上京して一人暮らしを始めたら、毎日違う美少女が泊まりに来るようになった
不機嫌な幼馴染
 オリエンテーションの帰り道。俺はまだ、夢うつつな気持ちだった。まさか、あの女優の井上綾香がうちの大学に、しかも同じ学部に進学してきて隣の席に巡り合うなんて、奇跡なのではないだろうか。
俺が入学した大学は、多くの芸能人が在籍していると聞いたことはあったけど、まさかあの井上綾香が同じになるとは夢にも思っていなかった。
衝撃のカミングアウトの後、俺達三人は、井上さんの仕事の時間まで、食堂でずっと話をしてある程度仲良くなった。今思うと、目をキラキラさせながら井上さんに対して失礼な質問を連発していた気がする。
なぜこの大学に入学したの? とか、なんでそんなにかわいいの? とか、俺ファンです!! とか、ズバリ!スリーサイズは? とか……
つか、失礼な質問してたの全部厚木だわ。俺、結局何一つ質問せず隣で聞いてただけだし。
それで最後に、トークアプリのアカウントをお互いに交換することになって……
「あんまり仕事とかで授業出れないから、ノートとか見せてほしいんだけど……」
「全然いいよ! むしろ俺が取ったノート試験に使っちゃっていいからさ」
我一番に厚木がそう言っていたのを思い出して、思わず苦笑いを浮かべてしまう。
俺は、電車内でボケっとしながら、トークアプリの新しい友達のところに表示されている『あやっち』という名前をずっと見ていた。
さすが芸能人、名前バレしないように、あだ名でアプリを使っている。俺なんて普通に名前で登録している。
今気づいたけど、一応相手は芸能人だから気を付けないだな。可能性は低いとは思うけど、万が一トーク内容とかを他に人に見られて、それをどこかの記者に売りつけて、不倫の決定的証拠になってしまった某ミュージシャン的な感じなことになってもおかしくはないわけだし。
そんなことを考えていると、タイミングよくトークアプリからメッセージが届いた。
宛先は春香からだった。内容を確認すると
『大地の家って最寄りどこ?』
と送られてきた。俺は最寄り駅の駅名を春香に教える。
すると、すぐに既読がつき、返信が返ってくる。
『今から、あんたの家行っていい?』
えっ、今から? いきなり急だなと思いつつ、春香に返信を打ち、トークを何度か繰り返す。
『別にいいけど、なんかあった?』
『何? 用がなきゃ行っちゃダメなわけ?』
『いや、そういうわけでは……』
『じゃあ、私の勝手でしょ』
「あぁ……」
俺は一人電車の中で苦笑を浮かべる。これは、何か問題が起こった時の春香だ。
実家に住んでたときも、母親とケンカしたり、友達と何かあったりすると、いつも俺の部屋に来ては愚痴を叩いていた。この時期を察するに、おそらく大学で何かあったのだろう。
俺は『わかった、何時ごろ着きそう?』と返信を返した。
また、すぐに既読が付き。
『15時ごろには着きそう』
と返ってきたので、
『わかった、じゃあ15時に駅前でな』
と返信を返して、スマホアプリを閉じた。
俺が入学した大学は、多くの芸能人が在籍していると聞いたことはあったけど、まさかあの井上綾香が同じになるとは夢にも思っていなかった。
衝撃のカミングアウトの後、俺達三人は、井上さんの仕事の時間まで、食堂でずっと話をしてある程度仲良くなった。今思うと、目をキラキラさせながら井上さんに対して失礼な質問を連発していた気がする。
なぜこの大学に入学したの? とか、なんでそんなにかわいいの? とか、俺ファンです!! とか、ズバリ!スリーサイズは? とか……
つか、失礼な質問してたの全部厚木だわ。俺、結局何一つ質問せず隣で聞いてただけだし。
それで最後に、トークアプリのアカウントをお互いに交換することになって……
「あんまり仕事とかで授業出れないから、ノートとか見せてほしいんだけど……」
「全然いいよ! むしろ俺が取ったノート試験に使っちゃっていいからさ」
我一番に厚木がそう言っていたのを思い出して、思わず苦笑いを浮かべてしまう。
俺は、電車内でボケっとしながら、トークアプリの新しい友達のところに表示されている『あやっち』という名前をずっと見ていた。
さすが芸能人、名前バレしないように、あだ名でアプリを使っている。俺なんて普通に名前で登録している。
今気づいたけど、一応相手は芸能人だから気を付けないだな。可能性は低いとは思うけど、万が一トーク内容とかを他に人に見られて、それをどこかの記者に売りつけて、不倫の決定的証拠になってしまった某ミュージシャン的な感じなことになってもおかしくはないわけだし。
そんなことを考えていると、タイミングよくトークアプリからメッセージが届いた。
宛先は春香からだった。内容を確認すると
『大地の家って最寄りどこ?』
と送られてきた。俺は最寄り駅の駅名を春香に教える。
すると、すぐに既読がつき、返信が返ってくる。
『今から、あんたの家行っていい?』
えっ、今から? いきなり急だなと思いつつ、春香に返信を打ち、トークを何度か繰り返す。
『別にいいけど、なんかあった?』
『何? 用がなきゃ行っちゃダメなわけ?』
『いや、そういうわけでは……』
『じゃあ、私の勝手でしょ』
「あぁ……」
俺は一人電車の中で苦笑を浮かべる。これは、何か問題が起こった時の春香だ。
実家に住んでたときも、母親とケンカしたり、友達と何かあったりすると、いつも俺の部屋に来ては愚痴を叩いていた。この時期を察するに、おそらく大学で何かあったのだろう。
俺は『わかった、何時ごろ着きそう?』と返信を返した。
また、すぐに既読が付き。
『15時ごろには着きそう』
と返ってきたので、
『わかった、じゃあ15時に駅前でな』
と返信を返して、スマホアプリを閉じた。
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