イレギュラー・レゾナンス 〜原初の世界を再び救う為の共振〜
第65話 希望の声。暴走の感覚。絶望の予感。
「んと……」
さっきまで混乱してた頭が次第に冴えてきて、状況を把握する。
「……って! 制限時間の終わりに鬼だった方の負けなら、別に今捕まってもよかったじゃん! うーわ騙された!」
ただをこね、ふと上を見上げた直後の瞬間、レイは全体の空気を感じ取り、察した。俺の様子が戻ったと。
「シーンっ、今度こそ捕まえるよ?」
その背後から感じる妙な気配に身体が無意識にも震え、振り返ってレイがいると思われる方向に注意を向けた。
スパッ! 風を切る音が俺の耳に届く──その瞬間に嫌な予感がして、振り返ろうとするのを途中まで行い止め、今の正面、最初からして斜め右に全力で跳んだ。
足が地から離れた刹那、大気を切る音が耳に鋭く刺さった。
「ちょ、オイ! 鬼ごっこでそんなんすんな! 死ぬだろ!」
跳んだ後にすっと華麗に着地することは叶わず、何度か回転しながらも起き上がり、その犯人に声を荒げる。
「だいじょぶだいじょぶ。シンなら避けられるでしょ。今も避けられたし」
こっちは命の危機に面した直後だと言うのに、素知らぬ顔でにこりとし、変なとこで信じてきた。
「いやだからって鬼ごっこで死ぬようなことして来んなっつうこと! 観点が違うんだよ観点が!」
それに今の回避も結構ギリギリだった。敵意も、殺意も、殺気も、危機も、何も感じられなかった。本能でほぼ適当な感じで動いただけで、避けられたのは本当に偶然。
付け加えるとすれば、頭部の後ろから嫌音が聞こえたから、レイは確実に俺の頭を狙っていた。
「んーでも手負いにさせるしかシン捕まえる方法ないし……普通にやってもどうせ無駄でしょ?」
まぁ、何かない限り俺がレイに捕らえられるのは可能性としてほぼゼロに近いと自負はしてる。
でもだからって頭狙うのは流石におかしいと思うが。
「だからこうするしかないかなーって」
ダメだったかな……? そのようにうるうると呟き掛けてくる。
「だめだよそんなんに飲まれると思うな」
それで切り抜けられるわけがないだろう。それでも可愛いのが更に癇に障る。
「…………ちっ」
「なんで気に食わなそうにしてるんだよ! あとそっぽ向いて舌打ちしてもバレバレだからな!」
「ば! バレバレ……!?」
何故かその単語に異常な程の動揺っぷりを見せる様子に、疑問を抱かざるを得なかった。
「え? あぁ……うん?」
「てことは、コレも?」
白輝した歯を隙間から覗かせるレイに対し、コレって? そう発言する機会も与えられないまま、その現象は始まった。
突如として体の芯が鋭利な刃物で貫かれたような激痛が全身に響き、声が漏れる間もなく意識が遠のく——いや、飛んだ。すぐにそれは取り戻したが、それでも問題は大アリだった。一目見て、感覚が戻って、脳が再始動して。悟ってしまった。
——ダメだ。この状況を打破できるビジョンが……一欠片足りとも浮かばない。浮かぶのはただ1つ。俺が、やられるものだけ。
目の前では今にも当たりそうな距離で色のない稲妻が凶暴に音を立てながら煌めき、それを目にするだけでフラッシュバックのように痛みが再生する。頭がぐらぐらと振り回され、意識を保っているだけでも精いっぱい。
そして背後からも感じるこの音。絶対に目の前だけじゃなく、俺の全身を覆うように轟いている。
「もうこれを持続させるための魔法陣も設置はしてるから、シンがそこを抜け出せない限り、私の勝ちは確定的だよ?」
悪魔のような報告をしながら、邪笑を浮かべるレイ。
やっべ……マジでどうしよ。
詰み。俺にとってはこの時が、これまでの中でそれが最も似合う状況だった。……あーいや、それはディザイアの時が一番か? よし、前思撤回する。
そしてふと思いついた解決策は、自分でも奇策だと思った。さっきのよく分からないまま起きた、あの暴走のような感覚。あれをもう一度やることが出来れば、きっと……いや、必ずイケる。根拠はないが確信した。
「あと正確に言うならこれ待っててもどんどん縮まってくし、いざとなったら私も追撃掛けるからシンの勝ち目は少ないよ?」
勝っただろう、と言うように少しばかりむかつくドヤ顔を決めながら俺の事を挑発してくる。確かに勝ち目が少ないのは本当だけど、イケるよ。
──鼻を明かしてやる。
