オール1から始まる勇者
第七十話
「過去の災厄の記録などは残っているのか?」
「……もちろんある。だが、災厄は毎回姿形、規模……すべてが違う。あてになるかは分からないぞ?」
「それで大丈夫だ。場所は?」
「書庫にあると思うな」
「書庫か……じゃあ、あとはメイドにでも案内してもらえれば良いか?」
振り返るとこくりと彼女は頷いた。
「……黒羽殿はああいっていたが、我々の現状では一人でも戦力が欲しいところなんだ。……まったく迷宮にも潜れていないしな」
「迷宮にもか?」
「……残留組のちょっかいがあってな。騎士にまで攻撃を仕掛けてくる始末だ。恐らく奴らにも、誰か貴族が糸をひいているはずだ」
「厄介だな」
無駄に入れ知恵をされると、今のあいつらは自分の欲望に忠実だ。
善悪の判断もついていない可能性がある。何をしでかすかわからない状態だ。
メイドに案内してもらい書庫に到着する。
……懐かしいな。あのときは、自分が生き残るための知識ばかりに目を向けていたが改めてくると見たい面白い本がいくつもある。
あの時は本当に余裕がなかったんだな。気持ち、視界も広がったような気がする。
「それじゃあ、もういいよ。ありがとな」
メイドにそう伝えると、彼女はぐっと体を近づけてきた。
……どうしたんだ?
「手伝わせてください。私たちも、この国を守りたい気持ちはあります。頼れるのは、あなたがただけなんです」
……メイドはそれこそ鬼気迫る様子でそう言い放った。
俺のステータスについて彼女も知っているだろうし、こっちにきてから力を見せたわけでもない。
それなのに、俺にここまで言ってくるとは本当に頼れるような奴がいないんだな。
「悪いな……あいつらがあんなことになって」
「それは……私たちにも責任があります。メイドの中にも、彼らを誘惑し、少しでも自分の立場を良くしようとしているものがいます」
「それはおまえもか?」
俺が苦笑しながらいうと、彼女は笑いながら首を振る。
「単純に、街に守るべき家族がいるんです」
「自分の子どもか?」
「……いえ、妹と弟です。両親が……その十年前の災厄で命を落としてしまっていて……少しでも、力添えがしたいんです。何かありましたら、いつでも申してください」
……そう、だよな。
過去にも勇者召喚は行われ、その災厄を知っている人たちもいる。
騎士団長の口調からそれは十分にわかる。
書庫を見て回りながら、メイドに問う。
「十年前の災厄。覚えている範囲で教えてくれないか?」
「……はい。当時の私は七歳でした。細部まではわかりませんが……空が赤い光に包まれました。それはもう……夕焼けのようでした。夕焼けならば、いいのですが……どこか血を彷彿とさせるもので。やがて空には巨大な穴が開き、世界には……見たこともない異形の魔物たちが降り注ぎました。……空の血涙と呼ばれた過去の災厄がこれです」
メイドが取り出した本には、当時の状況が描かれた本があった。
……彼女から受けとって本に目を通していく。
これは酷いな。
「場所は、必ずしも首都ってわけじゃないんだな」
「……はい。ここから北へ向かった街にて発生しました。その災厄は、一つの街を飲み込み、さらに二つの街を破壊しました。……一番被害の少なかった街に、私はいました」
被害状況の地図をメイドが指差す。
……被害状況は凄まじい。
被害の中心部では、九割の人間が命を失い、生き残った一割も心が折れてしまった人がいるそうだ。
本当に元気なのは、一割の中の半分も満たないだろう。
「おまえは大丈夫だったのか?」
「……私は絶望してはいられませんでした。守るべき家族がいましたし。……事件のことを思った王が、同情的に城でメイドとして雇ってくれたことで今もどうにか生活ができています。……感謝しています、本当に」
