村人に転生したら、モンスターと会話できるようになってた。村人ライフしながらモンスター図鑑をつくろう!目指せモンスターキング!!
21話 優しすぎるタイガーの宿命
サーベルタイガーはこちらを怯えた目で見ている。
ぶるぶると怪我から血が噴出しながらも、
絶望の瞳でこちらを見ている。
まるで子犬がこちらを必至で見ているかのように、
嗚咽ではなく女帝の娘として、高らかに吠え越えをあげるのだ。
「言葉を忘れたか?」
僕の問いかけに、彼女はこちらを見ていた。
そしてようやく話の通じるものと出会えたという希望の光に包まれていた。
彼女はこちらをじいっと見ている。
「君の怪我を治したい、予備でエリクサの草をもってきている。牢屋をあけてくれ」
だが執事長は牢屋をあけることはしない、
「まずは話をしてからにしてほしい、いきなりあけてモンスターキングになるであろうあなたを失うわけにはいきません」
「そうか、なら話そう」
「何から話すかな、僕は人間だ、君を襲った原始人とは違う」
「その原始人はぼろぼろの衣服をきて、槍を投げてきただろう? 僕はそのように見えるかい?」
ぶるぶると首をふる。
なぜ彼女が言葉を発さないのか、
僕はうなずいて、
「できれは口の中を見せてほしい」
サーベルタイガーは巨大な牙と口をあけると、
舌がずたずたになっている。
おそらくだが、何度も何度も牢屋をかみ砕こうとして、
舌を傷つけてしまったのだろう。
「1つ提案したい、僕がこの草を君に食べさせる。そしたら君の怪我は治る、信用してくれるか?」
サーベルタイガーはごくりと頷いてみせた。
「それで許可がでた、入れてももらおう」
「ですが条件があります。衛兵を3名引きつれてほしいのです」
「執事長、君は僕をなめているのか? 僕はこれに対しては命を懸けているんだ。彼らだって僕を信じるために命をかける。なら僕だって命をかけるのが役割として重要なことだと思うのだが」
「そ、そうですか」
「護衛なら僕たちにまかせてよ」
「おなかがへったときは頑張るにかぎるのだ」
「ザバンドきゅんを1人でいかせたりはしないわ」
「ゴブリン3体ですか、少し戦力不足な気がしますが」
「大丈夫だよ、ザバンド、テナンド、カナードネ、僕を信じてくれ」
「「「うん」」」
僕は牢屋の扉をあけて、
中に入った。
ぐるるうるとこちらを様子見しているサーベルタイガーは、
ゆっくりとこちらに近づいてくると、
僕のほっぺたをゆっくりとぺろりとつっついた。
確か、ライオンの舌はやすりのようで、舐められると、相当痛いらしい。
それを彼女は理解しているようなのだ。
僕はポケットからエリクサを取り出すと、
彼女の口の中に入れた。
彼女はゆっくりともしゃもしゃしていると。
体に異変が生じた。
まるで魔法の光のように輝いた。
次から次からと、ぴかぴかと光輝き、
すべての怪我が治る状態になった。
サーベルタイガーはこちらを見て、頭を下げる。
「主人、あなたはマスターよ、ベル、それが自分の名前、ベルとしてあなたに一生ついていきます。女帝である母上から引き継いだこの命、あなたのために散らします」
「散らさないでくれ、僕は君たちの仲良く過ごしてスローライフする生活を夢見ているんだ。みんなで平和でのほんとする世界。僕はそれを作る。君の力が必要だ」
「はい、それにレックス君もいるんだね、久しいな」
「そりゃこっちのセリフだよ、まったく」
かくして僕たちは新しい一歩に突き進むことに成功したのであった。
そのあと僕たちは牢屋地区から王城に戻った。
そこにはヤバースィン国王であるイカリ国王が玉座に座っていた。
隣では妃がにこにことしている。
イカリ国王はまさかモンスターキングである僕の知り合いたちが牢屋に閉じ込めさせていたことをしり、ずっと腕組みをしている。
「ごめんなさいね、主人は自分の失敗を認めるのに時間がかかるのよ」
「そうなのですか? イカリ国王はすべてが自分で正しいと思っていました」
「そうじゃないの、主人は自分が間違っていたら即座に正そうとするかたなの」
「そうよ父上はわたくしが悪いことをして友達にいじめられても、助けてくれませんでした。それは自業自得だと罵りました」
「すごい父親ですね皇女さま、いえバナーネ皇女さま」
さきほど歩きながら執事長が王家の名前を教えてくれた。
皇太子がゼツク様で、皇女がバナーネ様で、妃がマナニーグ様ということが分かった。
