Blume

メリノ

とにかく絶対客席からじゃ見えないようなことまで注意し合う反省会。指摘ばかりしていると、場が重くなるので、指摘をした人達は良かった場所も一緒に言っていく。
そうして、役者は一人一人着替え室で着替えを済ませ、劇場から出て、帰宅なり、ホテルに帰っていく。
いつもどおり劇場から出ると、一定の距離から役者を見守るファン。警備員は居ない。それは、私達のファンのマナーが良いからだった。この役者に怪我や、心理的圧迫をしないよう、一定の距離から役者を見送る。それがファンの唯一のルールなんだそうだ。
今日も私達が通行で苦労しないよう、一定の距離を保ってくれている。「みんな、今日もありがとう。また、新しい夢をあなた達に送れるように、精一杯頑張るよ。」心からの感謝と笑顔をファンに向けた後、歩いてホテルへ向かう。その後をつけてくるような質の悪いファンは居ない。役者が手を振るのをやめ、帰路に着くと、ファンも帰る。おかげで、私達は誰かによって恐怖に怯えることも無く、毎日過ごせている。

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