村人に転生したら、モンスターと会話できるようになってた。村人ライフしながらモンスター図鑑をつくろう!目指せモンスターキング!!
10話 プラントに何が起きている?
それはしばらくの沈黙ののちに始まった。
こちらが真剣に考えているのに、
テナンドは夢中で食べられるエメラルドの鉱石をひたすら食っていた。
「テナンドてめええええ」
「もぐもぐ、うめーぞ、これめちゃうめ、てかなんでおこってんの、ってがやあああ」
「従者の失礼をすみません王家のものよ」
「いいのじゃよ、おいらはもう王家のものではないさ、さて」
「できればでいいのですが、プラントの場所に案内してもらってもいいですか?」
「そうくるか、お主なら会話できるかもしれんが、プラントは人間の思考能力ではない可能性があり、おぬしの頭では、パンクするかもしれんが」
「やってみます。確かに植物のモンスターは初めてですが」
「よかろう、その覚悟気に入った。カヅ、マヅそして愛しきベツよゴブリンたちを乗せてやってくれ、おいらはこのお方をのせる」
「はいですわあなた」
「お、父ちゃんがやる気だ」
「あーめんどくさい」
「で、でも炎の背中に乗って大丈夫なんですか?」
ザバンドの質問に、
デツがにかりと牙を見せてうなずく。
「火炎獅子とは親愛の情を感じた相手には燃やすことはせぬ」
「そ、そうなんですね」
めずらしくザバンドが頷いている。
恐怖より信頼をとったようだ。
―――プラントの森―――
「うっほおおおお」
僕は思わず叫んでしまっていた。
山という山からジャンプしてはジャンプする。
さらにはまるでモモンガにでもなったかのように、火炎獅子に炎の翼が生える。
それは羽ばたくことはできないが、
ゆっくりと空中をすべりながら、落下していく。
山から山へと下っていきながら。
その森に到達した。
本当に樹海のような場所で、
木々だけで高層マンションの30階建てはありそうだし、
モンスターは規格外がいそうだ。
火炎獅子の家族たちは道を選んで、
さらには臭いを選んで、
ゆっくりと進んでくれているので、
モンスターに会うことはなかった。
そしてそこに到達した。
巨大な木々だ。
それが真っ二つに折れているではないか。
「実はこの前おいらたちが来た時にはこうなっていた。おいらとベツが新婚旅行したときは、ここにはこの大樹があった。別名世界樹と呼ばれていた。なぜこのようになったのかはわからないが、おそらくプラントたちの暴走はそこからきていると思われる」
デツさんがいろいろと説明してくれるなか、
僕は周りに耳をすませる。
声が聞こえる。
まるで地面の中に這っている何かのように、
これは根っこだ。
根っこそのもの、つまりこれはモンスターだ。
まるでこちょこちょと小さく早口で言っているような感じだ。
そしてそれは起きた。
木々が動き出したではないか、
ゆっくりと動き出すと、
こちらに向かって突進を始める。
「いかん、これがプラントだ」
「ごおおおおおおおおおお」
それは翻訳しても同じ、ということはこれは声ではなくて、叫び声のようなものだ。
まるで風を切るように、
するどく、とんがっているような、
不思議な声だったりする。
僕はとっさに鑑定するも、種族プラントということしかわからず、特にスキルがあるわけでもないようだ。
デツさんが巨躯の体をつかって身を挺して僕を守ってくれる。
僕は後ろに尻もちをつきながら、
周りを見据える。
集中しないと、
僕は眼をつぶった。
「僕の体のことをみんなに任せる。僕は今から本体をつかむ」
するとその場にいる全員が頷いたようだ。
従者の3名のゴブリンも戦闘モードになっているし、
どうやら足音だけでもわかるが数百はくだらないプラントたちが集まってきている。
プラントたちの声を聴く。
それは囁き声。
沢山の重なり声。
それはテレパシーのようでいて、ネットワークのようなそれ。
電話のようなそれは、
そう電話だ。
これは隣に電話してまた隣に電話して、という行程で指令を下している。
風のように感じ、
なだらかな息吹を感じ。
あとは前を見て、
目を開ける。
そこには小さい木の人間が立っていた。
背丈は膝寄りしたくらいで、
