50年前に滅びた世界で

たかき

第7話 少女が仲間になった!

今回は少し短いです。申し訳ない……



何やかんやあって話すことがなくなり、辺りを静寂が支配した。微妙に気まずい雰囲気である。こういう時は何を話せばいいのだろうか。コミュ力がそんなにない俺が考えたところでいい案は思い浮かばない。もっとこの世界について聞くべきだろうか。
しばらくの沈黙ののち、ふと、アンジェラが口を開いた。

「ユウトは……これからどうするの?」
「どうする……って?」
「これから先のこと。どうしていくのかなって」
「うーん、いや特に案はないなぁ……」

言われて気づいたが、今のところどうするべきかというあては全くない。このままだと多分そこらで野垂れ死ぬこと間違いなしだ。

「特に何も考えてないけど……そっちは?」
「私も当てはないけど……ただひたすらに生きていくだけ」
「……そうなんだ」

10歳ぐらいの少女の発言としては思えないものだった。今まで、ただ生き残ることだけを考えて生きてきたみたいに感じだった。

「昔からずっとそうだった。お母さんは私が小さいときに亡くなったみたいで、顔も覚えていないの。それからお父さんと2人きりで、ずっと生きてきた」

今まで決して楽しいことばっかりではなかったのだろう。彼女の身に様々なことが起きていたということは、その語り方や表情でひしひしと伝わってくる。

「でも、ずっと一緒だったお父さんが死んで、それから……」

彼女はそこまで言うと、そう言葉を濁した。つらい体験をしたということは、自分にもしっかりと伝わった。

「……話したくないんだったら話さなくて大丈夫だよ」

彼女にかけるべき言葉はあまり思いつかないが、無理をさせるわけにはいかない。別に話さなくて問題ないということを伝えると。

「うん……ごめんね、ありがとう」
「いやいや、全然謝る必要なんかないからね」

そうしてまた再び沈黙が訪れた。
何を話題にすればいいのか。彼女を責めるわけはないが、今の話のせいでもっと気まずい感じになってしまった。天使がどんどん通り過ぎていく。

「ねえ、よかったらなんだけど……一緒にいてほしいん、だけど」

どれほどの天使が通り過ぎたのかはわからないが、再び彼女がその流れを遮った。

「ん……どういうこと?」
「えっと……これから2人でいたいなーって。2人で一緒。ダメ……?」

彼女は俺にそう提案してきた。表情は少し恥ずかしそうにしている。

「あー、全然おkです。だけど……なんで?」

俺はすぐに承諾の返事を出した。むしろこちらからお願いしたいくらいだった。こんな世界で1人でいるなんて普通に耐えられん。
ただ、自分と一緒にいたいという理由があまりわからなかった。告白されたこともないし、いつも教室の隅にいるタイプだからそんなに好かれるところはないと思うのだが……
確かに彼女を助けはしたが、それだけでこれから一緒にいたいなんて思うのだろうか。彼女の足手まといになるかもしれないし、メリットが存在するのか。

「えっと、私のことを助けてくれたし、一緒にいたほうがいろいろと助かると思うし、それに……」

そこで言葉は途切れた。うつむいたままだった。しばらくして、彼女自身がその濁りを取り除いた。

「今までずっと1人でさみしかった……から」
「……そっか、そうだよね」

思えば、彼女は2か月前に父が死んでからずっと独りぼっちだったのだ。誰とも会うこともなく、1人で、ひたすら生きてきた。今まで、自分には想像もつかないほどの寂しさを抱えてきたのだろう。

「……ごめん、ちょっと自分の都合ばっかりで」
「ああいや、そんなことはないよ全然」

彼女の少し儚げな表情を浮かべ、俺はその表情を浮かべていた彼女に気にしていないことを伝える。

「えっと、それで……いっしょにいてくれるってこと?」
「もちろん。むしろ大歓迎だよ!」
「……ホントに?」
「ああ、ホントのホントさ」

俺の出した返事に、彼女は少しうれしそうな顔をした。

「えへへ……じゃあ……これからよろしくね、ユウト」
「いや、こちらこそ、よろしくどうぞ」

アンジェラが右手をこちらの方へ差し出したので、俺も右手を差し出す。2人で握手を交わした。なんかどっかから軽快なBGMが流れてきそうな感じだ。
これから2人で滅びた世界を旅するストーリーが始まる……のか?



物語に不自然なところがないか、少し心配です……
感想、評価等していただけると嬉しいです。

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