しがない男子生徒の日常

アノニーモス

2日目



 今日は初めて自転車で学校に行くので僕は心穏をLINEで誘うことにした。

「今日初めてやし一緒に行かん?」

「いいよ。実は俺もそう言おうとしてたんだ」

「相思相愛?」

「アホ!以心伝心だ!どんな間違いしてるんだ。キモイぞ」

「冗談だって。そこまで言わなくてもいいじゃないか」

「すまんな、話を戻すけど7時半に俺の家集合でいいか?」

「いいよじゃあ今から向かうわ」

 今の時間は7時20分。ここから心穏の家までは10分程かかる。そして、心穏の家から高校まで30分以上かかる。ホームルーム開始時間は9時45分なので時間に余裕はある。心穏の家までは坂道なのでとても大変だなと感じながら自転車をこいでいるとあっという間に慎吾の家に着いた。そしてチャイムを鳴らした。

「おはようございまーす!勇気です!」

「おはよう勇気。いつもよりちょっと早かったな」

「気のせいじゃない?」

「そうか」

 と会話しているうちに心穏は自転車を準備した。

「よし、行こうか」

 高校に行くまでの道中、僕達は部活について話していた。

「そういえば勇気はテニス続けるんだよな?」

「まあ、テニスは楽しいからね」

「やめといた方がいいぞ。俺たちの高校のソフトテニス部は治安がわるいらしい」

「ヤンキーの溜まり場だったり?」

「いや、そんなことはないんだか祭りとかで酒を飲んでいるらしい」

「それまじ?本当だったら捕まるんじゃない?」

「さあ?それはあんまり分からないな」

「でも、仲のいい先輩いるし」

「ああ城崎先輩だろ?」

「そうだけど、先輩も?」

「いやそんな話は聞いたことないな」

「そうか。良かった」

「その代わりにバレー部はいらないか?」

「バレー僕苦手なんだよね」

「下手でもいいから入って!お願い!」

「まあ見学してからね」

「分かったよ」

 その後は変な豆知識を披露したりして、時間を潰しながら自転車をこぐこと30分、高校に着いた。

「あ、心穏君!おはよう!」

「うん、おはよう」

「駐輪場の場所分かる?」

「先生が案内してくれるって言ってなかった?」

「そうなんだけどその先生がいないの」

「それは困ったね。勇気、場所覚えてる?」

「なんとなくだけど覚えてるよ。あのプールの奥だったと思うよ」

「さすが勇気だな、なんでも知ってるな」

「いや知ってることだけだよ」

 軽口を叩きながら駐輪場へ向かっていると

「あ、あの!勇気君、ありがとうございます」

「い、いえこれぐらい普通ですよ」

「フフッ」

「お、おい!心穏笑うなよ!仕方ないだろコミュ障なんだから」

「ああ、ごめん。いつ見ても面白いなって思ってさ」

「2人は仲がいいんですね」

「「義兄弟だからな」」

「すごいね、息ぴったりだったよ」

「あ、いつもの癖で」

「勇気君って面白いんだね。LINE交換しようよ」

「あ、はい」
 
 後で知った話だが話しかけてきた女の子は同じ中学だった事を心穏から聞いた。3人で1年の教室に向かった。ちなみに女の子は違うクラスだった。教室に着いてからは心穏とは別々に行動をとった。45分のチャイムが鳴ると朝読書の時間が始まった。5分後に再びチャイムが鳴り

「はい!読書やめて。起立!礼」

「「「おはようございます」」」

「おはようざっくりと今日の日程を話すぞ」

 今日は学校紹介、自己紹介、写真撮影、部活動紹介、部活動見学だ。学校紹介では特に何もなく1時間かけて学校を1周した。自己紹介は、

「永崎勇気です。中学の時はテニスをしてました。高校ではバレー部に入る予定です。よろしくお願いします」

 僕にしてはそこそこの挨拶だった。39人目の自己紹介が終わると休憩になった。僕と心穏は早めに撮影のために体育館へ向かった。10分程すると体育館に僕のクラスが全員集まった。集合写真を撮り終わると個人写真を撮った。個人写真を撮り終えた人から教室に帰っていった。教室に着いてから20分程をとってから、部活動紹介が始まった。どの部活も素晴らしく全部に入ってみたいとも思った。だが部活動見学はソフトテニス部と体操部だけに見学に行った。そこには心穏はいなかった。そして帰りは一人で40分自転車こぎ家に着いた。一人で回ったがとても楽しかった。

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