宇宙人に転生した私、万能パワーで無敵に宇宙を大冒険!

ゆにこーん / UnicornNovel

21話 ラハルの住民

 見上げるほど高い銀色のビル。
 チカチカ光る眩しいネオン。
 そして、青色の肌の通行人。

 うーん、これぞ宇宙都市って感じだね。

「首都に到着ニャ! 大きい街だニャ! 流石は第三ウェーブトップクラスの文明惑星だナ!!」

「はひぃ……そうですね……」

 元気なミィシャンに比べてチコタンはずいぶん疲れてる。
 地上に降りてからここまで結構歩いたもんね、半日くらいかな?
 すっかり日も暮れかけてるよ、とりあえず休める所を探さなくちゃ。

「えっと……」

 歩いてる宇宙人は何人かいるけど、話しかけていいのかな?
 肌は青いけどそれ以外は地球人っぽい見た目だし、大して私達と変わらなさそう。
 うん、きっと大丈夫だよね。

「ちょっと聞きたいんですけど」

「……」

 あれ? 無視された?
 なんの反応も無しに歩いていっちゃった、聞こえてなかっただけかな?
 まあいいや、別の宇宙人に聞こう。

「あの、スミマセン」

「……」

 ……また無理された。
 正面から話しかけたんだから、今のは絶対聞こえてたでしょ。
 完全に避けられちゃったし、どう考えても無視されてるよね。
 この星の宇宙人、感じ悪くない?

「ソーラ、なんだか街の雰囲気がおかしいです……」

「視線を感じるナ」

 視線? ……ホントだ、見られてる感じがする。
 っていうか色んな方向から睨まれてる気がする。
 嫌な予感がしてきたよ。

「二人とも、私から離れないでね」

 ダークマター、一応バリアーを張っておいて。
 チコタンとミィシャンも守ってね。

「お、バリアーだニャ」

「うん、これで何かあっても安心だよ」

「ソーラ、周りを!」

 え……? うわっ!?
 ビックリした、気づいたら大量の宇宙人に囲まれてるよ。
 さっきまで通行人が何人かいただけだったのに、皆どこかに隠れてたのかな?

「急に人が沢山……少し怖いです……」

「皆怖い顔してるニャ」 

「あ、誰かきますよ」

「うナ? おじいちゃんみたいだニャ」

 ホントだ、青色のおじいちゃんがこっちに来るけど……。
 うわぁ、凄い睨まれてる。

「お主等、この星の住人ではないな?」

「こんにちは、私達は──」

「ここへ何をしにきた? どうやってこの星に入ってきた? 答えろ」

 え……凄い威圧的なんだけど。
 なんでいきなりそんなケンカ腰なの?

「ラハルはお主等のような子供だけでくる星ではないぞ」

「あの、だから私達は──」

「小娘ばかりでどういうつもりか知らんがな、余所者は出ていけ!」

「あのねおじいちゃん──」

「黙れ! 早々に立ち去れ!」

 カッチーン。
 さっきから何? 全然話聞いてくれないじゃん。
 意味分かんない、おじいちゃんボケちゃってるんじゃないの?

 もういいや、ボケ老人はほっとこう。
 私達には私達の目的があるしね。

「いやああぁぁっ!!」

 えっ!?
 今の声は何? 悲鳴? 

「なんですか今のは!?」

「凄い叫び声だったニャ!」

 胸がザワザワする、凄く嫌な予感だ。
 とにかくじっとはしてられないよ。

「チコタン、ミィシャン、いってみよう!」

コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品