これがあたしの王道ファンタジー! 〜愛と勇気と装備変更と〜
前略、共存と出発と
「………はっ!」
あたしはどうなったんだっけ?ボスと戦って、ノノちゃんに心を傷つけられて………
て、こんな敵地で眠るのはまずいのでは!?思わず飛び起きる。猿達は!?
「あ、セツナお姉さん、おはようだね」
「あ、うん。おはよう」
もうとっくに昼だと思うけど、柔らかな笑顔にただあいさつを返すことしかできない。猿は……?
周りを見渡すと、猿達はその山のように積まれ気絶していた。これが本当の猿山ってか。
というかノノちゃんつよっ!!
「もう少し寝ててもよかったよ?」
ありがたい話しだけど、サボるわけにはいかない。今回の目的はみんなが笑ってることだから。ノノちゃんも村のみんなも猿達も。
少し離れたところにいたボスに駆け寄る。あたしに一騎打ちで負けたからか。もう敵意はないみたい。
「どうして村を襲ったの?やっぱり食料の為とか?」
「ウキ、ウキキ」
だめだやっぱり通じない。リリアンの言ってた新種だとか、なんやらでなにか理由があると思ったんだけどなぁ。
「仕方ない、こうなったら」
「ジェスチャーだ!」
言葉は通じなくてもあんなに戦ったんだ。身振り手振りでわかり合おう!まずは……
「自己紹介から!」
ボスも乗ってくる、しばらくあたし達は相互理解に興じる。あ な た の お な ま え は ?
「セツナお姉さん………」
それを見ていたノノちゃん曰く、「セツナお姉さんまでお猿さんになっちゃったみたいで本当に怖かった」とのこと。いやぁ反省してます。
「おかえりなさい。」
しっかりと約束を守れたようですね、お疲れ様でした。帰ってきたあたしにリリアンからの労いの言葉。
なんだか嬉しいな。
「ただいま、いろいろあったよ〜」
「知ってます。見てましたから。」
「見てましたから!?」
いったいどこで?そしてどうやって?
「それでゴムザルとはわかりあえましたか?」
ゴムザル?はて?
「あの猿達です。私が名付けました。」
まぁそれでいっか。いつまでも猿と呼び続けるのも印象よくないね。
パニックを避けるため、外に待機させていたボスを呼ぶ。ここからが本題だ。
「えっと……ゴムザル達は1ヶ月前くらいから突然現れて……」
あたしは1時間弱のコミニュケーションで知り得た情報を伝える。2人の努力の成果を!
「それは知っています。ノノさんも言ってました。」
「それはそうなんだけど、えっと……」
なんて言ったらいいのかな。
「ゴムザル達もどこから来たのかわからないっていうか、突然現れたっていうか……」
うまく伝わらない!
「わたしの出番かね。」
「誰だ!新キャラか!」
思考がまとまらない中、突然の新しい声。邪魔しないで!
振り返れば白衣を着て、スラリと背の高い女性が立ってた。ちょっと偉そうに。
胸の名札には『ナナ』と書いてある。
「おねぇちゃん!おはよう!」
「うむ、おはよう。我が妹よ」
ノノちゃんのお姉さんか、ゴムザルの脳みそ食べようとして返り討ちにあって気絶してた。うん、多分この人はポンコツだろう。間違いない。
「君が猿達を連れてきてくれたのかありがとう」
「これを使うといい。自信作だ」
そういって、ナナさんは輪っかのような機械を差し出してきた。これは……
「猿の言葉がわかる『サルリンガル』だ」
「サルリンガル!?それ大丈夫!?怒られない!?」
気にするな、とナナさんはボスの頭に、サルリンガルを乗せる。さぁどうなる?
