宇宙人に転生した私、万能パワーで無敵に宇宙を大冒険!

ゆにこーん / UnicornNovel

74話 消滅

「フフフッ……さぁ、死ぬ覚悟は出来ているかしら?」

 こいつがスプリィムか……。
 予想はしてたけど、予想以上のダークマターの強さだ。
 分身の私じゃ、勝ち目なんてない。

「ソーラ、あそこを見てください!」

「うん? あそこにあるのは……」

 なんだろう? 大きな水槽だ。
 ピカピカと光る、不思議な水で満たされてる。
 それと、中に入ってるのは……!

「私だ!!」

 ようやく見つけた、私の本体!
 やっと出会えたね、長かったよ……。
 でもなんだか様子がおかしい、ピクピクって痙攣してる?

「スプリィム! 私の体に何をしているの!?」

「私の体? あぁ、なるほどねぇ……フフフッ」

 くっ、ニヤニヤ笑って、凄く嫌な感じ!

「質問してるの、答えて!」

「特異点の精神体っていうのは、あなたのことなのね。以前ゲスーチから報告されていたわね」

「うるさい! 何をしてるのかって聞いてるの!!」

「ちょっとした計画よ……内容は教えてあげないけど、フフフッ」

 計画!? 人の体で何を計画しているの? 許せない!
 今すぐやっつけてやりたい……けど、分身の私じゃ無理だ。
 悔しいけど、ここは徹底しかない。

「チコタンとミィシャンは逃げて! ここは私でなんとかする!!」

 ダークマター!
 スプリィムにビーム攻撃!!

「あら? こんな弱っちいビームで、私を倒せると思っているの?」

 思ってるわけないでしょ。
 二人を逃がすための時間稼ぎだよ。

「ソーラ、一人で無理しないでください!」

「ボクも一緒に戦うミャ!」

「あら? そこのネズミ二匹は邪魔ね……消してあげるわ」

 マズいっ、スプリィムのダークマターだ!
 私のビームより何十倍も強い力だよ。
 チコタンとミィシャンに迫ってる、バリアーも間にあわない。
 二人ともっ──。

「……がぁっ……!?」

 かっ……体が……。

「ソーラ! 大変ミャ!!」

「そんなっ、私達の盾になって……」

「急に飛び込んできて、危ないじゃない。もしかして、ネズミ二匹をかばったのかしら? 健気ねぇ」

 よかった……間にあった……。

「ん? 妙な感じね……あなた、ダークマターを使った分身?」

 動けない……。
 ダメだ……意識が……。

「ニセものに用はないわね、消えなさい」

「うぅっ……うああぁぁっ!?」

 ああぁっ……頭が割れるっ。
 体を引き裂かれるっ。
 なんて強力な……ダークマター……。

「「ソーラ!!」」

 大丈夫……私は分身だから……消されても平気……。
 それより二人を……逃がさないと……。

 でも……。
 もう……意識が……。

 ……チコタン……。

 ……ミィ……シャン……。

 ……逃……げて……。

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