合同籠球マネージャー
第19話 合同チーム始動!
翌日、初の地区センターでの合同練習を迎えた。私たちは大樹を待っていた。
今日は午後からの練習で夏の蒸し暑さが体育館に充満している。大樹は、午前中に病院へ検診に行っているのだが診察がやや長引いているようだ。
ほかのメンバーを見渡すとやはり昨日のことが気にかかっているのか、少し重い雰囲気に包まれていた。
いつもならニコニコしているはずの由香ちゃんや明るそうなイメージの柚ちゃんもバッシュのひもを結びながら真剣なまなざしでコートを見つめているように見える。
「大樹、遅い」
重い空気の中、静が口を開く。
「どうしよっか、準備運動も終わっちゃったし、先に練習始める?」
由香ちゃんが提案してきた。
「いや、ここは大樹を待とう!」
私がみんなに声を掛ける。いや、大樹が来ないと練習も身が入らない。それはみんな同じだと思っている。だからそこ、私は自信を持った表情でみんなに語り掛ける。大丈夫。昨日の大樹ではもうないから…
すると、体育館の入り口に一人の男が姿を現した。
「わるい、遅れちまった」
大樹が姿を現した。
「大樹!」
私が声を掛けると手を挙げてこちらに近づいてくる。車いすではなく松葉杖で。
足元を見ると左ひざの訪台は相変わらずであったが、足にはしっかりとバスケットシューズを履いて、片足を地面にしっかりと踏み込みながらこちらへ向かってくる大樹の姿がそこにはあった。
◇
俺はバッシュに履き替えて、地区センターの体育館へ向かう。どうやら全員集まってるみたいだな。練習着を身にまとい、腰かけていたイスから立てかけていた松葉杖を手に持ち右足で立ちあがる、そして松葉杖を抱えて俺は歩き出す。
体育館の入り口に立つと八人がこちらを向いて俺を出迎えてくれた。
「わるい、遅れちまった」
コートの中へ入り松葉杖をつきながら彼女たちのもとへ近づいていく。
「大樹!」
梨世が嬉しそうな表情をしている。
「車いす生活は終わったのね」
倉田が俺に尋ねてくる。
「あぁ、手術後の膝の経過も順調だってことで、足の筋力が衰えないようにトレーニングの一環で今日から松葉杖になったんだ。」
俺は右足で片足立ちをしながら松葉杖を外して彼女たちのほうに向けて見せる。
みんな俺の怪我の経過が順調なことに安堵してくれたようでほっとした表情をしていた。
そして、俺は松葉杖を彼女たちに向けたまま宣言する。
「今日から川見高校と城鶴高校女子バスケットボール部合同チームのコーチ兼監督を担当することになった、瀬戸大樹だ!改めてよろしく頼む」
俺は自信に満ち溢れた表情をしながらさらに続ける。
「このチームが合同チームだからといって練習に手を抜くつもりはねぇから気合い入れろ!それから俺のチーム方針だが、俺はお前たちと共に戦いたいと思ってる、練習の苦しさや、勝った時のうれしさ、負けたときの悔しさ。いろんな一日の日々の感情を共有していく、無駄にするつもりはない。最後には県大会に出場して全員で喜びを味わえるような強いチームを作っていくつもりだ。異論があるやつはいるか??」
俺は今の気持ちをすべて彼女たちに宣言し、率直に伝えた。
彼女たちはみんなにこやかに笑みを浮かべながら。どんと来いというような表情を浮かべている。
「やっとあなたらしくなったんじゃない??」
倉田が俺にそう言ってきた。
「大樹…」
「瀬戸くん」
「先輩…」
「お、なんか青春してるって感じでいいね!」
城鶴高校の四人もそれぞれ声を上げる。
「大樹くん…」
渡辺はうれしそうな表情を浮かべている。
最後に梨世が俺の元へ近づいてくる。
「大樹…」
梨世はにこっと笑って笛を手渡してきた。
「今日からご指導よろしくお願いします!瀬戸コーチ!」
俺は梨世から笛を受け取り首に掛ける。
「よしっ!それじゃあ練習始めるぞ!」
「はい!」
