校則違反

夢奏 咲

蘇芳色に染まる春

おはようございます。
3年2組の皆さん。

君達は無事新学期を迎える事が出来ましたね。
無事に卒業できる事を祈ってます。

それでは今日はこれで終わりです。気をつけて帰るように!

僕は晴海和人(はるみ かずひと)
担任の先生は茶髪ロングの美人な科学担当の美幸(みゆき)先生だ。
僕のクラスは全部で32人と他のクラスより2人程多い。

新学年になってから、2ヶ月経ったある木曜日の帰りの会で美幸先生から言われた言葉が信じられないほど耳に残っていた。
それは「僕の隣の席の大塚麗華(おおつかれいか)さんが交通事故で死んだ。」というものだった。
ただの事故で死んだのなら遺体があるはずなのだが、美幸先生曰く、麗華の遺体が無く警察の操作も難航している。これ以上詳しい事は先生も知らない。と言っていたのだ。



それから2週間ほど経った木曜日の朝の会で美幸先生が急に泣きだすと「城島裕翔(きじまゆうと)君が親からの虐待と学校でのイジメに耐え兼ね自殺しました。ですが城島くんの遺体も何者かに持ち去られたのか見つかっていないとの事です…なんで…なんで…私のクラスの生徒だけ…。」と言うと生徒は走って教室から出て行った。


みんなは然程気にして居ないようにも見えるが、僕の心はただならぬ不安と違和感を感じていた。
僕はミステリー小説が好きで読むからか、少しばかりワクワクしていたのだ。

前に交通事故でなくなった、麗華も今回自殺した城島も共に木曜日で2人とも遺体が行方不明なのだ。


それからまた普段道理の日常が過ぎて行った。
麗華が死んでから4週間。城島が死んでから2週間。僕の読みが正しければ明日、誰か死ぬ。
と予想をたてて、誰が死ぬのかを考えていると、廊下から「小松原 晃(こまつばら あきら)ネクタイ緩い!ズボン腰パンし過ぎ!」と少し怒った様な口振りで力強く注意する美幸先生の声が聞こえた。


待ちに待った木曜日の朝!
僕の予想ではクラスでトップを争うイケメン「奥貫和澄(おくぬき かずと)が死ぬ。」と予想をたてたが理由までは分からずに適当な予想だった。
キーンコーンカーンコーーン。キーンコーンカーンコーーン。とチャイムが鳴り終わると美幸先生が入って来た。
「皆さんおはようございます。
今日は午後から台風の予想なので授業は午前のみになります。また、昨日小松原晃くんが他校の不良生徒と喧嘩をして死んでしまいました…。警察が鏡安高校の生徒に取り調べをしているのですが、小松原くんの遺体がどこにあるかはまだ不明だそうです…。」

静まり返る教室で僕は1人、「クソッ!外れた…」と晃が死んでしまった事とは別に悔しい表情を浮かべた。

1、2時間目は自習の時間で2時間目は半分位で切り上げられみんな下校して行った。



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帰りの会を終え職員室に入ると、準備室と書かれ、ドアには【関係者以外の立ち入り禁止】
と赤い字で書かれた部屋に入っていった。
少し進むと階段があり、コトンコトンと音を立てゆっくりと下っていった。
一番下まで下り終わると、ICと書かれた電子パネルがあり、微かに光っていた。
そこに、「篠岬美幸(しのさきみゆき)」と書かれたICパスポートをかざした。
「ピッ!ニンショウシマシタ…」と言うアナウンスが流れるとほぼ同時にドアが開いた。
さっき降りてきた階段を照らす程明るい光の中に美幸先生は呑まれて行った。


「いっらっしゃい美幸さん。」
と亜蔵(あぐら)校長から挨拶がありその後すぐに、亜蔵は「宮篠(みやしの)教頭。小松原晃の遺体の処理はどうなった?」
「完了しました。私はこれで失礼します。今日もお疲れ様でした。美幸ちゃん亜蔵さん。」
2人は軽く頷くと会話を続けた。
「次は暫く期間を開けましょうか?」
「そうだな、生徒に怪しまれているかもしれないしな…。」
「はい。このプロジェクトを私達の代で終わらせる訳にはいけませんからね。」
そんな会話をすると、美幸先生は階段を上がり職員室へ戻って行った。


「亜蔵さん…3年2組の皆さんに投与した薬は異常なく効いていますか?」
「きちんと効いているみたいですのでご心配には及びません。」



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小松原が撲殺されて以降、2週間、4週間と気づけばもう二ヶ月経っていた。
もう直ぐ夏休みだし、遊ぶ予定も立てなきゃななんて呑気な事を考えながら授業を受けていたが、結局誰かと遊ぶ予定は1つも決まらぬまま夏休みを迎えてしまった。

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