頭脳派ゲーム世界の黒幕
図書室
図書室にやってきたオレは周りを見渡し空いている席を探す。勉強用の机や椅子がたくさんある。特別ゲームが発表されてすぐということもあり、たくさんの生徒が図書室を利用していた。
「夜神くん、お待たせ」
樟葉が後からやってきた。その隣には進藤の姿もあった。三人で空いている席に座る。
「3人でするのか?」
「七瀬さんも誘ったんだけど断られちゃった。進藤くんも一緒にすることになったんだけど、ダメかな?」
「いや、大丈夫だ」
進藤のことは話したことはないのでよくわからないが、悪いやつではないような気がする。一緒に勉強するのを断る理由はない。
「始めまして、になるのかな。夜神くん。僕は進藤智」
「オレは夜神優希。よろしくな」
顔見知りではあるが一応自己紹介しておく。
「進藤は学力が不安なのか?Dランクみたいだけど」
端末で確認すると、400ptDランクと表示される。
「まぁ少しね。君も不安だからここに来たんだろ?君のランクは…………」
進藤が端末を触りオレのランクを確認する。
「え、Fランク………か。大変そうだね」
「オレもそう思うよ」
「さぁ、早く勉強しようよ」
樟葉はそう言うとノートを取り出してペンをサッと走らせる。
オレもそれに続いて勉強を始める。
1時間ぐらい勉強して、時刻は午後の5時半を過ぎていた。周りで勉強している人たちも帰りだす時間だ。
「そろそろ終わりにしよっか」
背伸びをしながらそう口にする樟葉。
「そうだな。もうそろそろ帰る時間だ」
「これだけすれば僕の学力なら心配なさそうだよ。樟葉さん。ありがとう」
「全然気にしなくていいよ。それじゃあ帰ろっか」
オレたちは席を立ち上がる。
これでお開きの流れにーーーーー
「ハッ。こんなにバカみてぇに机にかじりついてるヤツがいるとは思わなかったぜ。見に来て正解だったな」
静かな図書室に突然男の声が響き渡る。声のする方に視線を向けると、図書室の入り口付近で男が5人近く突っ立っている。
周りの視線はその5人の先頭に立っている男に釘付けになっていた。明らかにガラが悪く目つきが悪い。黒髪オールバックで前髪を全て後ろに掻き上げている。
「バカがバカみてぇに勉強してらぁ。ククッ、面白ぇなぁ」
「ちょっと静かにしてくれるかな、海堂くん。今僕たち勉強してるんだけど」
机に座っていた男子生徒が1人立ち上がり、海堂と呼んだ男に注意する。
「誰かと思えば天羽じゃねぇか。同じクラスだからって気安く呼ぶんじゃねぇよ」
「最初に言ったよね。僕と海堂くんは1年3組のリーダーとして対等な立場だって」
「それはお前らが勝手に決めたことだ。俺がそれを守る必要はねぇ。調子に乗ってると今すぐ潰すぞ」
この図書室にはまだ沢山の生徒がいる。その全員に威圧するような態度をとっている海堂と天羽が衝突している。
「今日はバカを見に来ただけだ。俺の機嫌が良くて命拾いしたな天羽」
そう言うと海堂は取り巻きを連れて図書室から去っていった。
張り詰めていた空気が緩み、この場にいた全員の肩の力が抜ける。
立ったままの天羽が同じく自分の席で立っていたオレと目が合う。
「ご迷惑をかけてしまい申し訳ありません。同じクラスとして謝罪させてください」
天羽がこちらに頭を下げて謝ってきた。
「いや、お前が悪いわけじゃないから謝る必要はないよ。間に入って注意してくれて感謝してるくらいだ」
オレの台詞に共感してくれたようで、周りの人たちもみんな首を縦に振っている。
「ありがとうございます。あの、僕は天羽正義です。困ったことがあったら言ってください。皆さんの力になりたいんです」
威圧的な海堂相手でも物怖じしない勇ましさと、困ってる人に手を差し伸べる優しさ、その両方を併せ持っている非常に稀有な存在だと思われる。
「ありがとう。もしかしたら声をかけるかもしれない。その時はよろしく」
「もちろんです」
