5000兆円と金髪ロリサンタで令和日本をぶっ壊す 〜魔法のがま口財布は最強チートアイテムだった!〜

ナガハシ

七不思議爆誕

 ここいらで、経済状況を整理しておこう。


 株価も地価もあんまり変わっていないが、かなり円安になった。
 海外に口座作るのに、外貨をかなり買ったからだろう。
 一時期1ドル150円くらいになったのだが、その後だいぶ戻って今は1ドル120円くらい。
 日銀の人が頑張って介入したんだろうが……。 


 かつて世界の名だたるヘッジファンドを壊滅させた日銀砲も、サンタ砲の前には無力だったのじゃ……。


 石油が安くなった分、物価が下がるかと思いきや、120兆円配って日銀とバトルを繰り広げたせいで、やや上がり気味となっている。
 途上国が膨大な再生エネルギーを手に入れたので、経済成長に拍車がかかって、世界全体の景気を押し上げている。


 しかし、好景気は環境にとっては悪だ。
 途上国が、先進国並みにCO2を出すようになったら、いよいよ終わりだろう。


「CO2を吸収する機械とか無いもんかね」
「あるじゃろ?」


 嘘だろと思いつつ、がま口の中を覗き込んでみたら、エアコンの室外機を巨大化させたような装置がグオングオンと稼働していた。


「これ、いくらすんの?」


 再エネに2000兆円分の物資を使っちゃってるから、残り3000兆円分しかないよ。
 ちなみに、お金の方は3800兆円くらい残っている。


「ソーラー発電とセットで、1ユニット10億じゃ。1ユニットで年間10万トンのCO2を吸収できるぞい」


 つまり……。
 30万ユニット、300兆円分で今排出されている分が吸収できるのか。


「サハラ砂漠にでも設置するか」
「そうじゃの、ソーラーパネルの下で作物栽培もできるぞい」


 地下水の蒸発も防げるだろうしな。
 あわよくば緑化だ……。


 自然吸収量も含めて年間330億トンまで排出OKだ。
 これだと、人類1人あたり年間4トンまでCO2を吐き出せるぞ。


 車はエコカー。
 電車やバスを出来るだけ使う。
 熱効率の良い家に住む。
 大量消費社会からスローライフ志向に転換。


 お、行ける気がしてきたぞ。


「じゃあ、やるか!」
「ほいなのじゃ!」


 そして翌日、CO2吸収装置とそれに付属するソーラバネル群が、30km四方にわたって設置された。
 宇宙ステーションからも肉眼で確認されるほど巨大な設備であった。
 その光景は各国のテレビ局によって中継され、世界中の目を釘付けにした。


「みんな喜んでくれているの!」
「ああ……」


 例の環境活動家の人も、かの国の大統領の人も、目がブラックホールみたいになっちゃってるけど……。


 嬉しすぎて言葉にできないのだろう。
 たぶん……。







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