村人に転生したら、モンスターと会話できるようになってた。村人ライフしながらモンスター図鑑をつくろう!目指せモンスターキング!!
12話 交易村
ジムラ村では大きな開拓が始まろうとしていた。
まずゴブリンキングが珍しくジムラ村の村長に合いに来るという騒動が起きた。
そのときちょうどジムラ村にやってきていた僕のおかげで、通訳することに成功する。
ちなみに村長宅に戻ってきていた元奴隷のジェシという12歳くらいの少女が、ゴブリンキングを見て気絶したのは内緒な話。
ジムラ村とは森と草原と川や海や山があるという自然豊富な村でもあるのだが、
残念なことに属国しており、たくさんのものを税金として奪われている。
だから今回のゴブリンキングたちが提供してくれる野菜たちも摘発の対象になるだろうと、村長が危惧していた。
そして僕はこの時のために、関係者会議というものを開いた。
ジムラ村の外の草原に巨大なテントを張り、
代表者たちを集めるというもの、
まずはジムラ村代表が村長、ゴブリン代表がゴブリンキング、スライム代表がリーダー
プラント代表が族長、火炎獅子代表がデツとベツ、赤いトサカ山賊代表がテルルミ。
異世界代表が僕となる。
このテントにはモンスターも植物も人間も勢ぞろいという不思議な構図となっている。
「では今回の会議はみなさんが納得してくれた交易のことではありません、この交易をするにあたって、是が非でも起きることをおさらいしようと思います」
全員が僕の発言にうなずいて、
神妙な表情をしていた。
「まずジムラ村には独立宣言をとってもらいます」
「はいいい」
村長がたまげる。
実は僕は戦略系のゲームであるパソコンゲームよくあるストラテジーゲームをすこしかじっているので、
こうした内政系は少し得意だったりする。
「最後まで聞いてください、ジムラ村が独立宣言すると確実にヤバースィン王国に滅ぼされるでしょう、しかし、それは違うのです。僕はある情報を掴んでいるのです」
「そ、それは」
村長が真っ青になっていること。
「僕はエリクサの1箱セットを国王に届けます。そして国王は不治の病でありあともう少しでなくなります」
「なんと」
「そこで僕と数名の仲間で国王に会いに行きます。そこまでたどり着くのが長い気はしますが、あちらとて時間がないのです。そして国王が助かれば、僕らの所有してあるエリクサの情報を求めてくるでしょう、しかしこちらは国王を助けるという条件でジムラ村を解放つまり独立を認めさせます」
「そ、そんなことが」
「すべてはうまくいくとは限りません、いろいろな手をつかってくるでしょうし、あげくには捕らえられるかもしません、それでも僕たちはひたむきに交渉を続けるのです」
「そうですか」
「実はこのことを告げるのが村長で最後なのです。ほかモンスターたちは【囁きの仲間たち】に入ることを決めました。あとは村長の気持ちしだいです」
村長はふむとうなずき、
ただひたすら椅子にすわりながら、
地面をゆっくりと眺めて、
まるで小さな虫を探しているようにきょろきょろしている。
それでも目に宿った炎は消えることなく、
そしてこちらを見て発言する。
「どうやらわしぃたちはとんでもない化け物を召喚してしまったようじゃ、勇者よりやっかいかもしれぬ、勇者であれば、力でヤバースィン王国を滅ぼしてくれたであろう、だが、そなたは知恵と、そして人間の欲を知っている。まるで人間を動物のように観察してきたかのようだ。ああ、そうだな、【囁きの仲間たち】にいれてくれ」
「ではこの決議は解散といきましょう、交易の品などはすでに村に運び入れる手はずとなっているはずです。飢えて死にそうな村人たちは無事ですか?」
「ああ、みんなお腹が膨れて幸せそうにしている」
「みなさんには働いてもらいますよ」
「そのつもりじゃ」
「僕の指示はジェシに伝えてあります。村長、娘さんは僕の後継者みたいなものです。大事にしてくださいよ」
「は、へ? だから最近あなたと会話を」
「知識を与えただけです。あとは彼女の才能です。僕の世界ではこのような知識はみんなが学習するものなのです。義務教育というやつでしょう、そして彼女は天才だったそれだけです」
「そ、そうなのか」
僕はみんなを見つめて、
「明日出発するメンバーはゴブリン3人と火炎獅子のカヅとマヅと木人の族長だけです。みなさん僕がいないからといって怠けないように」
【はい】
全員がハモルかのように叫んだ瞬間だ。
会議が解散すると、
僕はゆっくりと歩いてテントの外に出る。
まるで侍女のように僕の隣にやってきたのはジェシと呼ばれる少女、
年齢は12歳くらいであり、村長の娘でもある。
ゴブリン3人組もゆっくりと人々、モンスターの群れの中からひっそりと現れる。
次に火炎獅子の息子と娘、カヅとマヅが表れる。
最後に僕の肩に空からやってきた木人が座る。
これが僕の仲間たちってやつなのだ。
そして始まりはゴブリンキング。
僕が向かった先はゴブリンキングのテントなのだから。
ゴブリンキングのテントはとてつもなくでかい、
それはゴブリンキングの体に合うようなっているから、
ゴブリンキングは普通のゴブリンと同じ大きさではない、
もしかしたらオーガと間違われる可能性だってある。
その巨大テントに立っていると、
中に入れてくれたのは見張りのゴブリンだった。
どうやら彼は僕の顔を覚えてくれていた様なのだ。
ゆっくりと入る。
仲間たちと一緒にはいり、
僕はゴブリンキングに安堵してもらいたい、そう思っている。
玉座のような場所に座る巨大な緑色の化け物。
頭には黄金の冠ぶり、
所泥子に汚れが目立つが、
それですら風格になっているのだから、本当に不思議なこともあるものだと、
この時の僕は思い、
ゴブリンキングはゆっくりと頭を持ち上げると、
こちらを見て口を舌なめずりする。
僕は頭をさげる。
「ゴブリンキング様、お礼と感謝の気持ちを伝えに参りました」
「うむ、よかろう、おぬしの旅について教えてくれ」
「御意」
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