暴走するような感覚は、マギアス戦のことがあってから魔法の感覚が分かり、威力が上がったように、魔法だけじゃなく、その時の感覚も、ぼんやりとだが覚えている。
全身の血が沸き立つように不規則に力が込み上がり、全神経が敵だけに集約され、不必要な情報はカットされる。でも、意識はどこか遠く。そこにあるのに、ないような不思議な感覚。
細胞の隅々まで影の力が行き渡るように魔力を巡回させ、気まぐれのように時には強く、時には弱く巡らせる。
魔力関係なく脳を活性化させ、視界が冴え渡る。曇りが晴れ芥蔕《かいたい》もなくなり、気分も昂揚する。だが同時に落ち着き、ベストコンディションに自然となる。
細胞の一つ一つまで意識を持つイメージで、全てが暴走し、協力する。全身が目であり、耳であり、鼻であり、手であり、足であり、脳であると錯覚する。
ターゲット……目標にするのは、ここからの脱出。そして、レイを傷付けずに時間をやり過ごす。
俺が感動的な集中力で実行している間にも、稲妻は今も休むことなく、互いの距離を縮め合っている。
もちろんそれは頭に入っている。でもそれはそれほど重要なことじゃない。だから、隅の隅にほんのちょこんと居座っている。
ドクン。
魔力が全身を巡り廻り、その刺激に耐えられず、刀を持っていない左腕が打たれたように弾ける。
それを機に、心臓が一度、激しく鼓動を叩いた気がした。
「ぁ……」
それを越え、あの境地に立つにはこの試練の扉を開き潜《くぐ》る必要がある。
──扉が、見えた。
大きな扉。一体、俺がどれだけいたらこの扉を開くことが出来るのだろう。そう思わずにはいられない程巨大なものだった。
目を瞑ることで、視覚という情報をカットし、キャパシティを少しでも多くする。次に聴覚を限りなく小さくし、嗅覚も、味覚も……。最後に触覚すらも少し。
そうして無理やり空けた容量を使い、空気中のそこらに漂っている魔力と同化するように魔力を上から下に。下から上に。右から左に。左から右に。外から中に。中から外に。身体中のそれを感じ取る。
それを一気に中に封じ込める。
仕上げに、──全てを解放!!
「ふっ……!」
無意識に、そんな声が漏れる。
ギギィ…………ィ……。
少しだけ、扉が動く。それでも、すぐに止まってしまった。
あと少し。……でも、これ以上、どうすれば……。
もう集中力も切れそうで、何をするのかも分からなくなってしまいそうになり、諦めてしまいそうだ。
そんな時、声が聞こえた。
【そんなことで終わらないだろ?】
聞き覚えのある声。姿は見えない。でもその声を聞くと、自然と落ち着き、希望を持てた。
……ふと、イケる気がした。さっきのその予感が、嘘かと思うくらいに。
すると、扉はまた動き始め、次第に移動を加速させていった。
そして完璧に開き切るその前。
……そうか。簡単な事だよ。俺がこの扉を開くのに、足りなかったもの。
ただの、想いの力だったんだよ。
今度は、胴が波打つように弾けた。ちょうど凸《とつ》の形になった時、黒を司った何かが、瘴気のように溢れる。それは力が完成するかのように、翼を模《かたど》っていき背中に宿った。
「……ぇ? し、ん……」
レイの目には、恐怖はなかった。あったのは、疑問。そして、瞳に写るくっきりとした俺の紅い眼と、銀味がかった白色に豹変したサラッとした髪。
闇のようなオーラと、神々しい髪。そして猛々しい眼が重なった姿は、レイに恐怖を与える前に疑問だけを与えた。
「ふぅ」
ため息を吐く。
その風はたった幾秒かで螺旋を起こし、俺から出る『黒』を纏い、俺を包むように荒いだ。あっという間にレイの仕込みは餌食になり、ある程度したところで、暴風はヒュンっと音を立てて爆散した。
「え……うそ……」
信じられない現実を目の当たりにして、信じなければいけない状況に追い込まれる。動揺を見せたくないためか、咄嗟に口辺りに手を覆うレイ。
「この感覚……覚えた」
この先のことも考え、必死に今の状態を覚えるその途中に、予想外の事態が発生した。
……レイに! 引き寄せ……られる……。
俺自身の力ではどうすることも出来ず、流れに沿って最早同化したと言える程がっちりと掴んだ刀を離さずそれをレイに向けたまま飛んでいく。
「ぐっ……!!」
この勢いではレイを殺してしまいかねない。無理やりにでもと抵抗しても、勢いはびくともせず、そればかりか、強まっていく。
だめだ。逃げてくれ。レイ!
