頭脳派ゲーム世界の黒幕
差別
食堂で食事を終えたオレたちは教室に戻ってきていた。
「嫌な人たちだったね。ご飯が不味くなったよ」
樟葉は明らかに気分を害していた。あんなことがあった後だから当然だろう。
「なんで夜神くんは、そんなに落ち着いていられるの?」
「無駄なことはしない主義なんだ」
怒ったところで何の意味もない。気力と体力を消耗するだけだ。
「周りの人たちも冷たかったし、助けてくれなかったよね」
「この島には、根深い差別意識があるみたいだな」
激しく対立することで、能力の向上を図っているというところだろうか。争いから生み出そうとするのは間違いではないが、下の者からすればたまったものではない。
もちろんそんなことを樟葉が認められるわけがなく、
「私は嫌だな。みんなで力を合わせたほうが絶対いいよ」
そう否定する。
「けど、七瀬みたいなやつもいるし、そう簡単にはいかないだろうな」
「それでも私は諦めない。諦めたくない」
心のこもった言葉のようで、相応の重みをオレは感じ取る。
「その意気込みがあれば大丈夫だろ。頑張れよ」
「うんっ!」
エールだけ送っておいた。困難な道のりだが不可能だとは限らない。
今はまだ可能性は無限に広がっている。
元気を取り戻したようで樟葉は自分の席に戻っていく。オレも自分の席に戻る。
「何かあったの?」
隣の席の白銀がこちらに質問を投げかけてきた。
「ちょっと上級生に絡まれてな」
「それは災難だったね。怪我しなかった?」
「喧嘩になったわけじゃないから大丈夫だ。ランクが下だからって馬鹿にされた」
「そういうこともあるよ。この島は厳しいところだからね」
白銀はポケットから端末を取り出すとなにやら触り始めた。
「…………なるほど。君はFランクなんだ」
ランクを言い当てられる。
「どうして分かったんだ?」
そう問いかけると白銀は小首を傾げる。
「端末の使い方を知らないの?近くの人の個人情報を確認することができるんだよ。見てみて」
こちらに向けられた端末の画面を見ると、白銀の端末にオレの個人情報が表示されていた。もちろんランクとポイントも。
なるほど、そんなことができるのか。後で学年全員の顔と名前を確認しておこう。
オレは自分の端末を取り出し白銀のランクを調べてみる。そこには2000ptCランクと書かれていた。
「Cランク……………」
「問題数無制限だったから解き続けたらそのランクになっちゃった」
とてつもなく頭がいいことが分かる。
「この島に来て良かったよ。ここなら私の実力が分かるみたいだからね」
「本土の学校だと駄目だったのか?」
「周りは猿みたいな人ばっかりだったんだ。今はまだCランクだけど、いずれ頂点をとりたいな」
自信を持ってそう発言する白銀には相応の実力がある。もしかしたら頂点も夢ではないのかもしれない。
すごいやつと同じクラス、それも隣の席になったものだ。
「まぁ頑張ってくれ。オレには応援するくらいしかできないからな」
「それもそうだね」
オレは友達づくりを楽しいと感じ始めていた。
「嫌な人たちだったね。ご飯が不味くなったよ」
樟葉は明らかに気分を害していた。あんなことがあった後だから当然だろう。
「なんで夜神くんは、そんなに落ち着いていられるの?」
「無駄なことはしない主義なんだ」
怒ったところで何の意味もない。気力と体力を消耗するだけだ。
「周りの人たちも冷たかったし、助けてくれなかったよね」
「この島には、根深い差別意識があるみたいだな」
激しく対立することで、能力の向上を図っているというところだろうか。争いから生み出そうとするのは間違いではないが、下の者からすればたまったものではない。
もちろんそんなことを樟葉が認められるわけがなく、
「私は嫌だな。みんなで力を合わせたほうが絶対いいよ」
そう否定する。
「けど、七瀬みたいなやつもいるし、そう簡単にはいかないだろうな」
「それでも私は諦めない。諦めたくない」
心のこもった言葉のようで、相応の重みをオレは感じ取る。
「その意気込みがあれば大丈夫だろ。頑張れよ」
「うんっ!」
エールだけ送っておいた。困難な道のりだが不可能だとは限らない。
今はまだ可能性は無限に広がっている。
元気を取り戻したようで樟葉は自分の席に戻っていく。オレも自分の席に戻る。
「何かあったの?」
隣の席の白銀がこちらに質問を投げかけてきた。
「ちょっと上級生に絡まれてな」
「それは災難だったね。怪我しなかった?」
「喧嘩になったわけじゃないから大丈夫だ。ランクが下だからって馬鹿にされた」
「そういうこともあるよ。この島は厳しいところだからね」
白銀はポケットから端末を取り出すとなにやら触り始めた。
「…………なるほど。君はFランクなんだ」
ランクを言い当てられる。
「どうして分かったんだ?」
そう問いかけると白銀は小首を傾げる。
「端末の使い方を知らないの?近くの人の個人情報を確認することができるんだよ。見てみて」
こちらに向けられた端末の画面を見ると、白銀の端末にオレの個人情報が表示されていた。もちろんランクとポイントも。
なるほど、そんなことができるのか。後で学年全員の顔と名前を確認しておこう。
オレは自分の端末を取り出し白銀のランクを調べてみる。そこには2000ptCランクと書かれていた。
「Cランク……………」
「問題数無制限だったから解き続けたらそのランクになっちゃった」
とてつもなく頭がいいことが分かる。
「この島に来て良かったよ。ここなら私の実力が分かるみたいだからね」
「本土の学校だと駄目だったのか?」
「周りは猿みたいな人ばっかりだったんだ。今はまだCランクだけど、いずれ頂点をとりたいな」
自信を持ってそう発言する白銀には相応の実力がある。もしかしたら頂点も夢ではないのかもしれない。
すごいやつと同じクラス、それも隣の席になったものだ。
「まぁ頑張ってくれ。オレには応援するくらいしかできないからな」
「それもそうだね」
オレは友達づくりを楽しいと感じ始めていた。
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