宇宙人に転生した私、万能パワーで無敵に宇宙を大冒険!

ゆにこーん / UnicornNovel

48話 さようならラハル!

「うーん、いい天気!」

 空は快晴、出発にふさわしい天気だね!!

「皆さん集まってくれていますね」

「凄い人の数だナ」

 ヴェーゼタワーの周りには多くの宇宙人が集まってる。
 私達を見送るために、ラハル中の住民が集まってくれたみたい。

 タワーの正面には私達の宇宙船がフワフワ浮かんでる
 ラハルに到着してすぐに奪われた宇宙船、綺麗に保管されててよかった。
 今は出発前の最後の点検中だね。

「お待たせしました特異点様! 宇宙船の準備が整いました!!」

「うん、どうもね」

「滅相もございません! 特異点様のお役に立てて、心より嬉しく思います!!」

「マジーメはホントに変わったニャ」

「変わりすぎですよ……ダークマターがちょっと怖いです……」

 言われてみれば確かに。
 こんなに人格を変えちゃうなんて、ダークマターって恐ろしいかも。
 ダークマター洗脳はしばらく封印しようかな。

「こらぁっ! どういうことじゃあ!!」

 うわっ、この声は……。

「待たぬか! 許さんぞ!!」

 やっぱり、住民代表のおじいちゃんだよ。
 凄く怒ってるみたいだけど、どうかしたのかな?

「勝手にどこにいくつもりなのじゃ! ソーラちゃん! チコタンちゃん! ミィシャンちゃん! お主等はワシの孫なのじゃぞ!!」

「「「えぇ~……」」」

 おじいちゃん、とんでもないことを言い出したよ。
 本気で私達のことを孫にしようとしてたんだ……酔っぱらって言ってるだけだと思ってた。

「嫌じゃ~、ワシの元から離れるでないぃ~」

 うわぁ……今度は号泣だ。
 おじいちゃん、酔っぱらってる時も面倒くさかったけど、普段も面倒くさいね。

「代表、そこまでにしましょう」

「なんじゃ? 離せ! 離すのじゃ!!」

「代表を押さえろ、連れていくぞ」

「よし、適当に閉じ込めておけ!」

「ナ? 住民の皆に連れていかれてるミャ」

「助かりました、宇宙船まで乗り込んできそうな勢いでしたものね」

 本気で宇宙船まで乗り込んできそうだったね、住民の皆グッジョブだよ。
 それにしても適当に閉じ込めておくって、代表なのに雑な扱いなんだね。
 ちょっと可哀そうかも……。

「ソーラさん、いよいよ出発ですね!」

「マヤマヤにプヤプヤちゃん、お見送りに来てくれたんだ!」

「もちろんですよ、お世話になりましたからね」

 相変わらず二人ともカワイイな、最高の姉妹だ。

「ソーラお姉ちゃん……チコお姉ちゃん……ミィお姉ちゃん……」

 プヤプヤちゃん、目がウルウルしてて今にも泣いちゃいそう。
 お別れが寂しいんだね、凄く分かるよ。私もプヤプヤちゃんとお別れは嫌だもの。
 あぁ、出発したくなくなってきたかも。

「ぐすっ、お姉ちゃん達が行っちゃうのは寂しいけど……プヤプヤ我慢する! お姉ちゃん達、元気でね!!」

「偉いですよプヤプヤ。皆さんお元気で!」

「マヤマヤもプヤプヤも元気でニャ!」

「お二人もお元気で! いつかラハルに遊びにきますから!!」

「マヤヤマ~……プヤプヤちゃん~……」

 ダメだ! 二人とのお別れが寂しすぎる! 出発したくない!!
 こうなったらダークマター分身だ、私の分身をこの星に滞在させよう。
 よし、ダークマター! 私の元へ──。

「ソーラ、行きますよ」

「チコタンはそっち側を持っテ。二人で引っ張ろウ」

 あれれ? チコタン、ミィシャン、どうして私を引きずってるの?
 気がつけば宇宙船から光が降りてくる、体が吸い込まれていく。

「ラハルを助けてくれてありがとう~」

「気をつけて行くんだぞ!」

「おねぇちゃ! あぃがとー!!」

「皆が手を振ってくれています、嬉しいですね」

「楽しい星だったミャ」

 待って、まだダークマター分身が終わってのに!
 ああぁ~……吸い込まれる~……。

「到着ニャ! ボク達の宇宙船! 懐かしい感じがするニャ!!」

「無事に取り戻せてよかったです、ヴェーゼに奪われた時はもう戻ってこないかと思いました」

「出発の準備も整ってるナ」

 チコタンもミィシャンも嬉しそう。
 頑張って手に入れた宇宙船だもんね。
 取り戻せたことは嬉しいよ、だけど……。

「うぅ~……マヤマヤ~……プヤプヤちゃん~……寂しいよぉ~」

 結局分身は出来なかった……きちんと皆にお別れも言えてないよ。

「ソーラ、気持ちを切り替えないと。私達がいるから平気でしょう?」

「そうそう、きっと次の星にもカワイイ女の子はいるヨ」

 ……確かに。
 チコタンの言う通り、こんなにカワイイ二人がいるんだから平気かも。
 それにミィシャンの言う通り、次の星にもカワイイ宇宙人ちゃんがいるかもしれない。

 よし! ちょっと元気が出てきた。
 ところで二人とも私の扱いが上手になってきてるような?

「さあ、出発しましょう!」

「だニャ!」

「そ、そうだね、出発しようか!」

 もう出発だし、考えるのはあとにしよう。そうしよう。
 とにかく気持ちを切り替えていかなくちゃ。

 さようならラハルの皆、元気でね!
 そして待ってて私の体、今度こそ取り戻すからね!!

「さあ、出発だ!」

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