宇宙人に転生した私、万能パワーで無敵に宇宙を大冒険!

ゆにこーん / UnicornNovel

14話 サイケデリックなジャングル

 ピンクやオレンジの大きな葉っぱ。
 青や紫の太すぎる木。
 水色の怪しい木の実

 只今私、人生初ジャングルのド真ん中。
 こんなにサイケデリックなジャングルデビューをするとは思ってなかったよ。

「ソーラ、辺りに猛獣はいなイ?」

「うん、今のところは大丈夫そう……いや待って!」

 集中……集中……見えた!

「ミィシャン、右からくる!」

「任せテ」

「ガオオォォッ!」

 出た、猛獣だ!
 私の三倍以上も大きな水色の大きなトラ。
 鋭い牙がズラリと並んでて、あんなので噛まれたらあっという間に死んじゃう。
 ま、心配はしてないけどね。

「食らエ!!」

「ガオ!? ガアアァァ……」

 だってミィシャンの銃、威力がハンパじゃないんだもん。
 ビームが出たと思ったら、一発であの大きなトラが光になって消えていく。
 急に襲われてたら危なかったかもしれないけど、今はその心配もないしね。

 周囲。
 危険。
 探索。

 こんな風に考えて集中すれば、ダークマターがレーダーみたいに周囲を探索してくれる。
 どこに危険があって、どこから猛獣がくるのか、手に取るように全部分かる。

 ゲームに出てくる探知魔法みたいなものだね。
 こんな使い方も出来るなんて、ダークマターってホントに便利。
 だからチコタン、そんなに怯えなくても大丈夫だよ。

「ひゃわわっ、怖かったですぅ」

「ボクとソーラがいるから大丈夫、しっかりついてきてニャ」

「はひいぃ……あぶっ!?」

 あ、こけた。
 ジャングルに入ってから、こけるか悲鳴を上げるかを繰り返してる。
 なんてカワイイんだろう……。

 おや? ダークマターに反応が。
 あ、これちょっとヤバいかも。

「ミィシャン! 前に二匹、右に一匹、後ろにもいるみたい! 上にも三匹いる!!」

「マズい、囲まれてル!」

 さっきのトラに、大きなトカゲとゴリラもいる。
 しかも一斉に襲ってきてる!
 ミィシャン一人じゃこんなに相手は出来ないよ。

「きタ! 大型ニャ!」

「ひゃあぁぁっ」

 ダークマター!
 お願い助けて! とりあえずなんとかして!!

「ひいぃ……え、あれ?」

「なんニャ? 動きが止まってル?」

 ホントだ……。
 猛獣達の動きが全部止まっちゃった。
 まるで空中で一時停止したみたい。

「ガオオォッ!?」

「これもダークマターの力なのでしょうか? 凄いです!」

「ソーラはそのまま集中しててニャ。あとはボクがやル!」

「うん、お願いね!」

 まさか空中で猛獣の動きを止めちゃうだなんて思わなかった。
 それに「なんとかして」っていう適当なお願いだったのに、いい感じでやってくれたし。
 ダークマター便利過ぎる。

「終わったヨ~」

 はやっ。
 沢山いた猛獣があっという間に消えちゃった。

「ソーラ凄い! あんなことが出来るなんて無敵だニャ!」

「見事でしたソーラ、ミィシャンもカッコよかったです!」

 もうっ、二人ともそんなに私を見つめて、もしかして惚れちゃった?
いやぁ困っちゃうなあ、変な気分になっちゃうよ……。

 ヤバい、ダークマターへの集中力が乱れてる。
 集中しなきゃ……集中……集中……。

「ん? この先に何か大きなものがある?」

「きっと宇宙船だ、この先が目的地なんだヨ」

 なるほど、この反応が宇宙船なんだね。
 でもダークマターから感じる宇宙船の形、凄く覚えがあるんだけど。
 これ、宇宙船っていうか“アレ”でしょ?

「見えタ! あそこニャ!」

 おぉ~、やっと着いた。
 そしてやっぱり予想通りの形だった。

 綺麗な半球。
 そして円盤。
 宇宙を飛ぶ銀色の乗り物。

 未確認飛行物体、発見だね!

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