5000兆円と金髪ロリサンタで令和日本をぶっ壊す 〜魔法のがま口財布は最強チートアイテムだった!〜

ナガハシ

なくならないお金

 さあ、いい加減まじめに考えるぞ。
 残り3600兆円。
 この物語も、そろそろ終わらせなければならない。


 アフリカ諸国のような、生産力の弱い地域に大金をつぎ込んでも、ハイパーインフレが起こって滅茶苦茶になるだけだ。
 だからこの金は、十分な生産力を持つ先進国に配らなければならない。
 そして、世界全体の恩恵となるよう指示しなければならないのだ。


 そんな方法は果たしてあるのか。
 どうやら、先程のロリとの会話に、そのヒントがあったようだ。


 世界の平和を願っている人は俺だけじゃない。
 俺なんかよりも全然賢くて、実際に動き出している人だって沢山いる。
 そういう人達の後押しをすれば良いのだ。


「まず、国連に600兆円」


 平和維持活動をしている人達に報いる。
 今年のクリスマスは、これで美味しいチキンを食べてください。


 しかし、この俺の決断が、後に世界統合政府創設の動きに繋がるとは思いもしなかったが……。


「次に、IMFに500兆円」


 世界の経済が不安定だと、その被害を被るのは大抵が弱い立場の人達だ。
 少しでもその被害を減らせればと思う。


 しかし、この俺の決断が、後に世界的な徴税機関の創設に繋がるとは思いもしなかったが……。


「そして、ユニセフに500兆円」


 これで、飢えて死ぬ人が一人でも減ってくれれば……。
 世界に5000万人はいるという奴隷状態の人達も、どうか救いの手が差し伸べられますように。


 しかし、この俺の決断が、後に新国家の勃興に繋がるとは思いもしなかったが……。


「どうしよう、まだ2000兆円もある……」


 俺はネットで世界中の活動家を調べて、その一人一人に50億円づつ配っていった。
 1000人に配ってようやく5兆円。
 俺は5000兆円という数字の途方もなさを、改めて思い知った。


 その年は、ひたすら50億円を渡すべき人物の選定に努めた。
 一日に100人を目標に、夜を徹しての作業となった。
 そうしてクリスマスイブのその日までに、2万人に50億円を配り終えた。


 しかしまだ、1900兆円も残っていた……。







コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品