まるで木人と呼んでもいいそれ。
それが一生懸命周りに指令を下していた正体。
僕は彼に手を差し伸べる。
「族長、失礼にも勝手に侵入したことを謝ります」
「よかろう」
その族長らしいおじいさんの声のようなプラントが呟くと。
周りのプラントたちがまるで操り人間のように一体また一体と普通の木々に戻っていく。
ゴブリンたちも火炎獅子たちも木人を見ている。
「それが族長のプラントなのか?」
「ふむ、王家の火炎獅子も無礼になったものよのう」
「どいうことだ。おいらにもプラントの声がわかるのか」
「彼らは単純に鏡だったのです。プラントとは彼1人から派生する群れなのでしょう? つまりあなたたちが話ていたのは鏡みたいなもので、この本体とは話していないのです」
「かっかっか、そういうことじゃ若造が」
「これでもけっこう年くってんだがな」
「して若造や、ヤバースィン王国が怖くて逃げてきたか、かっかっか」
「なんだと糞爺」
「かっかっか、わしならヤバースィンなど滅ぼせるぞ、このプラントの軍勢でな」
「そうするとあなたの友達であるプラントたちもたくさん死にますよ」
「そうじゃのう、そこまで冷たく言わんでくれ、爺ちゃん泣いちゃう」
「その木人の姿で言われるとシュールなのでやめてください」
「ちっち、これは本体ではないのだ」
「ということは」
「そうじゃ、あの世界樹が本体でな、どこのだれか知らんが、めちゃくちゃな力を暴走させて、わしを両断しおったわい」
「恐ろしいですね」
「まぁな、ちょうど息子が生まれてたからそれに転生してしもうたがのう」
「そうですか」
「プラントとは代々1人のプラント王からなりたつ。まぁわしじゃがのう、さて、おぬしは何がしたいのじゃ、おぬしのことをすべての植物友達から聞いたが、色々な地区にいっては悩み事を解決したりしているそうじゃいか、山賊たちとも交渉したそうだし、その結果ここにきたのだろうし、いろいろとお爺ちゃんが相談のるよ?」
「膝下の木人に言われてもとてもシュールすぎます」
「かっかっか、それでお前さんどこまで世界を救うつもりだ?」
「さて、すべてですかね」
僕はにやりと笑って見せた。
こちらが真剣に考えているのに、
テナンドは夢中で食べられるエメラルドの鉱石をひたすら食っていた。
「テナンドてめええええ」
「もぐもぐ、うめーぞ、これめちゃうめ、てかなんでおこってんの、ってがやあああ」
「従者の失礼をすみません王家のものよ」
「いいのじゃよ、おいらはもう王家のものではないさ、さて」
「できればでいいのですが、プラントの場所に案内してもらってもいいですか?」
「そうくるか、お主なら会話できるかもしれんが、プラントは人間の思考能力ではない可能性があり、おぬしの頭では、パンクするかもしれんが」
「やってみます。確かに植物のモンスターは初めてですが」
「よかろう、その覚悟気に入った。カヅ、マヅそして愛しきベツよゴブリンたちを乗せてやってくれ、おいらはこのお方をのせる」
「はいですわあなた」
「お、父ちゃんがやる気だ」
「あーめんどくさい」
「で、でも炎の背中に乗って大丈夫なんですか?」
ザバンドの質問に、
デツがにかりと牙を見せてうなずく。
「火炎獅子とは親愛の情を感じた相手には燃やすことはせぬ」
「そ、そうなんですね」
めずらしくザバンドが頷いている。
恐怖より信頼をとったようだ。
―――プラントの森―――
「うっほおおおお」
僕は思わず叫んでしまっていた。
山という山からジャンプしてはジャンプする。
さらにはまるでモモンガにでもなったかのように、火炎獅子に炎の翼が生える。
それは羽ばたくことはできないが、
ゆっくりと空中をすべりながら、落下していく。
山から山へと下っていきながら。
その森に到達した。
本当に樹海のような場所で、
木々だけで高層マンションの30階建てはありそうだし、
モンスターは規格外がいそうだ。
火炎獅子の家族たちは道を選んで、
さらには臭いを選んで、
ゆっくりと進んでくれているので、
モンスターに会うことはなかった。
そしてそこに到達した。
巨大な木々だ。
それが真っ二つに折れているではないか。
