冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ
初護衛依頼達成
いつの間にかサーシンの冒険者ギルドにいた。
 僕は今、盗賊と・・・・。
いつもの聞きなれた声
 『依頼達成です。盗賊の討伐を確認しました。現在までの冒険者ギルドへの貢献ポイントを合わせて、ラウール君はCランクへ昇進します。おめでとうございます!』
いつものアリサさんの声・・・。遠く聞こえる・・。
 「よー坊主、10歳でCランクはおそらく最速レベルだぞ! ・・・。」
ギルマスのギルバートが話しかけて来る。
 「ありがとうございます・・・。うれしいです・・・。」
なんとか声を振り絞り答えた・・と思う。
 「おい坊主、ちょっとランクアップの手続きをしに、こっちにこい。」
そういいながらギルマスは、自分の部屋に僕を引っ張っていった。
 ~~~~~~~~~
 「まずはCランクへランクアップおめでとう。これでミック、ララと並んだな。魔物だ大量発生していない状況で、ここまで早いランクアップはおそらく他の国でもないぞ。」
 「ありがとうございます・・・・。」
 「もっと喜んだらどうだ。Cランクと言えば、Aから数えて、上位3番目のランクだぞ。それこそ、ほどほどに働いても、食うのに困らねーぞ。」
 「ありがとうございます・・・。」
 「ん~反応が薄いな。何か不満でもあるのか?」
 「いえ、不満なんてありません・・・。人を殺して、お金を稼げるのですから・・・。」
ふむっ、こいつは人の子だったんだな・・・。これはCランク病か?人を殺したことが無いやつが悩む・・・。俺はなかったがな。
 「おい! 人を殺すのは何がいけない?」
 急に死について聞かれたラウールはすぐには答えることが出来なかった。
 死について・・・。前世では人の死は穏やかなものであった。不意に奪われることはまれであり、それもほとんどが老化や病気が原因であった。事故もありえたが、人が人を殺すことなど41年生きていても見たことのない状況であった。
 「聞き方を変える!悪いことをしている人はそのままにしてもいいのか?」
ラウはその質問について考えた。悪いことをしていても、人は生きている。生きている人は殺してはいけない。
 「人が人を殺すのはいけないと思います。」
 「そいつを殺さないと、そいつ1人以上に2人3人4人、10人20人と増えて行ってもか?」
・・・・・
1人を殺すことで、20人が助かる・・・。数字でいえば1人を殺したほうが生きている人は増える・・・。しかし、数字ではない何かが心に引っかかる。命を長くする世界と、命が安い世界・・・。僕にはまだ考えられない。
 「親が殺されても、そいつを放っておくのか? 親でなくても大切な人でもいい。大切な人と、その人を害する人・・・。どっちを選ぶ?」
 「・・・それは考える事もなく大切な人です。」
 「だったらそれでいいじゃないか。命という事を考えすぎても答えが出ることはない。俺も一度は考えた
 しかし、命ではなく、大切な人と害する人。どっちをとるか? それだけでもいいじゃないか。」
・・・・・・・
「人は単純ではない。価値はそれぞれだ。自分の痛みを我慢して産んでも、子を殺す、売る親もいる。自分から生まれた子、血のつながっていない子でも、真剣に叱ってくれる親・・。自分の大切なものを守ることだけ考えてもいいじゃないか。難しく考えるな少年。まだまだ若いんだから、突っ走れ!!」
ラウールはその言葉にはっとした。事情は分からないであろうギルマス。
しかし、その言葉には、重みを感じる、
 今まで幾人もの人生を見てきた大人だからこそ言える事なのか?
でも少しすっきりした
「ギルマス! ありがとう! 悪いけど家に帰っていいかな? 両親にCランクに上がった報告をしたいから!!」
ふっ!