オレは樟葉と進藤を連れて図書室を後にした。
「夜神くん、お待たせ」
樟葉が後からやってきた。その隣には進藤の姿もあった。三人で空いている席に座る。
「3人でするのか?」
「七瀬さんも誘ったんだけど断られちゃった。進藤くんも一緒にすることになったんだけど、ダメかな?」
「いや、大丈夫だ」
進藤のことは話したことはないのでよくわからないが、悪いやつではないような気がする。一緒に勉強するのを断る理由はない。
「始めまして、になるのかな。夜神くん。僕は進藤智」
「オレは夜神優希。よろしくな」
顔見知りではあるが一応自己紹介しておく。
「進藤は学力が不安なのか?Dランクみたいだけど」
端末で確認すると、400ptDランクと表示される。
「まぁ少しね。君も不安だからここに来たんだろ?君のランクは…………」
進藤が端末を触りオレのランクを確認する。
「え、Fランク………か。大変そうだね」
「オレもそう思うよ」
「さぁ、早く勉強しようよ」
樟葉はそう言うとノートを取り出してペンをサッと走らせる。
オレもそれに続いて勉強を始める。
1時間ぐらい勉強して、時刻は午後の5時半を過ぎていた。周りで勉強している人たちも帰りだす時間だ。
「そろそろ終わりにしよっか」
背伸びをしながらそう口にする樟葉。
「そうだな。もうそろそろ帰る時間だ」
「これだけすれば僕の学力なら心配なさそうだよ。樟葉さん。ありがとう」
「全然気にしなくていいよ。それじゃあ帰ろっか」
オレたちは席を立ち上がる。
これでお開きの流れにーーーーー
「ハッ。こんなにバカみてぇに机にかじりついてるヤツがいるとは思わなかったぜ。見に来て正解だったな」
静かな図書室に突然男の声が響き渡る。声のする方に視線を向けると、図書室の入り口付近で男が5人近く突っ立っている。
周りの視線はその5人の先頭に立っている男に釘付けになっていた。明らかにガラが悪く目つきが悪い。黒髪オールバックで前髪を全て後ろに掻き上げている。
「バカがバカみてぇに勉強してらぁ。ククッ、面白ぇなぁ」
「ちょっと静かにしてくれるかな、海堂くん。今僕たち勉強してるんだけど」
机に座っていた男子生徒が1人立ち上がり、海堂と呼んだ男に注意する。
「誰かと思えば天羽じゃねぇか。同じクラスだからって気安く呼ぶんじゃねぇよ」
「最初に言ったよね。僕と海堂くんは1年3組のリーダーとして対等な立場だって」
「それはお前らが勝手に決めたことだ。俺がそれを守る必要はねぇ。調子に乗ってると今すぐ潰すぞ」
この図書室にはまだ沢山の生徒がいる。その全員に威圧するような態度をとっている海堂と天羽が衝突している。
「今日はバカを見に来ただけだ。俺の機嫌が良くて命拾いしたな天羽」
そう言うと海堂は取り巻きを連れて図書室から去っていった。
張り詰めていた空気が緩み、この場にいた全員の肩の力が抜ける。
立ったままの天羽が同じく自分の席で立っていたオレと目が合う。
「ご迷惑をかけてしまい申し訳ありません。同じクラスとして謝罪させてください」
天羽がこちらに頭を下げて謝ってきた。
「いや、お前が悪いわけじゃないから謝る必要はないよ。間に入って注意してくれて感謝してるくらいだ」
オレの台詞に共感してくれたようで、周りの人たちもみんな首を縦に振っている。
「ありがとうございます。あの、僕は天羽正義です。困ったことがあったら言ってください。皆さんの力になりたいんです」
威圧的な海堂相手でも物怖じしない勇ましさと、困ってる人に手を差し伸べる優しさ、その両方を併せ持っている非常に稀有な存在だと思われる。
「ありがとう。もしかしたら声をかけるかもしれない。その時はよろしく」
「もちろんです」
オレは樟葉と進藤を連れて図書室を後にした。
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