「ワ、ワタシタチワ……」
「「おぉ!!」」
片言だけど伝わる!これはスゴイ!しばらくあたし達はボスの話しに耳を傾けた。
話しをまとめると、ゴムザル達は1ヶ月前に突然現れた。本当に突然、自分達でもわからずに、この世界に現れたのだと。魔物として縄張りを大きくすることもできず、結果近くの村を襲う事になったらしい。
「そっか、ボス達も大変だったんだね。」
手段は間違っていたけど、気持ちはわかる。誰だって生きたい。それは全生命の願いだろう。
「それじゃあ、いっぱい償わないとね。」
人生の良いところは、何度でもやり直せるところだろう。いや、猿生か?まぁでもどちらにせよ手遅れなんてない。
「受け入れてくれるまで、時間はかかるかもしれないけどなんとかなるよ。」
あたしの言葉にボスはしっかり頷き返す。
「ゴメンナサイ」
ボスはノノちゃんとナナさんに頭を下げる。これが和解への第一歩になるといいな。
ボン!と小さく煙がでてサルリンガルが壊れる。
「ふむ、壊れたか……改良に努めよう」
寝る。とナナさんは部屋に戻っていった。
「壊れちゃったか、まぁでも、いっか!」
心で通じ合ってるあたし達には必要ないだろう。
「とりあえずこの話しは終わりです。」
ご飯にしましょう。リリアンからの提案。ん?ご飯?
「カレーです。」
カレー……まぁ、あるか。問題は……
「リリアン、料理できないんじゃなかったっけ?」
「できないのではなくやらないのです。」
キッパリ言い切るリリアン、なるほど確かに匂いはいい。
「だいたい、料理なんてしっかり材料を揃えておけば、そう難しいものではありません。」
コン、と皿が置かれるどれどれ?
「えっと……リリアンお姉さん?これは……?」
「だから、カレーです。正確には『ゴロゴロ野菜の熟成カレー』です。」
なにその料理本みたいな名前。
リリアンの置いた皿には、半面におかゆ、残りの半面にルー、そしてルーに浮かぶゴロゴロ野菜、もといそのまま野菜。
「なかなか自信作です。」
心なしか満足げな表情のリリアン。
これ、味見とかした?
「味見?必要ありません。完璧なできです。ご飯が少し柔らかいですけど。許容範囲でしょう。」
あ、料理できない人の考え方だ。
「世の中には、野菜の皮を向かずに調理する愚か者めがいるようですが、私は違います。洗いましたし、むきました。」
そうか次からは切ることも覚えたほうがいいよ。
「わ、わたしはあとでいいよ……今日1番頑張ってたセツナお姉さんに食べてほしいな!」
「ノノちゃんさん!?」
売られた、ノノちゃんの目が語る、死ぬなら1人で死ねと。
「それもそうですね。さぁ、食べなさい。」
見た目は酷いけどリリアンがあたし達の為に作ってくれたんだ、恥を欠かすわけにはいかないか……
でも………食べる→死 食べない→死
それなら食べて死のう。覚悟を決める。数時間前の死闘のように。
「ウキ!」
突然肩に手を置かれる、ボス!お前!
戦ってお互いにわかり合った戦友の目が語る。「お前1人で、いかすかよ」って!
「よし!リリアンカレーをもう1皿頼むよ!」
「ゴロゴロ野菜の熟成カレーです。」
リリアンからの訂正、そんなことはどうでもいい。
「いただきまーす!!」
戦友と2人、死地へのダイブ。そこから記憶が途切れる。カレーって甘いとか辛いとかだと思ってたけど、リリアンカレーはとてつもなく苦かった。ノノちゃんの薬草よりも。
次の日起きたら、昨日までの痛みが嘘のように引いていた。あとで聞いた話しだと大量の薬草が入っていたらしい。そりゃ苦いよ。
優しいの結果だろうか、だとしたらカレーにする必要はない。
「本当にいっちゃうんだね」
ノノちゃんが寂しそうに言う。ゴムザルとの共存とかは村のみんなに託す。まぁ問題ないと思うけど
それと『疾風のブーツまーくすりー』はもらった。ありがたい、これがないと『セツナドライブ』できないし。
「ごめんね、やることがあるから。」
もっとゆっくりしたかったけど仕方ない、本当は昨日出るはずだったし。
「またご飯食べにくるよ。約束。」
「セツナお姉さん達青の領地に行くんだよね、いつかわたしも遊びにいくよ!」
うん、待ってる。
「あと、薬草は食べちゃダメだよ?塗らないと意味ないよ?」
あ、やっぱり?
「またねーー!」
ノノちゃんと村のみんなとゴムザル達に見送られ歩きだす。さて次はどんなことが起きるかな?
