元魔王の人間無双
デュラン・グラハム
「今日の授業は対人格闘の訓練を行います。それでは皆2人1組にペアになってください」
ルシル先生の指示を受けてクラスメイト達が散らばっていく。
対人格闘の訓練は魔法騎士を目指す者としてとても重要だ。
魔法を使うにしろ武器を使うにしろ基本的な体の動かし方ができてなきゃ話にならない。
ガゼルは自身の体術を向上させる意味でこの授業は真面目にうけていた。
さて、誰と組もうか・・・
「なあなあレイヴァルド、良かったら俺とペアになってくれねぇか?」
悩んでいると、後ろから声をかけられる。
短めのヘアースタイルに漢らしい顔立ちの男だ。
急に知らない奴に話しかけられ、言葉が詰まってしまった。
そうしていると、向こうから自己紹介してきた。
「悪りぃ悪りぃ、俺はデュラン・グラハム。デュランって呼んでくれ。前からお前と話がしてみたかったんだ」
言葉遣いも漢らしく、大雑把そうな性格であることがうかがえる。
「すまない、突然のことで少し驚いてしまって。オレはガゼル・レイヴァルド。オレのこともガゼルでいい。別にペアを組んでもいいけど、なんでオレなんだ?」
そう訊くと、デュランは少し楽しそうな顔をした。
「お前が一番強そうだからだ。俺はもっと格闘術を磨きてぇんだ」
拳をグッと握りしめて力説してきた。
そこにオリビアがやってくる。
「ねぇガゼル、アタシと組まーーーーって、アンタ誰?」
オレの近くにきたオリビアはデュランを鋭い視線で睨みつけた。
デュランはその視線に物怖じすることなく、「デュラン・グラハムだ」と自己紹介した。
「それよりガゼル、アタシと組まない?」
デュランのことは全く興味が無い様子だった。
「悪い、先約があるんだ」
「先約ってまさか、こいつのこと?」
今初めて視界に入ったかのようにデュランを指差した。
「こいつ呼びとは失礼だな。お前誰だよ?」
「関係ないんだから下がってなさい。アタシはガゼルに用があるのよ」
2人の間がどんどん険悪な雰囲気になっていく。
「まぁまぁ、2人とも落ち着きなって」
オレは2人を落ち着かせる。
「とにかくオレはデュランと組むから、すまんがまた今度な」
そう言うとオリビアは「分かったわよ」と言い、向こうに行った。
「なんだったんだあいつは・・・?」
デュランが首をかしげていた。
「あいつはオリビアっていって、まぁあんなだけど悪い奴ではないんだ」
オレは一応フォローしておいた。
これから2人が関わることがあるかもしれない。
そんな時にしこりを残したままだと何かと面倒だろうからな。
「じゃあ、始めようかデュラン」
          
ルシル先生の指示を受けてクラスメイト達が散らばっていく。
対人格闘の訓練は魔法騎士を目指す者としてとても重要だ。
魔法を使うにしろ武器を使うにしろ基本的な体の動かし方ができてなきゃ話にならない。
ガゼルは自身の体術を向上させる意味でこの授業は真面目にうけていた。
さて、誰と組もうか・・・
「なあなあレイヴァルド、良かったら俺とペアになってくれねぇか?」
悩んでいると、後ろから声をかけられる。
短めのヘアースタイルに漢らしい顔立ちの男だ。
急に知らない奴に話しかけられ、言葉が詰まってしまった。
そうしていると、向こうから自己紹介してきた。
「悪りぃ悪りぃ、俺はデュラン・グラハム。デュランって呼んでくれ。前からお前と話がしてみたかったんだ」
言葉遣いも漢らしく、大雑把そうな性格であることがうかがえる。
「すまない、突然のことで少し驚いてしまって。オレはガゼル・レイヴァルド。オレのこともガゼルでいい。別にペアを組んでもいいけど、なんでオレなんだ?」
そう訊くと、デュランは少し楽しそうな顔をした。
「お前が一番強そうだからだ。俺はもっと格闘術を磨きてぇんだ」
拳をグッと握りしめて力説してきた。
そこにオリビアがやってくる。
「ねぇガゼル、アタシと組まーーーーって、アンタ誰?」
オレの近くにきたオリビアはデュランを鋭い視線で睨みつけた。
デュランはその視線に物怖じすることなく、「デュラン・グラハムだ」と自己紹介した。
「それよりガゼル、アタシと組まない?」
デュランのことは全く興味が無い様子だった。
「悪い、先約があるんだ」
「先約ってまさか、こいつのこと?」
今初めて視界に入ったかのようにデュランを指差した。
「こいつ呼びとは失礼だな。お前誰だよ?」
「関係ないんだから下がってなさい。アタシはガゼルに用があるのよ」
2人の間がどんどん険悪な雰囲気になっていく。
「まぁまぁ、2人とも落ち着きなって」
オレは2人を落ち着かせる。
「とにかくオレはデュランと組むから、すまんがまた今度な」
そう言うとオリビアは「分かったわよ」と言い、向こうに行った。
「なんだったんだあいつは・・・?」
デュランが首をかしげていた。
「あいつはオリビアっていって、まぁあんなだけど悪い奴ではないんだ」
オレは一応フォローしておいた。
これから2人が関わることがあるかもしれない。
そんな時にしこりを残したままだと何かと面倒だろうからな。
「じゃあ、始めようかデュラン」
          
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