全員がいい返事で俺に返してきた。こうして、俺たち合同チームはようやくスタートを切ったのであった。
          
今日は午後からの練習で夏の蒸し暑さが体育館に充満している。大樹は、午前中に病院へ検診に行っているのだが診察がやや長引いているようだ。
ほかのメンバーを見渡すとやはり昨日のことが気にかかっているのか、少し重い雰囲気に包まれていた。
いつもならニコニコしているはずの由香ちゃんや明るそうなイメージの柚ちゃんもバッシュのひもを結びながら真剣なまなざしでコートを見つめているように見える。
「大樹、遅い」
重い空気の中、静が口を開く。
「どうしよっか、準備運動も終わっちゃったし、先に練習始める?」
由香ちゃんが提案してきた。
「いや、ここは大樹を待とう!」
私がみんなに声を掛ける。いや、大樹が来ないと練習も身が入らない。それはみんな同じだと思っている。だからそこ、私は自信を持った表情でみんなに語り掛ける。大丈夫。昨日の大樹ではもうないから…
すると、体育館の入り口に一人の男が姿を現した。
「わるい、遅れちまった」
大樹が姿を現した。
「大樹!」
私が声を掛けると手を挙げてこちらに近づいてくる。車いすではなく松葉杖で。
足元を見ると左ひざの訪台は相変わらずであったが、足にはしっかりとバスケットシューズを履いて、片足を地面にしっかりと踏み込みながらこちらへ向かってくる大樹の姿がそこにはあった。
◇
俺はバッシュに履き替えて、地区センターの体育館へ向かう。どうやら全員集まってるみたいだな。練習着を身にまとい、腰かけていたイスから立てかけていた松葉杖を手に持ち右足で立ちあがる、そして松葉杖を抱えて俺は歩き出す。
体育館の入り口に立つと八人がこちらを向いて俺を出迎えてくれた。
「わるい、遅れちまった」
コートの中へ入り松葉杖をつきながら彼女たちのもとへ近づいていく。
「大樹!」
梨世が嬉しそうな表情をしている。
「車いす生活は終わったのね」
倉田が俺に尋ねてくる。
「あぁ、手術後の膝の経過も順調だってことで、足の筋力が衰えないようにトレーニングの一環で今日から松葉杖になったんだ。」
俺は右足で片足立ちをしながら松葉杖を外して彼女たちのほうに向けて見せる。
みんな俺の怪我の経過が順調なことに安堵してくれたようでほっとした表情をしていた。
そして、俺は松葉杖を彼女たちに向けたまま宣言する。
「今日から川見高校と城鶴高校女子バスケットボール部合同チームのコーチ兼監督を担当することになった、瀬戸大樹だ!改めてよろしく頼む」
俺は自信に満ち溢れた表情をしながらさらに続ける。
「このチームが合同チームだからといって練習に手を抜くつもりはねぇから気合い入れろ!それから俺のチーム方針だが、俺はお前たちと共に戦いたいと思ってる、練習の苦しさや、勝った時のうれしさ、負けたときの悔しさ。いろんな一日の日々の感情を共有していく、無駄にするつもりはない。最後には県大会に出場して全員で喜びを味わえるような強いチームを作っていくつもりだ。異論があるやつはいるか??」
俺は今の気持ちをすべて彼女たちに宣言し、率直に伝えた。
彼女たちはみんなにこやかに笑みを浮かべながら。どんと来いというような表情を浮かべている。
「やっとあなたらしくなったんじゃない??」
倉田が俺にそう言ってきた。
「大樹…」
「瀬戸くん」
「先輩…」
「お、なんか青春してるって感じでいいね!」
城鶴高校の四人もそれぞれ声を上げる。
「大樹くん…」
渡辺はうれしそうな表情を浮かべている。
最後に梨世が俺の元へ近づいてくる。
「大樹…」
梨世はにこっと笑って笛を手渡してきた。
「今日からご指導よろしくお願いします!瀬戸コーチ!」
俺は梨世から笛を受け取り首に掛ける。
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