「けど、その王様もそれだけの被害が出るかもしれないのに、現状精霊の使いたちには何も出来ていない」
「……毎回、精霊の使いの方にこのように堕落してしまう人間がいるらしいですね。三十近くの精霊の使いのうち、五名ほどらしいですが」
「だとしたら、今回は異常だ」
「異常な理由が……わからないのですが、きっと何かあるはずです」
「異常な理由はおおよそわかるよ。この国の体制だ。現国王がこの国を治めるようになったのは、ちょうどこの時期なんだな」
十年前の災厄で、前国王が疲弊してしまい退位、すぐに現国王がついたらしい。
本をぺらぺらと見て、この著者もそのことについて触れている。
「現国王は、前国王とは随分と違うような体系なんだろ? 平民を重宝するというか、平民も貴族も関係なしに重用している」
「はい。……力のある人間が、正しく評価されるのは素晴らしいと思いますが」
「ああ、そうだね。みんながキミのように考えるならきっと世界に位なんてものはないよ。……力のない貴族はどうなる? 今までは親の力で裕福に暮らせていた。けれど? 今の国王ではそれが許されない。まだ、今は大丈夫かもしれない。けれどこれから先は?」
メイドは難しい顔でこちらを見てくる。
「そして、そういう奴らは徒党を組み、悪知恵を働かせる。それが、これだよ」
「……貴族たちが、精霊の使いをわざと堕落させるようにしているのですか?」
それもあるけど、たぶん、俺たちは感情の制御が難しくなっている。
ちょっとのこと怒りも浮かぶし、その怒りが異常なまでに増幅していく。
……もしかしたら、性欲とかそういうのも暴走しやすくなっているのかもしれない。
「あくまで可能性の一つだ。けど、この可能性を裏付けるものは、この城に仕えているキミならよくわかるんじゃないかな?」
「……そう、ですね。確かに現国王への不満を口にする貴族は多いです。ですが――さすがにリスクが多くないですか?」
「そのための戦力が、精霊の使いだ。上位にいる精霊の使いを甘言で惑わし、自分の手中におさめる。それで、国への抗議の声をより強固なものにしたいんだろうな」
俺の言葉にメイドは険しい顔を作る。
……このメイドだって、どっち側の人間かは分からない。
向こうが俺に警戒して仕掛けた可能性もある。
だからこそ、なるべく大げさに伝えておく。これで、俺に何かしらの行動を取る可能性もあるからな。
「これが悪化すれば、国は内部で分裂する。そして、王派と……裏で率いている黒幕派に別れる。戦力はどうだろうか。こちらの騎士だって、すべてが王に味方するわけではない。王の味方になっている精霊の使いだって、それほど力を持っているのがいるわけでもない。王が危険にさらされるね」
「……そ、んな」
「そんなに驚かなくても大丈夫だ。その状況にはまだすぐにはならないはずだ」
これについては確証はない。
……敵がどのタイミングで動くのかは、俺にも予想できない。
ただ、俺がもしも敵側ならば、災厄を終えてからにする。明人たちがこの世界に残るのだから、戦力が減ることもないしな。
「なあ、あんた。これから城の情報は出来る限り、聞き流さず、細かいことでもいいから情報を持ってきてくれないかな?」
「……私が、ですか?」
「ああ。この国を守るためだ。それに、あんたの大切な家族もね」
これで少しはやる気が出るだろうか。
そう思って彼女に言うと、メイドはこくりと頷いた。
「……あの、私はカルラといいます。名前があったほうが、探すときに簡単でしょう?」
「そうか。俺は――」
「ハヤト様、ですよね?」
まあ、ここまで関わっているんだから知っているか。
