ガチ百合ハーレム戦記
木こり、天女とはげむ
その男は人間が嫌いだった。
人並み外れた巨体と血のような赤眼を持つ彼は、その容姿ゆえにずっと肩身の狭い思いをして生きてきた。
人に親切にしてもらったことが無かったわけではない。
幼いころは他の子供達に混ざって野山を駆け回って遊んだりもした。
だが心無い人たちの中には、彼のことを魔物の子と呼ぶ者もあったのだ。
石切り場の人足として働いていた男は仕事仲間からのけ者にされていた。
荒くれ者ばかりの喧嘩の絶えない仕事場だったが、彼はけして自分からは手をあげなかった。
だがある日とうとう限界がきて、数人の男を相手に大喧嘩をしてしまった。
それを機に、男は人々の暮す街を離れた。
そして大陸の辺境にある人気の無い森の中で、ひっそりと暮すようになった。
幸い男は、父親ゆずりの屈強な肉体と母親ゆずりの魔法の力を持っていた。
斧を振るって森を拓き、木材を売って生計をたて、魔物よけの魔法を駆使しながら、男は十頭ほどのヤギを飼って暮した。
楽しいことなど何もなかった。
朝から晩までやるべきことは沢山あった。
ただこの森で、生きて生きて生き抜いて、そして誰にも知られずにひっそりとその生を閉じる。
いつしかそれが、男の望む全てになっていた。
そんなある日のことだった。
「……ふう」
太い樹を一本切り倒した男は、その切り株に座って一息ついていた。
水筒を取り出して水を飲み、赤茶けた手拭で日焼けした首元を拭う。
ごわごわした緑色のズボン。
くたびれて黄ばんだ肌着。
その全てに、びっしりと木屑がついている。
あと何本切り倒せば、楽になるのだろう――。
頭の中で独り言を呟きつつ、男は天を仰ぎ見た。
空に浮かぶ真っ白な円盤から、無尽蔵の光が溢れ出している。
弱い魔物であれば、あの光を浴びただけで消滅してしまう。
賢い魔物は何かの陰に隠れて夜が来るのをじっと待っている。
だから昼間は魔物に出くわすことは少ない。
外で仕事をするのであれば、明るい間が勝負なのだ。
「……ふうぅ」
なんとも生気のないため息を吐きながら、男は作業を再開しようと立ち上がった。
立ち上がろうとした。
「ふ、ふふふ……」
だが、足にまったく力が入らなかった。
ここしばらく、まともな食事をとっていない。
加えてこの暑さ。
全身がやけに熱っぽく、意識もどこかボンヤリとしている。
だめだな、こりゃあ……しばらくは動けん。
そう男が諦めかけた、その時だった。
「あ~~~れ~~~」
空から妙に間延びした声が響いてきた。
「むむっ、なんだ?」
男は驚いて空を見上げる。
するとなんと、真っ白な羽衣を纏った女が、ふわりふわりと舞い降りてくるではないか。
「あー……」
突然の出来事に、男はただ間抜けな声をもらした。
空から人が振ってくる――そんな馬鹿な、と。
女はそのままふわふわと降りてきて、こともあろうか、疲れ果てた男の膝の上にまたがってきた。
「はうっ!」
その柔らかな感触に、男は思わずあえぎ声をもらしてしまう。
男は生まれてこの方、女人に触れたことすらなかったのだ。
「な、何者だ! おまえは!」
突然のことに驚いて、男は女を押しのけようとするが。
「ああ、無下にはなさらないでっ」
その前に抱きつかれてしまった。
男はますますその鼻息を荒くする。
「な、なんなのだ! 空から降ってくるとは何事だ!」
「申し訳ありません。私は天人なものですから」
「天人だと!? と、とにかく! 早くわたしから離れなさい! はしたない!」
生真面目な男だった。
だがその天人の女は、気にせず続ける。
「お気になさらないで。私は貴方に用があって天界から降りてきたのですから」
と言って女は、男の膝の上で腰をくねらせた。
そしてさらに強く男を抱きしめてきた。
「む、むおおお!」
「いえ正確には、貴方の腰の上に用があったのです。うふふふ……」
と言って、今度は両手で男の腰をまさぐる。
男は黒い顔を赤くして叫んだ。
「わわわわわ、わたしは疲れているのだ! どんな用だか知らないが帰ってくれ! 冷やかしなら帰ってくれ!」
「あら、でも『こっち』は全然元気のようですわっ」
と言って女は、その腰をさらに男の股間にすりよせた。
「のわーーー!」
「どうかお願いです。何も聞かずに私と子作りしてください!」
「はいよろこんで!!」
木こり男の理性は、こうして木っ端微塵に吹き飛んだのだった。
「そして私の子供を産んでください!」
「よろこん……えッ!? わたしが!? どういうこと? あっ!……」
なにやら訳のわからない言動に困惑しているうちに、男は天人の女にくみしだかれてしまうのだった。