「あら、バナーネとおよびくださいませ」
「ではバナーネ」
「ぽ」
顔を赤くするバナーネ皇女。
僕は戸惑いながらもその光景を見ていた。
名前のとおりイカリのごとく雷でも落としたのかというくらい叫び声をあげたイカリ国王は、
「うおおおおおお、本当に申し訳なかった。チカ殿、カスミ殿、ナナコ殿、レックス殿、ベル殿、わしは何もわからないからと、言葉が通じないからと、いきなり召喚しておいて、牢屋にしまうとは倫理に反する。それ以前に人徳に反する。どうからわしを怒ってくれ、土下座すれというならする」
「じゃあ土下座してください」
「ちょ、ナナコ先輩」
ナナコ先輩は堂々と言ってのける。
「それに気に食わんのよ、何気に王様で、後輩君が助けてやったから、うちたちに頭を下げる? なら後輩君があんたら助けなかったらうちたち見捨てる? そういうことでしょ」
「すまぬ」
「いいから土下座しな」
めちゃくちゃにナナコ先輩は怖かった。
前代未聞で国王が土下座しました。
執事長と衛兵長と衛兵たちが止めに入る。
しかし皇太子と皇女と妃はにこにこしている。
それでも王様は必至で土下座するのだが、
その頭をナナコ先輩は踏みつぶすかのようにぐっと押しつぶす。
国王の顔面が城の石床に叩きつけられる。
「いい、御姉さまに逆らってごめんなさいって言いなさい」
「ちょナナコ先輩やりすぎ」
「後輩君、あんたもやる?」
「すいませんでした。イカリ国王がんばってください」
「はやくお姉さまに対して調教がなってないわね」
「にいにい調教って馬にするやつだよね」
「いいから香澄はだまっていろ」
「こ、こわいです。先輩が怖いです」
「チカちゃんあれは先輩のまだ片鱗にしかすぎないんだ」
「タダヒロ君は一体先輩のどこを見てきたの」
「き、きにするな」
僕は言葉を濁して。
「お姉さま、本当に申し訳ありませんでした」
「違うでしょ? 逆らってごめんなさいでしょ?」
「御姉さま、逆らってごめんなさい」
「よくできまちたーイカリ国王さま」
近くにいた衛兵たち衛兵長、執事長は気絶している。
イカリ国王は人生で始めて馬のように調教されてしまい、
変な趣味に目覚めてしまわないことを僕は祈っていた。
ぶるぶると怪我から血が噴出しながらも、
絶望の瞳でこちらを見ている。
まるで子犬がこちらを必至で見ているかのように、
嗚咽ではなく女帝の娘として、高らかに吠え越えをあげるのだ。
「言葉を忘れたか?」
僕の問いかけに、彼女はこちらを見ていた。
そしてようやく話の通じるものと出会えたという希望の光に包まれていた。
彼女はこちらをじいっと見ている。
「君の怪我を治したい、予備でエリクサの草をもってきている。牢屋をあけてくれ」
だが執事長は牢屋をあけることはしない、
「まずは話をしてからにしてほしい、いきなりあけてモンスターキングになるであろうあなたを失うわけにはいきません」
「そうか、なら話そう」
「何から話すかな、僕は人間だ、君を襲った原始人とは違う」
「その原始人はぼろぼろの衣服をきて、槍を投げてきただろう? 僕はそのように見えるかい?」
ぶるぶると首をふる。
なぜ彼女が言葉を発さないのか、
僕はうなずいて、
「できれは口の中を見せてほしい」
サーベルタイガーは巨大な牙と口をあけると、
舌がずたずたになっている。
おそらくだが、何度も何度も牢屋をかみ砕こうとして、
舌を傷つけてしまったのだろう。
「1つ提案したい、僕がこの草を君に食べさせる。そしたら君の怪我は治る、信用してくれるか?」
サーベルタイガーはごくりと頷いてみせた。
「それで許可がでた、入れてももらおう」
「ですが条件があります。衛兵を3名引きつれてほしいのです」
「執事長、君は僕をなめているのか? 僕はこれに対しては命を懸けているんだ。彼らだって僕を信じるために命をかける。なら僕だって命をかけるのが役割として重要なことだと思うのだが」
「そ、そうですか」
「護衛なら僕たちにまかせてよ」
「おなかがへったときは頑張るにかぎるのだ」
「ザバンドきゅんを1人でいかせたりはしないわ」
「ゴブリン3体ですか、少し戦力不足な気がしますが」
「大丈夫だよ、ザバンド、テナンド、カナードネ、僕を信じてくれ」
「「「うん」」」
僕は牢屋の扉をあけて、
中に入った。
ぐるるうるとこちらを様子見しているサーベルタイガーは、