「さすがだね。……それじゃあ、これから何か情報があったら持ってきてくれ。本当に何でも良いよ。必要かどうかは俺が判断するから」
「わかりました。仲間たちにも聞いてみます」
「けれど、核心的な発言はしないように。下手な動揺がメイドたちに広がれば、敵に感づかれるかもしれないからな」
カルラが深く頭を下げてから、書庫を出て行く。
俺は彼女が見つけた本と、さらにその近くにあった本を手当たり次第に読んでいく。
……過去百年ほどの間にあった災厄だ。
さらに前のもあるのだが、それらの本は劣化してしまっているし、何より恐怖に支配されたような文章で、誇張表現のようなものも散見していた。
あまりあてにならない可能性もあるので、それらは流し読み程度ですませる。
俺がもっとも注目したのは、比較的新しい情報である過去百年ほどの間の災厄だ。
災厄は必ずしもこの国だけで発生するものではない。敵国であるぺドリック国でも同じようなことは起きているらしい。
……ぺドリック国で発生する場合は、そちらに精霊の使いが召喚されているようだ。
災厄の中身は様々だ。
カルラの言うような、広範囲を魔物が襲撃する場合。
一体の巨大な魔物が大陸を荒らしていく場合。
言葉を喋り、意志があるような人間に近い存在が暴れる場合。
……ただ、これらのどれも、ボスモンスターを退治、撃退することで治まるらしい。
問題は撃退だ。
明人たちが狙っている撃退は、そこまで難しいことはない。
ある程度のダメージを与えると、敵は逃亡する。それを見逃せば良いだけだ。
……逃亡させれば、確かに一時的に安全になるが再び災厄の危険がある。
その帰還は一年ほどだ。過去に一度、失敗したことがあるらしく書いてあった。
俺はこれらを読みながら、十年前について考える。
……十年前だぞ?
たかだか、十年前なのに……どうして精霊の使いはいないんだ?
カルラに後で話しを聞けばわかるのか? 王様、騎士団長だって……きっと二十年くらい前の災厄も体験しているはずだ。
なのに、どうして……精霊の使いは今この世界にいない?
いるのならば、徴集でも何でもするのではないか?
……これについて、何かあるはずだ。
そして、この国で誰が裏から糸をひいているのか。
精霊の使いと黒幕、この二つを調査しながら、とにかく俺は信頼を集め、災厄に向けてパーティーを鍛え上げないといけない。
……とりあえずは、桃とアーフィで近くの迷宮に行ってもらっておくか。桃には、アーフィの事情も話して……それでいい。
「……もちろんある。だが、災厄は毎回姿形、規模……すべてが違う。あてになるかは分からないぞ?」
「それで大丈夫だ。場所は?」
「書庫にあると思うな」
「書庫か……じゃあ、あとはメイドにでも案内してもらえれば良いか?」
振り返るとこくりと彼女は頷いた。
「……黒羽殿はああいっていたが、我々の現状では一人でも戦力が欲しいところなんだ。……まったく迷宮にも潜れていないしな」
「迷宮にもか?」
「……残留組のちょっかいがあってな。騎士にまで攻撃を仕掛けてくる始末だ。恐らく奴らにも、誰か貴族が糸をひいているはずだ」
「厄介だな」
無駄に入れ知恵をされると、今のあいつらは自分の欲望に忠実だ。
善悪の判断もついていない可能性がある。何をしでかすかわからない状態だ。
メイドに案内してもらい書庫に到着する。
……懐かしいな。あのときは、自分が生き残るための知識ばかりに目を向けていたが改めてくると見たい面白い本がいくつもある。
あの時は本当に余裕がなかったんだな。気持ち、視界も広がったような気がする。
「それじゃあ、もういいよ。ありがとな」
メイドにそう伝えると、彼女はぐっと体を近づけてきた。
……どうしたんだ?
