもの。街で人気だね。」


 「そうなの?知らなかった。そしてポンプを見て、構造の説明をした。」


 「物知りだね。僕は構造はわからないよ。」


 「そうなんでしょ?けど私はわかった。・・・・そうやって色々と見た者の説明をしていると・・・、村長が、繁栄をなんちゃらて言いだした・・・。」


 「繁栄をもたらす者?」


 「そう、なんか私をどこかに連れて行こうとしたから、私は逃げた・・・。自由が欲しいから。私は今回は自由に生きたいの!! 縛られたくないの!!」


・・・・・・・
 ・・・・・


 そう言っていると男が、
 「俺を無視するのではない・・・。お前は連れて行く。他のやつ・・・・『うるさい!!』」


 男が話しだしたのを遮りラウールは言った。
 「僕と一緒に旅をする? 楽しいことだけでないと思うけど?(転生者に決定だな。同じところで生まれた人は、見捨てたくない)
 」


・・・・・・
 ・・・・・


 サクラは目に涙を浮かべ、
 「うん!! 一緒に行きたい。自分が感じるように生きていきたい!!」
そうサクラは叫んだ。


 「じゃあ一緒に行こう!」
そう言うとラウールは忍者のような男に向かい魔法を唱えていた。


 忍者のような男は穴のに落ちていた。
 急に空いた穴に男は反応できなかった。
そしてラウールは蓋をした・・・。
 出来る限りの魔力を込めて・・・・。
 二度と出てこれないような地面の檻となった。
 男には残酷だが、二度と出ては来れない。


 「じゃあ解決ってことで、この街を出る予定を立てよう。クロースとクリスもどうするか考えておいて。」


そうあっさりと言い放ち、ラウールは街に向かい歩き出した。 

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