これからの冒険の事を考えながら足を進めていると
「それにしてもバカにつける薬がないから飲むなんて、驚きです。」
「うるさいよ!!」
あたしはどうなったんだっけ?ボスと戦って、ノノちゃんに心を傷つけられて………
て、こんな敵地で眠るのはまずいのでは!?思わず飛び起きる。猿達は!?
「あ、セツナお姉さん、おはようだね」
「あ、うん。おはよう」
もうとっくに昼だと思うけど、柔らかな笑顔にただあいさつを返すことしかできない。猿は……?
周りを見渡すと、猿達はその山のように積まれ気絶していた。これが本当の猿山ってか。
というかノノちゃんつよっ!!
「もう少し寝ててもよかったよ?」
ありがたい話しだけど、サボるわけにはいかない。今回の目的はみんなが笑ってることだから。ノノちゃんも村のみんなも猿達も。
少し離れたところにいたボスに駆け寄る。あたしに一騎打ちで負けたからか。もう敵意はないみたい。
「どうして村を襲ったの?やっぱり食料の為とか?」
「ウキ、ウキキ」
だめだやっぱり通じない。リリアンの言ってた新種だとか、なんやらでなにか理由があると思ったんだけどなぁ。
「仕方ない、こうなったら」
「ジェスチャーだ!」
言葉は通じなくてもあんなに戦ったんだ。身振り手振りでわかり合おう!まずは……
「自己紹介から!」
ボスも乗ってくる、しばらくあたし達は相互理解に興じる。あ な た の お な ま え は ?
「セツナお姉さん………」
それを見ていたノノちゃん曰く、「セツナお姉さんまでお猿さんになっちゃったみたいで本当に怖かった」とのこと。いやぁ反省してます。
「おかえりなさい。」
しっかりと約束を守れたようですね、お疲れ様でした。帰ってきたあたしにリリアンからの労いの言葉。
なんだか嬉しいな。
「ただいま、いろいろあったよ〜」
「知ってます。見てましたから。」
「見てましたから!?」
いったいどこで?そしてどうやって?
「それでゴムザルとはわかりあえましたか?」
ゴムザル?はて?
「あの猿達です。私が名付けました。」
まぁそれでいっか。いつまでも猿と呼び続けるのも印象よくないね。
パニックを避けるため、外に待機させていたボスを呼ぶ。ここからが本題だ。
「えっと……ゴムザル達は1ヶ月前くらいから突然現れて……」
あたしは1時間弱のコミニュケーションで知り得た情報を伝える。2人の努力の成果を!
「それは知っています。ノノさんも言ってました。」
「それはそうなんだけど、えっと……」
なんて言ったらいいのかな。
「ゴムザル達もどこから来たのかわからないっていうか、突然現れたっていうか……」
うまく伝わらない!
「わたしの出番かね。」
「誰だ!新キャラか!」
思考がまとまらない中、突然の新しい声。邪魔しないで!
振り返れば白衣を着て、スラリと背の高い女性が立ってた。ちょっと偉そうに。
胸の名札には『ナナ』と書いてある。
「おねぇちゃん!おはよう!」
「うむ、おはよう。我が妹よ」
ノノちゃんのお姉さんか、ゴムザルの脳みそ食べようとして返り討ちにあって気絶してた。うん、多分この人はポンコツだろう。間違いない。
「君が猿達を連れてきてくれたのかありがとう」
「これを使うといい。自信作だ」
そういって、ナナさんは輪っかのような機械を差し出してきた。これは……
「猿の言葉がわかる『サルリンガル』だ」
「サルリンガル!?それ大丈夫!?怒られない!?」
気にするな、とナナさんはボスの頭に、サルリンガルを乗せる。さぁどうなる?