「手伝わせてください。私たちも、この国を守りたい気持ちはあります。頼れるのは、あなたがただけなんです」
……メイドはそれこそ鬼気迫る様子でそう言い放った。
俺のステータスについて彼女も知っているだろうし、こっちにきてから力を見せたわけでもない。
それなのに、俺にここまで言ってくるとは本当に頼れるような奴がいないんだな。
「悪いな……あいつらがあんなことになって」
「それは……私たちにも責任があります。メイドの中にも、彼らを誘惑し、少しでも自分の立場を良くしようとしているものがいます」
「それはおまえもか?」
俺が苦笑しながらいうと、彼女は笑いながら首を振る。
「単純に、街に守るべき家族がいるんです」
「自分の子どもか?」
「……いえ、妹と弟です。両親が……その十年前の災厄で命を落としてしまっていて……少しでも、力添えがしたいんです。何かありましたら、いつでも申してください」
……そう、だよな。
過去にも勇者召喚は行われ、その災厄を知っている人たちもいる。
騎士団長の口調からそれは十分にわかる。
書庫を見て回りながら、メイドに問う。
「十年前の災厄。覚えている範囲で教えてくれないか?」
「……はい。当時の私は七歳でした。細部まではわかりませんが……空が赤い光に包まれました。それはもう……夕焼けのようでした。夕焼けならば、いいのですが……どこか血を彷彿とさせるもので。やがて空には巨大な穴が開き、世界には……見たこともない異形の魔物たちが降り注ぎました。……空の血涙と呼ばれた過去の災厄がこれです」
メイドが取り出した本には、当時の状況が描かれた本があった。
……彼女から受けとって本に目を通していく。
これは酷いな。
「場所は、必ずしも首都ってわけじゃないんだな」
「……はい。ここから北へ向かった街にて発生しました。その災厄は、一つの街を飲み込み、さらに二つの街を破壊しました。……一番被害の少なかった街に、私はいました」
被害状況の地図をメイドが指差す。
……被害状況は凄まじい。
被害の中心部では、九割の人間が命を失い、生き残った一割も心が折れてしまった人がいるそうだ。
本当に元気なのは、一割の中の半分も満たないだろう。
「おまえは大丈夫だったのか?」
「……私は絶望してはいられませんでした。守るべき家族がいましたし。……事件のことを思った王が、同情的に城でメイドとして雇ってくれたことで今もどうにか生活ができています。……感謝しています、本当に」
「けど、その王様もそれだけの被害が出るかもしれないのに、現状精霊の使いたちには何も出来ていない」
「……毎回、精霊の使いの方にこのように堕落してしまう人間がいるらしいですね。三十近くの精霊の使いのうち、五名ほどらしいですが」
「だとしたら、今回は異常だ」
「異常な理由が……わからないのですが、きっと何かあるはずです」
「異常な理由はおおよそわかるよ。この国の体制だ。現国王がこの国を治めるようになったのは、ちょうどこの時期なんだな」
十年前の災厄で、前国王が疲弊してしまい退位、すぐに現国王がついたらしい。
本をぺらぺらと見て、この著者もそのことについて触れている。
「現国王は、前国王とは随分と違うような体系なんだろ? 平民を重宝するというか、平民も貴族も関係なしに重用している」
「はい。……力のある人間が、正しく評価されるのは素晴らしいと思いますが」
「ああ、そうだね。みんながキミのように考えるならきっと世界に位なんてものはないよ。……力のない貴族はどうなる? 今までは親の力で裕福に暮らせていた。けれど? 今の国王ではそれが許されない。まだ、今は大丈夫かもしれない。けれどこれから先は?」
メイドは難しい顔でこちらを見てくる。
「そして、そういう奴らは徒党を組み、悪知恵を働かせる。それが、これだよ」
「……貴族たちが、精霊の使いをわざと堕落させるようにしているのですか?」
それもあるけど、たぶん、俺たちは感情の制御が難しくなっている。
ちょっとのこと怒りも浮かぶし、その怒りが異常なまでに増幅していく。
……もしかしたら、性欲とかそういうのも暴走しやすくなっているのかもしれない。
「あくまで可能性の一つだ。けど、この可能性を裏付けるものは、この城に仕えているキミならよくわかるんじゃないかな?」