 「行ってこい! ミックもララも喜ぶだろう! 俺もうれしいぜ 『漆黒の翼 ラウール』!」
 僕は自分の帰る家に向かい走り出した・・・。そう、大切な人のところへ。
 僕は今、盗賊と・・・・。
いつもの聞きなれた声
 『依頼達成です。盗賊の討伐を確認しました。現在までの冒険者ギルドへの貢献ポイントを合わせて、ラウール君はCランクへ昇進します。おめでとうございます!』
いつものアリサさんの声・・・。遠く聞こえる・・。
 「よー坊主、10歳でCランクはおそらく最速レベルだぞ! ・・・。」
ギルマスのギルバートが話しかけて来る。
 「ありがとうございます・・・。うれしいです・・・。」
なんとか声を振り絞り答えた・・と思う。
 「おい坊主、ちょっとランクアップの手続きをしに、こっちにこい。」
そういいながらギルマスは、自分の部屋に僕を引っ張っていった。
 ~~~~~~~~~
 「まずはCランクへランクアップおめでとう。これでミック、ララと並んだな。魔物だ大量発生していない状況で、ここまで早いランクアップはおそらく他の国でもないぞ。」
 「ありがとうございます・・・・。」
 「もっと喜んだらどうだ。Cランクと言えば、Aから数えて、上位3番目のランクだぞ。それこそ、ほどほどに働いても、食うのに困らねーぞ。」
 「ありがとうございます・・・。」
 「ん~反応が薄いな。何か不満でもあるのか?」
 「いえ、不満なんてありません・・・。人を殺して、お金を稼げるのですから・・・。」
ふむっ、こいつは人の子だったんだな・・・。これはCランク病か?人を殺したことが無いやつが悩む・・・。俺はなかったがな。
 「おい! 人を殺すのは何がいけない?」
 急に死について聞かれたラウールはすぐには答えることが出来なかった。
 死について・・・。前世では人の死は穏やかなものであった。不意に奪われることはまれであり、それもほとんどが老化や病気が原因であった。事故もありえたが、人が人を殺すことなど41年生きていても見たことのない状況であった。
 「聞き方を変える!悪いことをしている人はそのままにしてもいいのか?」
ラウはその質問について考えた。悪いことをしていても、人は生きている。生きている人は殺してはいけない。
 「人が人を殺すのはいけないと思います。」
 「そいつを殺さないと、そいつ1人以上に2人3人4人、10人20人と増えて行ってもか?」
・・・・・
1人を殺すことで、20人が助かる・・・。数字でいえば1人を殺したほうが生きている人は増える・・・。しかし、数字ではない何かが心に引っかかる。命を長くする世界と、命が安い世界・・・。僕にはまだ考えられない。
 「親が殺されても、そいつを放っておくのか? 親でなくても大切な人でもいい。大切な人と、その人を害する人・・・。どっちを選ぶ?」
 「・・・それは考える事もなく大切な人です。」
 「だったらそれでいいじゃないか。命という事を考えすぎても答えが出ることはない。俺も一度は考えた
 しかし、命ではなく、大切な人と害する人。どっちをとるか? それだけでもいいじゃないか。」
・・・・・・・
「人は単純ではない。価値はそれぞれだ。自分の痛みを我慢して産んでも、子を殺す、売る親もいる。自分から生まれた子、血のつながっていない子でも、真剣に叱ってくれる親・・。自分の大切なものを守ることだけ考えてもいいじゃないか。難しく考えるな少年。まだまだ若いんだから、突っ走れ!!」
ラウールはその言葉にはっとした。事情は分からないであろうギルマス。
しかし、その言葉には、重みを感じる、
 今まで幾人もの人生を見てきた大人だからこそ言える事なのか?
でも少しすっきりした
「ギルマス! ありがとう! 悪いけど家に帰っていいかな? 両親にCランクに上がった報告をしたいから!!」
ふっ!
 「行ってこい! ミックもララも喜ぶだろう! 俺もうれしいぜ 『漆黒の翼 ラウール』!」
 僕は自分の帰る家に向かい走り出した・・・。そう、大切な人のところへ。
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