元魔王の人間無双
恨み
オレは生徒会室にきていた。
「よくきたな、俺が生徒会長のキース・グランハルトだ。まあそこにかけてくれ」
オレは生徒会室に促され椅子に座る。
朝に見た女からはすごい視線を感じる。
「あの、それでオレに何か用ですか?」
オレは早速話の本題を切り出す。
「一度お前と話をしたいと思っていたんだ。今年の入学試験でずば抜けた成績を残したお前にな」
なるほど、興味本位というわけか。
「オレとですか?」
「そうだ、さっきの模擬戦を見ていて中々見どころのありそうな奴だとおもったんでな。お前、手を抜いていただろう?」
さっきの戦いを見ていたのか?
それに実力を出していないことにも気づいていたのか?
まあ、ここは一応誤魔化しておくか。
「いえ、全力でしたけど…。何でそう思ったんですか」
「なんとなくだ。言うなれば経験と勘だ」
なるほど、根拠はないということか。
「もちろん全力でした。友達に手を抜いたら失礼でしょう」
それらしい理由で誤魔化しておこう。
「…お前、生徒会に入る気はないか?」
「本気ですかっ!生徒会長!?」
今まで黙っていた朝の女が驚きの声を上げる。
「生徒会は優秀な人材を常に求めている。学年首席のこいつなら大丈夫だろ、レイラ」
「し、しかしですね、こんな得体の知れない男を入れるのは私は反対です!」
この女、レイラというのか。
どうやら、オレのことが気に入らないらしい。
オレの意見は無視して話が進んでいく。
「すいません、お断りします」
「えぇ!?断るぅ!?」
レイラはさらに驚きの声を上げる。
「生徒会長直々のお誘いを断るんですか?」
「断って欲しいんじゃなかったんですか?」
「まさか本当に断るなんて思っていませんでしたから…。生徒会長に恥をかかせるなんて…」
レイラはオレを睨みつけてきた。
誘いを断って恥をかかせたことが許せないようだ。
「まぁそう睨んでやるなよレイラ。俺は気にしてないから」
生徒会長が間に入りレイラをなだめる。
ひとまずは落ち着いてくれたようだ。
「入りたくないなら仕方ない。時間をとらせたな、帰っていいぞ」
オレは一礼して生徒会室を出る。
出る瞬間敵意のこもった視線をオレは感じていた。
オレは自宅に向かって歩いていた。
時刻はもう夕方、大通りであっても人は少なくなっていた。
オレは近道の狭い路地を歩いている。
すると前に立ちふさがるように女が立っていた。
ーーーレイラだ。
「あの、何か用ですか」
「………せない……」
何かボソッと言っているが聞き取れない。
「え?何か言いましたか?」
もう一度聞くと、大声で怒鳴ってきた。
「許せないっていったんです!キース様が目をかけていたからどんな奴かと思ったら、遅刻に授業中の居眠り、あなたみたいな人が生徒会長に近づくなんて許されませんっ!」
何かと思えば逆恨みにも程がある。
生徒会長を慕うあまり、嫉妬からオレを恨んでいるのか。
まぁ、遅刻と居眠りをしていたオレも悪いんだろうが……
レイラは魔法を発動させて、オレを攻撃してくる。
「そこまでだっ!」
不意に声をかけられる。
声のする方を見ると、生徒会長が立っていた。
「…どうして、キース様がここに…」
「お前の様子がおかしかったから後をつけてきたんだ。魔法を発動させて何をしようとしているっ?」
レイラは生徒会長の質問に答えられない。
「すまなかったなガゼル。レイラには俺からしっかりと言っておく」
そう言うとレイラを連れて行ってしまった。
オレは少し笑みを浮かべる。
ーーーーー計算通り面倒なことにならずにすんだな。
レイラが襲ってくることは分かっていた。生徒会室を出るとき、それだけの敵意が視線にこもっていた。そして、そのレイラを生徒会長は見ていて、レイラがオレを襲うことに生徒会長は気づいていた。そしたら助けてくれるだろうと思い、わざと近道の人通りの少ない道を選んだのだ。
これ以上つきまとわれると面倒だから、生徒会長から叱ってもらわないとな。
オレはそのまま家に帰った。
「よくきたな、俺が生徒会長のキース・グランハルトだ。まあそこにかけてくれ」
オレは生徒会室に促され椅子に座る。
朝に見た女からはすごい視線を感じる。
「あの、それでオレに何か用ですか?」
オレは早速話の本題を切り出す。
「一度お前と話をしたいと思っていたんだ。今年の入学試験でずば抜けた成績を残したお前にな」
なるほど、興味本位というわけか。
「オレとですか?」
「そうだ、さっきの模擬戦を見ていて中々見どころのありそうな奴だとおもったんでな。お前、手を抜いていただろう?」
さっきの戦いを見ていたのか?