「……そう、ですね。確かに現国王への不満を口にする貴族は多いです。ですが――さすがにリスクが多くないですか?」
「そのための戦力が、精霊の使いだ。上位にいる精霊の使いを甘言で惑わし、自分の手中におさめる。それで、国への抗議の声をより強固なものにしたいんだろうな」
俺の言葉にメイドは険しい顔を作る。
……このメイドだって、どっち側の人間かは分からない。
向こうが俺に警戒して仕掛けた可能性もある。
だからこそ、なるべく大げさに伝えておく。これで、俺に何かしらの行動を取る可能性もあるからな。
「これが悪化すれば、国は内部で分裂する。そして、王派と……裏で率いている黒幕派に別れる。戦力はどうだろうか。こちらの騎士だって、すべてが王に味方するわけではない。王の味方になっている精霊の使いだって、それほど力を持っているのがいるわけでもない。王が危険にさらされるね」
「……そ、んな」
「そんなに驚かなくても大丈夫だ。その状況にはまだすぐにはならないはずだ」
これについては確証はない。
……敵がどのタイミングで動くのかは、俺にも予想できない。
ただ、俺がもしも敵側ならば、災厄を終えてからにする。明人たちがこの世界に残るのだから、戦力が減ることもないしな。
「なあ、あんた。これから城の情報は出来る限り、聞き流さず、細かいことでもいいから情報を持ってきてくれないかな?」
「……私が、ですか?」
「ああ。この国を守るためだ。それに、あんたの大切な家族もね」
これで少しはやる気が出るだろうか。
そう思って彼女に言うと、メイドはこくりと頷いた。
「……あの、私はカルラといいます。名前があったほうが、探すときに簡単でしょう?」
「そうか。俺は――」
「ハヤト様、ですよね?」
まあ、ここまで関わっているんだから知っているか。
「さすがだね。……それじゃあ、これから何か情報があったら持ってきてくれ。本当に何でも良いよ。必要かどうかは俺が判断するから」
「わかりました。仲間たちにも聞いてみます」
「けれど、核心的な発言はしないように。下手な動揺がメイドたちに広がれば、敵に感づかれるかもしれないからな」
カルラが深く頭を下げてから、書庫を出て行く。
俺は彼女が見つけた本と、さらにその近くにあった本を手当たり次第に読んでいく。
……過去百年ほどの間にあった災厄だ。
さらに前のもあるのだが、それらの本は劣化してしまっているし、何より恐怖に支配されたような文章で、誇張表現のようなものも散見していた。
あまりあてにならない可能性もあるので、それらは流し読み程度ですませる。
俺がもっとも注目したのは、比較的新しい情報である過去百年ほどの間の災厄だ。
災厄は必ずしもこの国だけで発生するものではない。敵国であるぺドリック国でも同じようなことは起きているらしい。
……ぺドリック国で発生する場合は、そちらに精霊の使いが召喚されているようだ。
災厄の中身は様々だ。
カルラの言うような、広範囲を魔物が襲撃する場合。
一体の巨大な魔物が大陸を荒らしていく場合。
言葉を喋り、意志があるような人間に近い存在が暴れる場合。
……ただ、これらのどれも、ボスモンスターを退治、撃退することで治まるらしい。
問題は撃退だ。
明人たちが狙っている撃退は、そこまで難しいことはない。
ある程度のダメージを与えると、敵は逃亡する。それを見逃せば良いだけだ。
……逃亡させれば、確かに一時的に安全になるが再び災厄の危険がある。
その帰還は一年ほどだ。過去に一度、失敗したことがあるらしく書いてあった。
俺はこれらを読みながら、十年前について考える。
……十年前だぞ?
たかだか、十年前なのに……どうして精霊の使いはいないんだ?
カルラに後で話しを聞けばわかるのか? 王様、騎士団長だって……きっと二十年くらい前の災厄も体験しているはずだ。
なのに、どうして……精霊の使いは今この世界にいない?
いるのならば、徴集でも何でもするのではないか?
……これについて、何かあるはずだ。
そして、この国で誰が裏から糸をひいているのか。
精霊の使いと黒幕、この二つを調査しながら、とにかく俺は信頼を集め、災厄に向けてパーティーを鍛え上げないといけない。
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