イレギュラー・レゾナンス 〜原初の世界を再び救う為の共振〜

新海 律希

第2話 違和感

 気が付くと、俺は何も無い空間にいた。
 いや、俺だけじゃねーな。
 零《れい》もだ。

 「なぁ、ここどこ?」
 と言いながらも、俺は確信を抱いていた。
 これ異世界転生か転移の前に神様に会うやつじゃん!
 ラノベだとこういう時は大体ロリ神なんだよな……。

 「さぁ……」
 と言いながらも、目がキラキラしている事が丸分かりな零。

 「やぁ」
 神々しい声がこの空間に響く。
 あれ、ロリじゃない?

 そんなことを思っていると金髪金眼のロリが顕れた。

 やっぱロリか……。

 「ロリロリうるさいわ! ボクはな! さいこ…」
 「あぁ最高神様だろ?」
 俺が最後まで言わせない。

 「……」

 つかやっぱ分かってたとはいえロリが神って違和感あるな……。

 「んで、一応聞いとくがここどこだ?」
 ま、どうせ神界だろうな。

 「あ、あぁ、聞いて驚くがいい! ここはな! な、なんと!」

 「……」
 無駄にロリ神が溜める。
 はよせい。

 「神の世界、shi✩n✩ka✩i✩」

 あぁだろうな。
 つか決めポーズしながら言ってくるとこムカつくな。

 「のゴミ箱だよん✩」


 「……は?」
 「……え?」
 流石に驚いたのか、ずっとキラキラしていた零も声が漏れる。

 「なんで?」
 零が聞く。

 「しょうがないよ。だって君たちには神界の普通の場所に行く権限がないんだから」

 「……まじか」
 ……まじか。

 だからっていくらなんでもゴミ箱は酷くないか?
 まぁ、それは考えないとして、それならそれで気になることがある。

「なんでゴミ箱がこんなに綺麗なんだ?」
「そりゃ神たちは自分でゴミを消失させるからね。
 わざわざゴミ箱に捨てる必要がないんだよ」
「じゃあゴミ箱要らねぇじゃねぇかよ!」
「うん、要らないよ」
「「……」」

【そこまでにした方が宜しいかと。最高神様】

 呆れたような声が響く。

「げっ」
 途端にロリ神が怪訝な表情になる。

【失礼しました。
 私、最高神様の秘書をさせて頂いている、クァメルと申します。
 それより最高神様、いつまでもふざけてないで早く神界の応接室に連れてきて下さい。
 うちの最高神様が申し訳ありませんでした。シン様、レイ様】

「あ、いえ」
「はぁ……」

 ん?
 今なんつってた?
 神界の応接室に連れてきて下さい? 俺たちは行けないんじゃなかったのか?

 ロリ神を見る。

「……バレちゃった☆」
 まるでてへぺろとでも言うかのようなポーズを取りながらそんなことを言ってくる。

「……」


 ……




「てめぇふざけんなぁ〜!!!!!!」
 そんな声がその空間に響いた。

 …………てか、ゴミ箱デカっ!

 ―――――――――

 応接室にて。

 「まぁ本題に入ろうか」
 全く反省していなさそうなロリ神が言う。

 「あぁ」
 正直〆たかったがそっちのほうが気になるので話を進める。

 「ちっ……そこつっかかってこようよ〜面白くないな〜」
 「いいから話を進めろ!!」
 「まぁまぁ真、落ち着いて落ち着いて」

 「とりあえず進めてください」
 クァメルさんありがとう!

 「むぅ……分かったよ……」

 「じゃあ本題だけど、君たちには異世界転移というものをしてもらうよ」
 転移か。
 「ちなみに理由は?」
 俺が聞く。

 「いや、ボクが寝ぼけてて殺しちゃってね。そのお詫びだよ」

 「てめぇ何してんだ!」

 「ごめんごめん。僕も寝起きでさ。でも異世界を経験出来るからいいでしょ? ちゃんと能力もあげるから」

 「まぁ……」
 正直言おう。
 めちゃくちゃ異世界楽しみ!

 ちなみにさっきから零はずっとキラキラしてる。

 「じゃあここからその世界について説明するよ」


 こいつの話をまとめるとこうだ。
 ・その世界の大半の人はロリ神を中心に信じる神教みたいになっている

 ・「クレルム」という世界共通言語が使われているらしい(一部を除いて)

 ・魔法、魔物、魔王、とラノベみたいなファンタジー要素満天らしい

 ・ステータスという概念はないが、スキルカードというスキルが分かるものはあるらしい、そこには魔力を数値化したものもあるらしい

 ・スキルは本当に色々あるらしい

 ・スキルは大半の人が一つは持っているらしい

 ・スキルは生まれたあとも獲得が可能らしい

 ・戦闘をする人の戦闘力はかなりのものらしい

 ・その世界には今はもういないが、【マゴス】という英雄がいたらしい

 ・一応貴族制度はあるが貴族の場合は「フォン」が名前と名字の間につくらしい(王族も)

 ・平民でも名字はあるらしい

 「大体は理解したかな?」

 「まぁ、一応はな」

 「じゃあ次に与えるスキルの話をしようか」

 「「よし!!」」
 俺と零の声がガッツポーズをしながらハモる。

 「とりあえず言語理解は与えるよ」

 「まぁな」
 なかったら大変だ。

 「他は何にする? 一つだけならなんでもいいよ」

 んんむ……。

 これはかなり迷うよな…
 隣を見れば零も同じくかなり迷っているようで。

 「「よし! 決めた!」」
 声がハモる。

 「どうするんだい?」

 「俺は」
 「私は」

コメント

  • 新海 律希

    この作品は作品情報の所に書いてある通り、受験の現実逃避から生まれた作品で、初心者作品です。
    特に簡単には真実に辿り着けないような伏線、設定の一貫性、分かりやすさは気を付けてますので、読んで考えて楽しんでくれたら嬉しいです。

    気軽にコメントして下さい!
    駄目出し、好評、感想、提案、希望、なんでも歓迎です!
    初めてなので気に入らないところもあるかもしれませんが、よろしくお願いします!

    0
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品