宇宙人に転生した私、万能パワーで無敵に宇宙を大冒険!

ゆにこーん / UnicornNovel

44話 お祭り

「乾杯じゃ~! 宇宙一のお嬢ちゃん達に乾杯じゃ~!!」

「「「「「かんぱ~い!!」」」」」

 わぁ! 凄い盛り上がりだ。
 食べ物や飲み物を持って、皆で大騒ぎしてる。

 ゴミクズを倒して子供達を助けたのが今日のお昼頃。
 それからまだちょっとしか経ってないのに、街はすっかりお祭りモードだね。

 そういえば子供達は無事に親元に帰れたみたい。
 住民の皆が全力で協力してくれたから、あっという間だった。
 そこまではよかったんだけど、ね。

 なんと私達へのお礼にパレードをさせてくれって頼まれて。
 流石にそれは恥ずかしかったから断ったけど、そしたら今度はお祭りをするって言いだして。
 気づいたら人が集まって出店が並んでて、あれよあれよとお祭りの中心に連れてこられちゃった。

「お嬢ちゃん達、この料理を食べておくれ!」

「こっちのも美味いぞ! ラハルの名産なんだ」

「あ、ありがとうございますぅ」

「うナァ……埋もれてしまうニャ……」

 チコタンとミィシャンは沢山の人に囲まれてる、二人ともすっかり人気者だ。
 マヤマヤも皆から凄く感謝されてた、これまでの頑張りが報われたって感じだね。

 皆が笑顔で幸せな光景だな。
 ただ一つ、ちょっと困ったことがね……。

「ソーラちゃん! ワシはのう、ソーラちゃんのような孫が欲しかったのじゃよ!!」

 おじいちゃんがずっと私に絡んでくるの。しかも酔っ払い全開で。
 このおじいちゃん、ラハルの街の代表らしいんだけど、代表がこんなに酔っぱらってていいの?
 最初は私達を追い返そうとしてたのに、もはや完全に別人だよ。

「出会った時はきつい態度を取ってしまってすまなかったのう。じゃがあれはソーラちゃん達のことを心配したからこその態度なのじゃ。若い娘だけでいるとヴェーゼに捕らえられてしまうのではと思ってのう……」

 私達を心配して追い返そうとしたんだね、その気持ちは嬉しいよ。
 ところでその話、もう三十回目だよ?

「ソーラちゃん! ワシの孫にならんか?」

「はい?」

「いいや! ソーラちゃんはすでにワシの孫じゃ! こんなに愛らしい孫がいてワシは幸せ者じゃぁ~」

 いやいや、何を勝手に孫認定してくれてるの?
 酔っ払いって面倒くさい……。

「おじいちゃん少し飲みすぎですよ、向こうで私と休みましょうね」

「おぉ~チコタンちゃん! お主は将来べっぴんさんになるぞ、ワシが保証する! 間違いない!!」

「ありがとうございます。さ、一緒にきてくれますか?」

「もちろんじゃ! チコタンちゃんと一緒ならどこにでも行くぞ!!」

 救世主登場! 
 チコタン、おじいちゃんの扱いが凄く上手だよ。ベロンベロンのおじいちゃんをうまく誘導してる。

 おや? チコタンが私に向かってパチリとウィンクを……今のウィンクは……。
 「おじいちゃんは私に任せて!」っていう心の声が聞こえてきたよ!
 ありがとうチコタン、マジ天使すぎる!!

 さて、おじいちゃんからは解放されたし、私はどこにいこうかな?

「うニャハハハッ! こっちだニャ~」

 この声はミィシャンだね、随分楽しそうな声だけど。

「ミィお姉ちゃん待ってよ~」

「俺がミィ姉ちゃんを捕まえるぜ!」

「私も捕まえる!!」

「ミィ姉ちゃんのしっぽ大好きー」

 ミィシャンは子供達と遊んでるんだね、昼間に助けた子供達だ。
 ところで子供達、昼間助けたばかりなのに元気過ぎない?

「ミィお姉ちゃん捕まえた!」

「ニャハハッ! 捕まっちゃったニャ~」

 ミィシャンは明るくて元気だから、子供達と相性がいいんだね。
 はしゃぎすぎて怪我とかしないようにね。

「もっと遊ぶニャ~! なウァッ!?」

 ほら転んだ、元気がいいのも程々にしないと。
 でも楽しそうだからいいか、何より凄くカワイイし。

「ソーラさん、ここにいたのですね」

「ソーラお姉ちゃん!」

 マヤマヤ、そしてプヤプヤちゃん!
 相変わらず二人並ぶと愛らしいことこの上ないよ。

「探していたのですよ、改めてお礼を言いたくて」

「ソーラお姉ちゃんありがとう、大好き!」

 うわああぁぁっ!!
 大好き!? プヤプヤちゃんに大好きって言われた!!
 私も大好きだよ! 結婚しよう、そうしよう!!

「──ーラさん……」

 どうしよう、次々とお嫁さんが増えていくよ。
 チコタンでしょ、ミィシャンでしょ、マヤマヤにプヤプヤちゃん。
 体が一つじゃ足りない!
 そうだ、ダークマターで四人に分身しよう、そして四人全員と結婚しよう。
 そうなったら……はあぁ……幸せだぁ……。

「ソーラさん!」

「うぇっ!? 何?」

「何? じゃありませんよ、お礼を言っているんです!」

「あぁ、お礼なんて別にいいよ。気にしないで」

「ソーラお姉ちゃんよだれが垂れてるよ、お腹すいたの?」

「あぁ、気にしないで……」

 危ないところだった。
 カワイイが凄すぎて完全に意識が飛んでたよ。

「よければ一緒にお祭りを回りませんか? 出店もありますし、お料理も沢山用意しています。住民からの感謝の気持ちですので、是非受け取ってください」

「もちろんだよ、一緒に回ろう!」

 皆が笑顔で楽しんでる。
 大人も子供もホントに幸せそうだ。
 頑張ってよかった、心の底からそう思えるよ。

 さ、お祭りを楽しもう!

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