縋るような目線を送っても、レイは微動だにしない。そりゃそうだ。今の俺の速度は、恐らくだがディザイアにも悠々と勝るだろう。
無慈悲にも切っ先とレイの視線は重なり、どんどん引かれ合う。距離を詰めていき、レイの触角が刀の気配を感じ取る。
さっきまで混乱してた頭が次第に冴えてきて、状況を把握する。
「……って! 制限時間の終わりに鬼だった方の負けなら、別に今捕まってもよかったじゃん! うーわ騙された!」
ただをこね、ふと上を見上げた直後の瞬間、レイは全体の空気を感じ取り、察した。俺の様子が戻ったと。
「シーンっ、今度こそ捕まえるよ?」
その背後から感じる妙な気配に身体が無意識にも震え、振り返ってレイがいると思われる方向に注意を向けた。
スパッ! 風を切る音が俺の耳に届く──その瞬間に嫌な予感がして、振り返ろうとするのを途中まで行い止め、今の正面、最初からして斜め右に全力で跳んだ。
足が地から離れた刹那、大気を切る音が耳に鋭く刺さった。
「ちょ、オイ! 鬼ごっこでそんなんすんな! 死ぬだろ!」
跳んだ後にすっと華麗に着地することは叶わず、何度か回転しながらも起き上がり、その犯人に声を荒げる。
「だいじょぶだいじょぶ。シンなら避けられるでしょ。今も避けられたし」
こっちは命の危機に面した直後だと言うのに、素知らぬ顔でにこりとし、変なとこで信じてきた。
「いやだからって鬼ごっこで死ぬようなことして来んなっつうこと! 観点が違うんだよ観点が!」
それに今の回避も結構ギリギリだった。敵意も、殺意も、殺気も、危機も、何も感じられなかった。本能でほぼ適当な感じで動いただけで、避けられたのは本当に偶然。
付け加えるとすれば、頭部の後ろから嫌音が聞こえたから、レイは確実に俺の頭を狙っていた。
「んーでも手負いにさせるしかシン捕まえる方法ないし……普通にやってもどうせ無駄でしょ?」
まぁ、何かない限り俺がレイに捕らえられるのは可能性としてほぼゼロに近いと自負はしてる。
でもだからって頭狙うのは流石におかしいと思うが。
「だからこうするしかないかなーって」
ダメだったかな……? そのようにうるうると呟き掛けてくる。
「だめだよそんなんに飲まれると思うな」
それで切り抜けられるわけがないだろう。それでも可愛いのが更に癇に障る。
「…………ちっ」
「なんで気に食わなそうにしてるんだよ! あとそっぽ向いて舌打ちしてもバレバレだからな!」
「ば! バレバレ……!?」
何故かその単語に異常な程の動揺っぷりを見せる様子に、疑問を抱かざるを得なかった。
「え? あぁ……うん?」
「てことは、コレも?」
白輝した歯を隙間から覗かせるレイに対し、コレって? そう発言する機会も与えられないまま、その現象は始まった。
突如として体の芯が鋭利な刃物で貫かれたような激痛が全身に響き、声が漏れる間もなく意識が遠のく——いや、飛んだ。すぐにそれは取り戻したが、それでも問題は大アリだった。一目見て、感覚が戻って、脳が再始動して。悟ってしまった。
——ダメだ。この状況を打破できるビジョンが……一欠片足りとも浮かばない。浮かぶのはただ1つ。俺が、やられるものだけ。
目の前では今にも当たりそうな距離で色のない稲妻が凶暴に音を立てながら煌めき、それを目にするだけでフラッシュバックのように痛みが再生する。頭がぐらぐらと振り回され、意識を保っているだけでも精いっぱい。
そして背後からも感じるこの音。絶対に目の前だけじゃなく、俺の全身を覆うように轟いている。
「もうこれを持続させるための魔法陣も設置はしてるから、シンがそこを抜け出せない限り、私の勝ちは確定的だよ?」
悪魔のような報告をしながら、邪笑を浮かべるレイ。
やっべ……マジでどうしよ。
詰み。俺にとってはこの時が、これまでの中でそれが最も似合う状況だった。……あーいや、それはディザイアの時が一番か? よし、前思撤回する。
そしてふと思いついた解決策は、自分でも奇策だと思った。さっきのよく分からないまま起きた、あの暴走のような感覚。あれをもう一度やることが出来れば、きっと……いや、必ずイケる。根拠はないが確信した。
「あと正確に言うならこれ待っててもどんどん縮まってくし、いざとなったら私も追撃掛けるからシンの勝ち目は少ないよ?」
勝っただろう、と言うように少しばかりむかつくドヤ顔を決めながら俺の事を挑発してくる。確かに勝ち目が少ないのは本当だけど、イケるよ。
──鼻を明かしてやる。
暴走するような感覚は、マギアス戦のことがあってから魔法の感覚が分かり、威力が上がったように、魔法だけじゃなく、その時の感覚も、ぼんやりとだが覚えている。