それに実力を出していないことにも気づいていたのか?
まあ、ここは一応誤魔化しておくか。
「いえ、全力でしたけど…。何でそう思ったんですか」
「なんとなくだ。言うなれば経験と勘だ」
なるほど、根拠はないということか。
「もちろん全力でした。友達に手を抜いたら失礼でしょう」
それらしい理由で誤魔化しておこう。
「…お前、生徒会に入る気はないか?」
「本気ですかっ!生徒会長!?」
今まで黙っていた朝の女が驚きの声を上げる。
「生徒会は優秀な人材を常に求めている。学年首席のこいつなら大丈夫だろ、レイラ」
「し、しかしですね、こんな得体の知れない男を入れるのは私は反対です!」
この女、レイラというのか。
どうやら、オレのことが気に入らないらしい。
オレの意見は無視して話が進んでいく。
「すいません、お断りします」
「えぇ!?断るぅ!?」
レイラはさらに驚きの声を上げる。
「生徒会長直々のお誘いを断るんですか?」
「断って欲しいんじゃなかったんですか?」
「まさか本当に断るなんて思っていませんでしたから…。生徒会長に恥をかかせるなんて…」
レイラはオレを睨みつけてきた。
誘いを断って恥をかかせたことが許せないようだ。
「まぁそう睨んでやるなよレイラ。俺は気にしてないから」
生徒会長が間に入りレイラをなだめる。
ひとまずは落ち着いてくれたようだ。
「入りたくないなら仕方ない。時間をとらせたな、帰っていいぞ」
オレは一礼して生徒会室を出る。
出る瞬間敵意のこもった視線をオレは感じていた。
オレは自宅に向かって歩いていた。
時刻はもう夕方、大通りであっても人は少なくなっていた。
オレは近道の狭い路地を歩いている。
すると前に立ちふさがるように女が立っていた。
ーーーレイラだ。
「あの、何か用ですか」
「………せない……」
何かボソッと言っているが聞き取れない。
「え?何か言いましたか?」
もう一度聞くと、大声で怒鳴ってきた。
「許せないっていったんです!キース様が目をかけていたからどんな奴かと思ったら、遅刻に授業中の居眠り、あなたみたいな人が生徒会長に近づくなんて許されませんっ!」
何かと思えば逆恨みにも程がある。
生徒会長を慕うあまり、嫉妬からオレを恨んでいるのか。
まぁ、遅刻と居眠りをしていたオレも悪いんだろうが……
レイラは魔法を発動させて、オレを攻撃してくる。
「そこまでだっ!」
不意に声をかけられる。
声のする方を見ると、生徒会長が立っていた。
「…どうして、キース様がここに…」
「お前の様子がおかしかったから後をつけてきたんだ。魔法を発動させて何をしようとしているっ?」
レイラは生徒会長の質問に答えられない。
「すまなかったなガゼル。レイラには俺からしっかりと言っておく」
そう言うとレイラを連れて行ってしまった。
オレは少し笑みを浮かべる。
ーーーーー計算通り面倒なことにならずにすんだな。
レイラが襲ってくることは分かっていた。生徒会室を出るとき、それだけの敵意が視線にこもっていた。そして、そのレイラを生徒会長は見ていて、レイラがオレを襲うことに生徒会長は気づいていた。そしたら助けてくれるだろうと思い、わざと近道の人通りの少ない道を選んだのだ。
これ以上つきまとわれると面倒だから、生徒会長から叱ってもらわないとな。
オレはそのまま家に帰った。
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