人並み外れた巨体と血のような赤眼を持つ彼は、その容姿ゆえにずっと肩身の狭い思いをして生きてきた。
人に親切にしてもらったことが無かったわけではない。
幼いころは他の子供達に混ざって野山を駆け回って遊んだりもした。
だが心無い人たちの中には、彼のことを魔物の子と呼ぶ者もあったのだ。
石切り場の人足として働いていた男は仕事仲間からのけ者にされていた。
荒くれ者ばかりの喧嘩の絶えない仕事場だったが、彼はけして自分からは手をあげなかった。
だがある日とうとう限界がきて、数人の男を相手に大喧嘩をしてしまった。
それを機に、男は人々の暮す街を離れた。
そして大陸の辺境にある人気の無い森の中で、ひっそりと暮すようになった。
幸い男は、父親ゆずりの屈強な肉体と母親ゆずりの魔法の力を持っていた。
斧を振るって森を拓き、木材を売って生計をたて、魔物よけの魔法を駆使しながら、男は十頭ほどのヤギを飼って暮した。
楽しいことなど何もなかった。
朝から晩までやるべきことは沢山あった。
ただこの森で、生きて生きて生き抜いて、そして誰にも知られずにひっそりとその生を閉じる。
いつしかそれが、男の望む全てになっていた。
そんなある日のことだった。
「……ふう」
太い樹を一本切り倒した男は、その切り株に座って一息ついていた。
水筒を取り出して水を飲み、赤茶けた手拭で日焼けした首元を拭う。
ごわごわした緑色のズボン。
くたびれて黄ばんだ肌着。
その全てに、びっしりと木屑がついている。
あと何本切り倒せば、楽になるのだろう――。
頭の中で独り言を呟きつつ、男は天を仰ぎ見た。
空に浮かぶ真っ白な円盤から、無尽蔵の光が溢れ出している。
弱い魔物であれば、あの光を浴びただけで消滅してしまう。
賢い魔物は何かの陰に隠れて夜が来るのをじっと待っている。
だから昼間は魔物に出くわすことは少ない。
外で仕事をするのであれば、明るい間が勝負なのだ。
「……ふうぅ」
なんとも生気のないため息を吐きながら、男は作業を再開しようと立ち上がった。
立ち上がろうとした。
「ふ、ふふふ……」
だが、足にまったく力が入らなかった。
ここしばらく、まともな食事をとっていない。
加えてこの暑さ。
全身がやけに熱っぽく、意識もどこかボンヤリとしている。
だめだな、こりゃあ……しばらくは動けん。
そう男が諦めかけた、その時だった。
「あ~~~れ~~~」
空から妙に間延びした声が響いてきた。
「むむっ、なんだ?」
男は驚いて空を見上げる。
するとなんと、真っ白な羽衣を纏った女が、ふわりふわりと舞い降りてくるではないか。
「あー……」
突然の出来事に、男はただ間抜けな声をもらした。
空から人が振ってくる――そんな馬鹿な、と。
女はそのままふわふわと降りてきて、こともあろうか、疲れ果てた男の膝の上にまたがってきた。
「はうっ!」
その柔らかな感触に、男は思わずあえぎ声をもらしてしまう。
男は生まれてこの方、女人に触れたことすらなかったのだ。
「な、何者だ! おまえは!」
突然のことに驚いて、男は女を押しのけようとするが。
「ああ、無下にはなさらないでっ」
その前に抱きつかれてしまった。
男はますますその鼻息を荒くする。
「な、なんなのだ! 空から降ってくるとは何事だ!」
「申し訳ありません。私は天人なものですから」
「天人だと!? と、とにかく! 早くわたしから離れなさい! はしたない!」
生真面目な男だった。
だがその天人の女は、気にせず続ける。
「お気になさらないで。私は貴方に用があって天界から降りてきたのですから」
と言って女は、男の膝の上で腰をくねらせた。
そしてさらに強く男を抱きしめてきた。
「む、むおおお!」
「いえ正確には、貴方の腰の上に用があったのです。うふふふ……」
と言って、今度は両手で男の腰をまさぐる。
男は黒い顔を赤くして叫んだ。
「わわわわわ、わたしは疲れているのだ! どんな用だか知らないが帰ってくれ! 冷やかしなら帰ってくれ!」
「あら、でも『こっち』は全然元気のようですわっ」
と言って女は、その腰をさらに男の股間にすりよせた。
「のわーーー!」
「どうかお願いです。何も聞かずに私と子作りしてください!」
「はいよろこんで!!」
木こり男の理性は、こうして木っ端微塵に吹き飛んだのだった。
「そして私の子供を産んでください!」
「よろこん……えッ!? わたしが!? どういうこと? あっ!……」
なにやら訳のわからない言動に困惑しているうちに、男は天人の女にくみしだかれてしまうのだった。
コメント
にせまんじゅう
え?文章の書き方上手っ(そっちかよ)