全身の血が沸き立つように不規則に力が込み上がり、全神経が敵だけに集約され、不必要な情報はカットされる。でも、意識はどこか遠く。そこにあるのに、ないような不思議な感覚。
細胞の隅々まで影の力が行き渡るように魔力を巡回させ、気まぐれのように時には強く、時には弱く巡らせる。
魔力関係なく脳を活性化させ、視界が冴え渡る。曇りが晴れ芥蔕《かいたい》もなくなり、気分も昂揚する。だが同時に落ち着き、ベストコンディションに自然となる。
細胞の一つ一つまで意識を持つイメージで、全てが暴走し、協力する。全身が目であり、耳であり、鼻であり、手であり、足であり、脳であると錯覚する。
ターゲット……目標にするのは、ここからの脱出。そして、レイを傷付けずに時間をやり過ごす。
俺が感動的な集中力で実行している間にも、稲妻は今も休むことなく、互いの距離を縮め合っている。
もちろんそれは頭に入っている。でもそれはそれほど重要なことじゃない。だから、隅の隅にほんのちょこんと居座っている。
ドクン。
魔力が全身を巡り廻り、その刺激に耐えられず、刀を持っていない左腕が打たれたように弾ける。
それを機に、心臓が一度、激しく鼓動を叩いた気がした。
「ぁ……」
それを越え、あの境地に立つにはこの試練の扉を開き潜《くぐ》る必要がある。
──扉が、見えた。
大きな扉。一体、俺がどれだけいたらこの扉を開くことが出来るのだろう。そう思わずにはいられない程巨大なものだった。
目を瞑ることで、視覚という情報をカットし、キャパシティを少しでも多くする。次に聴覚を限りなく小さくし、嗅覚も、味覚も……。最後に触覚すらも少し。
そうして無理やり空けた容量を使い、空気中のそこらに漂っている魔力と同化するように魔力を上から下に。下から上に。右から左に。左から右に。外から中に。中から外に。身体中のそれを感じ取る。
それを一気に中に封じ込める。
仕上げに、──全てを解放!!
「ふっ……!」
無意識に、そんな声が漏れる。
ギギィ…………ィ……。
少しだけ、扉が動く。それでも、すぐに止まってしまった。
あと少し。……でも、これ以上、どうすれば……。
もう集中力も切れそうで、何をするのかも分からなくなってしまいそうになり、諦めてしまいそうだ。
そんな時、声が聞こえた。
【そんなことで終わらないだろ?】
聞き覚えのある声。姿は見えない。でもその声を聞くと、自然と落ち着き、希望を持てた。
……ふと、イケる気がした。さっきのその予感が、嘘かと思うくらいに。
すると、扉はまた動き始め、次第に移動を加速させていった。
そして完璧に開き切るその前。
……そうか。簡単な事だよ。俺がこの扉を開くのに、足りなかったもの。
ただの、想いの力だったんだよ。
今度は、胴が波打つように弾けた。ちょうど凸《とつ》の形になった時、黒を司った何かが、瘴気のように溢れる。それは力が完成するかのように、翼を模《かたど》っていき背中に宿った。
「……ぇ? し、ん……」
レイの目には、恐怖はなかった。あったのは、疑問。そして、瞳に写るくっきりとした俺の紅い眼と、銀味がかった白色に豹変したサラッとした髪。
闇のようなオーラと、神々しい髪。そして猛々しい眼が重なった姿は、レイに恐怖を与える前に疑問だけを与えた。
「ふぅ」
ため息を吐く。
その風はたった幾秒かで螺旋を起こし、俺から出る『黒』を纏い、俺を包むように荒いだ。あっという間にレイの仕込みは餌食になり、ある程度したところで、暴風はヒュンっと音を立てて爆散した。
「え……うそ……」
信じられない現実を目の当たりにして、信じなければいけない状況に追い込まれる。動揺を見せたくないためか、咄嗟に口辺りに手を覆うレイ。
「この感覚……覚えた」
この先のことも考え、必死に今の状態を覚えるその途中に、予想外の事態が発生した。
……レイに! 引き寄せ……られる……。
俺自身の力ではどうすることも出来ず、流れに沿って最早同化したと言える程がっちりと掴んだ刀を離さずそれをレイに向けたまま飛んでいく。
「ぐっ……!!」
この勢いではレイを殺してしまいかねない。無理やりにでもと抵抗しても、勢いはびくともせず、そればかりか、強まっていく。
だめだ。逃げてくれ。レイ!
縋るような目線を送っても、レイは微動だにしない。そりゃそうだ。今の俺の速度は、恐らくだがディザイアにも悠々と勝るだろう。
無慈悲にも切っ先とレイの視線は重なり、どんどん引かれ合う。距離を詰めていき、レイの触角が刀の気配を感じ取る。
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