ゆっくりとこちらに近づいてくると、
僕のほっぺたをゆっくりとぺろりとつっついた。
確か、ライオンの舌はやすりのようで、舐められると、相当痛いらしい。
それを彼女は理解しているようなのだ。
僕はポケットからエリクサを取り出すと、
彼女の口の中に入れた。
彼女はゆっくりともしゃもしゃしていると。
体に異変が生じた。
まるで魔法の光のように輝いた。
次から次からと、ぴかぴかと光輝き、
すべての怪我が治る状態になった。
サーベルタイガーはこちらを見て、頭を下げる。
「主人、あなたはマスターよ、ベル、それが自分の名前、ベルとしてあなたに一生ついていきます。女帝である母上から引き継いだこの命、あなたのために散らします」
「散らさないでくれ、僕は君たちの仲良く過ごしてスローライフする生活を夢見ているんだ。みんなで平和でのほんとする世界。僕はそれを作る。君の力が必要だ」
「はい、それにレックス君もいるんだね、久しいな」
「そりゃこっちのセリフだよ、まったく」
かくして僕たちは新しい一歩に突き進むことに成功したのであった。
そのあと僕たちは牢屋地区から王城に戻った。
そこにはヤバースィン国王であるイカリ国王が玉座に座っていた。
隣では妃がにこにことしている。
イカリ国王はまさかモンスターキングである僕の知り合いたちが牢屋に閉じ込めさせていたことをしり、ずっと腕組みをしている。
「ごめんなさいね、主人は自分の失敗を認めるのに時間がかかるのよ」
「そうなのですか? イカリ国王はすべてが自分で正しいと思っていました」
「そうじゃないの、主人は自分が間違っていたら即座に正そうとするかたなの」
「そうよ父上はわたくしが悪いことをして友達にいじめられても、助けてくれませんでした。それは自業自得だと罵りました」
「すごい父親ですね皇女さま、いえバナーネ皇女さま」
さきほど歩きながら執事長が王家の名前を教えてくれた。
皇太子がゼツク様で、皇女がバナーネ様で、妃がマナニーグ様ということが分かった。
「あら、バナーネとおよびくださいませ」
「ではバナーネ」
「ぽ」
顔を赤くするバナーネ皇女。
僕は戸惑いながらもその光景を見ていた。
名前のとおりイカリのごとく雷でも落としたのかというくらい叫び声をあげたイカリ国王は、
「うおおおおおお、本当に申し訳なかった。チカ殿、カスミ殿、ナナコ殿、レックス殿、ベル殿、わしは何もわからないからと、言葉が通じないからと、いきなり召喚しておいて、牢屋にしまうとは倫理に反する。それ以前に人徳に反する。どうからわしを怒ってくれ、土下座すれというならする」
「じゃあ土下座してください」
「ちょ、ナナコ先輩」
ナナコ先輩は堂々と言ってのける。
「それに気に食わんのよ、何気に王様で、後輩君が助けてやったから、うちたちに頭を下げる? なら後輩君があんたら助けなかったらうちたち見捨てる? そういうことでしょ」
「すまぬ」
「いいから土下座しな」
めちゃくちゃにナナコ先輩は怖かった。
前代未聞で国王が土下座しました。
執事長と衛兵長と衛兵たちが止めに入る。
しかし皇太子と皇女と妃はにこにこしている。
それでも王様は必至で土下座するのだが、
その頭をナナコ先輩は踏みつぶすかのようにぐっと押しつぶす。
国王の顔面が城の石床に叩きつけられる。
「いい、御姉さまに逆らってごめんなさいって言いなさい」
「ちょナナコ先輩やりすぎ」
「後輩君、あんたもやる?」
「すいませんでした。イカリ国王がんばってください」
「はやくお姉さまに対して調教がなってないわね」
「にいにい調教って馬にするやつだよね」
「いいから香澄はだまっていろ」
「こ、こわいです。先輩が怖いです」
「チカちゃんあれは先輩のまだ片鱗にしかすぎないんだ」
「タダヒロ君は一体先輩のどこを見てきたの」
「き、きにするな」
僕は言葉を濁して。
「お姉さま、本当に申し訳ありませんでした」
「違うでしょ? 逆らってごめんなさいでしょ?」
「御姉さま、逆らってごめんなさい」
「よくできまちたーイカリ国王さま」
近くにいた衛兵たち衛兵長、執事長は気絶している。
イカリ国王は人生で始めて馬のように調教されてしまい、
変な趣味に目覚めてしまわないことを僕は祈っていた。
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