「実はこの前おいらたちが来た時にはこうなっていた。おいらとベツが新婚旅行したときは、ここにはこの大樹があった。別名世界樹と呼ばれていた。なぜこのようになったのかはわからないが、おそらくプラントたちの暴走はそこからきていると思われる」
デツさんがいろいろと説明してくれるなか、
僕は周りに耳をすませる。
声が聞こえる。
まるで地面の中に這っている何かのように、
これは根っこだ。
根っこそのもの、つまりこれはモンスターだ。
まるでこちょこちょと小さく早口で言っているような感じだ。
そしてそれは起きた。
木々が動き出したではないか、
ゆっくりと動き出すと、
こちらに向かって突進を始める。
「いかん、これがプラントだ」
「ごおおおおおおおおおお」
それは翻訳しても同じ、ということはこれは声ではなくて、叫び声のようなものだ。
まるで風を切るように、
するどく、とんがっているような、
不思議な声だったりする。
僕はとっさに鑑定するも、種族プラントということしかわからず、特にスキルがあるわけでもないようだ。
デツさんが巨躯の体をつかって身を挺して僕を守ってくれる。
僕は後ろに尻もちをつきながら、
周りを見据える。
集中しないと、
僕は眼をつぶった。
「僕の体のことをみんなに任せる。僕は今から本体をつかむ」
するとその場にいる全員が頷いたようだ。
従者の3名のゴブリンも戦闘モードになっているし、
どうやら足音だけでもわかるが数百はくだらないプラントたちが集まってきている。
プラントたちの声を聴く。
それは囁き声。
沢山の重なり声。
それはテレパシーのようでいて、ネットワークのようなそれ。
電話のようなそれは、
そう電話だ。
これは隣に電話してまた隣に電話して、という行程で指令を下している。
風のように感じ、
なだらかな息吹を感じ。
あとは前を見て、
目を開ける。
そこには小さい木の人間が立っていた。
背丈は膝寄りしたくらいで、
まるで木人と呼んでもいいそれ。
それが一生懸命周りに指令を下していた正体。
僕は彼に手を差し伸べる。
「族長、失礼にも勝手に侵入したことを謝ります」
「よかろう」
その族長らしいおじいさんの声のようなプラントが呟くと。
周りのプラントたちがまるで操り人間のように一体また一体と普通の木々に戻っていく。
ゴブリンたちも火炎獅子たちも木人を見ている。
「それが族長のプラントなのか?」
「ふむ、王家の火炎獅子も無礼になったものよのう」
「どいうことだ。おいらにもプラントの声がわかるのか」
「彼らは単純に鏡だったのです。プラントとは彼1人から派生する群れなのでしょう? つまりあなたたちが話ていたのは鏡みたいなもので、この本体とは話していないのです」
「かっかっか、そういうことじゃ若造が」
「これでもけっこう年くってんだがな」
「して若造や、ヤバースィン王国が怖くて逃げてきたか、かっかっか」
「なんだと糞爺」
「かっかっか、わしならヤバースィンなど滅ぼせるぞ、このプラントの軍勢でな」
「そうするとあなたの友達であるプラントたちもたくさん死にますよ」
「そうじゃのう、そこまで冷たく言わんでくれ、爺ちゃん泣いちゃう」
「その木人の姿で言われるとシュールなのでやめてください」
「ちっち、これは本体ではないのだ」
「ということは」
「そうじゃ、あの世界樹が本体でな、どこのだれか知らんが、めちゃくちゃな力を暴走させて、わしを両断しおったわい」
「恐ろしいですね」
「まぁな、ちょうど息子が生まれてたからそれに転生してしもうたがのう」
「そうですか」
「プラントとは代々1人のプラント王からなりたつ。まぁわしじゃがのう、さて、おぬしは何がしたいのじゃ、おぬしのことをすべての植物友達から聞いたが、色々な地区にいっては悩み事を解決したりしているそうじゃいか、山賊たちとも交渉したそうだし、その結果ここにきたのだろうし、いろいろとお爺ちゃんが相談のるよ?」
「膝下の木人に言われてもとてもシュールすぎます」
「かっかっか、それでお前さんどこまで世界を救うつもりだ?」
「さて、すべてですかね」
僕はにやりと笑って見せた。
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