太った女子高生が異世界で痩せた話

ノベルバユーザー411408

僕と契約して

「僕と契約して、山賊になってよ」

突然現れた謎の生き物にそう言われたデブ子。突然言われても、15歳の少女には契約も山賊もわからない。そんな危ないことできるはずがない。でも、この世界で生まれた生き物と契約をして関係を作っておけば、その世界に居ても良い気がする。でも山賊なんて危ないことはしたくない。

デブ子は頭をフル回転させて考えた結果、「やだね」と断った。

「大体あんたは何?突然出てきて、いきなり図々しいにも程がある。やっと会えたねってのも何?中条きよしかよ」

生き物はフルフルと頭をふり、デブ子を見つめ、言った。

「僕のことが知りたい?じゃあ、ついておいでよ。こっちだよ!」

そして竹藪を駆け抜けていった。

デブ子はついていかなかった。日頃から怪しい人にはついていくなと親に言われているのだ。山賊に誘われているなら、尚更ついて行きたくない。あの生き物も、初対面の人を誘いたいならこの場で話をするのが筋というものだ。

デブ子は無言で、その生き物とは違う方向へ歩き出すのだった。

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