「ワ、ワタシタチワ……」
「「おぉ!!」」
片言だけど伝わる!これはスゴイ!しばらくあたし達はボスの話しに耳を傾けた。
話しをまとめると、ゴムザル達は1ヶ月前に突然現れた。本当に突然、自分達でもわからずに、この世界に現れたのだと。魔物として縄張りを大きくすることもできず、結果近くの村を襲う事になったらしい。
「そっか、ボス達も大変だったんだね。」
手段は間違っていたけど、気持ちはわかる。誰だって生きたい。それは全生命の願いだろう。
「それじゃあ、いっぱい償わないとね。」
人生の良いところは、何度でもやり直せるところだろう。いや、猿生か?まぁでもどちらにせよ手遅れなんてない。
「受け入れてくれるまで、時間はかかるかもしれないけどなんとかなるよ。」
あたしの言葉にボスはしっかり頷き返す。
「ゴメンナサイ」
ボスはノノちゃんとナナさんに頭を下げる。これが和解への第一歩になるといいな。
ボン!と小さく煙がでてサルリンガルが壊れる。
「ふむ、壊れたか……改良に努めよう」
寝る。とナナさんは部屋に戻っていった。
「壊れちゃったか、まぁでも、いっか!」
心で通じ合ってるあたし達には必要ないだろう。
「とりあえずこの話しは終わりです。」
ご飯にしましょう。リリアンからの提案。ん?ご飯?
「カレーです。」
カレー……まぁ、あるか。問題は……
「リリアン、料理できないんじゃなかったっけ?」
「できないのではなくやらないのです。」
キッパリ言い切るリリアン、なるほど確かに匂いはいい。
「だいたい、料理なんてしっかり材料を揃えておけば、そう難しいものではありません。」
コン、と皿が置かれるどれどれ?
「えっと……リリアンお姉さん?これは……?」
「だから、カレーです。正確には『ゴロゴロ野菜の熟成カレー』です。」
なにその料理本みたいな名前。
リリアンの置いた皿には、半面におかゆ、残りの半面にルー、そしてルーに浮かぶゴロゴロ野菜、もといそのまま野菜。
「なかなか自信作です。」
心なしか満足げな表情のリリアン。
これ、味見とかした?
「味見?必要ありません。完璧なできです。ご飯が少し柔らかいですけど。許容範囲でしょう。」
あ、料理できない人の考え方だ。
「世の中には、野菜の皮を向かずに調理する愚か者めがいるようですが、私は違います。洗いましたし、むきました。」
そうか次からは切ることも覚えたほうがいいよ。
「わ、わたしはあとでいいよ……今日1番頑張ってたセツナお姉さんに食べてほしいな!」
「ノノちゃんさん!?」
売られた、ノノちゃんの目が語る、死ぬなら1人で死ねと。
「それもそうですね。さぁ、食べなさい。」
見た目は酷いけどリリアンがあたし達の為に作ってくれたんだ、恥を欠かすわけにはいかないか……
でも………食べる→死 食べない→死
それなら食べて死のう。覚悟を決める。数時間前の死闘のように。
「ウキ!」
突然肩に手を置かれる、ボス!お前!
戦ってお互いにわかり合った戦友の目が語る。「お前1人で、いかすかよ」って!
「よし!リリアンカレーをもう1皿頼むよ!」
「ゴロゴロ野菜の熟成カレーです。」
リリアンからの訂正、そんなことはどうでもいい。
「いただきまーす!!」
戦友と2人、死地へのダイブ。そこから記憶が途切れる。カレーって甘いとか辛いとかだと思ってたけど、リリアンカレーはとてつもなく苦かった。ノノちゃんの薬草よりも。
次の日起きたら、昨日までの痛みが嘘のように引いていた。あとで聞いた話しだと大量の薬草が入っていたらしい。そりゃ苦いよ。
優しいの結果だろうか、だとしたらカレーにする必要はない。
「本当にいっちゃうんだね」
ノノちゃんが寂しそうに言う。ゴムザルとの共存とかは村のみんなに託す。まぁ問題ないと思うけど
それと『疾風のブーツまーくすりー』はもらった。ありがたい、これがないと『セツナドライブ』できないし。
「ごめんね、やることがあるから。」
もっとゆっくりしたかったけど仕方ない、本当は昨日出るはずだったし。
「またご飯食べにくるよ。約束。」
「セツナお姉さん達青の領地に行くんだよね、いつかわたしも遊びにいくよ!」
うん、待ってる。
「あと、薬草は食べちゃダメだよ?塗らないと意味ないよ?」
あ、やっぱり?
「またねーー!」
ノノちゃんと村のみんなとゴムザル達に見送られ歩きだす。さて次はどんなことが起きるかな?
これからの冒険の事を考えながら足を進めていると
「それにしてもバカにつける薬がないから飲むなんて、驚きです。」
「うるさいよ!!」
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