冒険者パーティー【黒猫】の気まぐれ

sazae9

冒険者引退

僕、ラウールは10歳になった。
 孤児院の双子とは時々街の外で採取しているときに声をかけたり、実は時々孤児院に遊びに行っている。冒険者として依頼を受けていると、意外に動物も狩れる。動物は、大物であればギルドに卸すけど、小さいものなら上げてもいいし。偽善でも気持ちはいい。
 院長先生ともそれで話をするようになった。ずいぶん感謝されたが、そこは中身中年の子供。うまくかわして程よい距離で付き合っていると自分では思っている。院長先生、コリンさんと言うが、良い人だと思う。珍しく黒髪でお揃いだ。


それとまだ変化がある。もう1年で、父様母様は冒険者を引退すると決めていた。この数年一緒に依頼をしたり、訓練をしたりしていたけど、そろそろ衰えを感じてきたと言っていた。父ミック38歳、母ララ4・・・永遠の18歳。今は就職活動中だ。いくら貯蓄をしてきたとはいえ、この世界も地球と変わらい位の長寿を誇る。短命な人は魔物や盗賊に襲われたものが多い。無事に生き延びれたものは、さすが魔法の世界。怪我や病気は何とかなる。もしかして、地球より長生きかも?
 今のところ母様は回復魔法を活かして治療院。父様は力を活かして、何かできることが無いか探している。
そして、父様母様はここサーシンに定住することを決め、家を購入した。
 僕に対しては、そばにいてほしい様子があるが、もう少し年を重ねたら、旅に出ても良いと話している。色々な世界を見てほしいとも願っているようだ。


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この世界は僕が現在いるサーシン王国があり、その南にはラシーア帝国がある。サーシン王国の東にはフイエウ共和国があり、その南にはテザン皇国がある。テザン王国から海を南に渡ると交易都市サザにつく。
そして、人族がほとんど踏み込んだことのない土地、フイエウ共和国の東には魔の森と呼ばれる難所があり、そこを抜けると海に出て、そこを更に進むと、魔大陸と呼ばれる大陸があるようだ。魔大陸についてはよくわからない。ただ、人族がすんでいるこの大陸は一度は回ってみたいと考えている。


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そして、9歳を迎えたころ、冒険者ギルドのギルドマスターと面談する機会があった。相手が会いたいと言っていたが、なかなか会えていなかったが、とうとう呼び出しをされて会うことになった。
ギルドマスター、ギルマスはどこの世紀末といった格好をしていた。スキンヘット、革ジャンの肩にとげはないが金属カバーを付け、大きな斧を担いで威圧してきた。ま~僕は威圧を無視して普通に挨拶をしていたら、苦笑いしていたが。何かあったら頼むと言われて分かれたが、子供に何を期待しているのか・・・。
 偉い人だろうから無下にはできないけど。


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そういった状況になり、僕は一緒に旅する仲間が欲しいと思っている。できたら僕はもう2年くらいこのあたりで依頼をこなし、旅に出たいと思っている。12歳くらいはまだ子供だけど、中身は中年。この広い世界を旅するのは長い時間が必要だと思う。この世界でも時空間魔法はあるみたいだが、伝説になっている。覚えることになったら移動時間は短縮できるけど、必ずできるとは限らない。前世で色々なところに出かけることが出来ない生活をしていたからか、今は自由に旅したいと考えている。


 両親の冒険者引退まであと1年。一緒に依頼をこなしつつ旅の準備をする。現在Dランクまで上がった。これでも異例の速さらしいが、出来たらもう少しランクを上げておきたい。


 冒険者ランク上げ、旅の準備、出来たら仲間をつくる。そして一番重要な、父様、母様との思い出作りをすること。その先に、前世については・・・・語ることができるかな・・・・

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