村人に転生したら、モンスターと会話できるようになってた。村人ライフしながらモンスター図鑑をつくろう!目指せモンスターキング!!

ピエロとサーカス

4話 おいしい毒見



「スライム小屋に与える食料はカナードネちゃんにお願いするよ」
「はい、村からひたすらゴミなどを集めて食べさせてみます」


「おいらおいら、リーダーだからよろちく、おいらの配下を紹介する」
「サブリーダーのあたし」
「参謀の拙者」
「行動隊長の僕なのだああああ」


「あら、かわいいわね、名前があるんだね」
「ゴブリンのお姉ちゃん、たーくさんごはんもってきてね」
「「「きてね」」」


「はいはい」


 まるでカナードネちゃんはスライムの母親のようにゴミ集めに消えていった。


 代わりにテナンドが背中の加護に大量の作物を持ってきていた。


「うっほい、はやくたべたい、はやくたべたい」


「落ち着け、テナンド、今全部鑑定するから」


「はやくしてれ、俺のお腹がぴーごろいってるぜ」


「それは逆の意味かと」


「しらんの? ぴーごろはお腹がすいたという合図だよ」


「お、おうわかったよ」


 すべての作物を鑑定することにした僕は、1つずつ把握していき、
 頭に記憶してく。
 できれば紙なども欲しいものだ。


 ペリコブタ:芋
 ササノコ:葉
 ツクツク:芽
 ジャガイモ:芋


「テナンドは芋が好きなんだね」
「そだよーペリコブタは子豚の肉のような味がするから大好きあし、ササノコは口の中でしゃぶってれば甘くなるし、まるでお菓子のようなんだ。ツクツクは噛むと口の中がパワフルになるし、ジャガイモはぶよぶよだったり固かったり」


 おそらくぶよぶよなのは腐っていたのだろう。


 恐るべき毒解除能力。


「みんなペリコブタとツクツクとジャガイモは食わないんだ。こんなにうまいのになんでかなぁ」
「それは毒があるからなんだ」


「へぇ、そうなんだ。そういえばタダヒロは面白いこといってたね、僕が毒解除のスキルを覚えているって」


「そうだよ」


「だからかぁ毒のある食べ物をたべると体が紫になって暖かくなるんだ」


「なるほど、それはいい判断方法かもしれない」


「なんでだい?」


「君が毒を食べる。すると体が紫になるということは、普通の人は食べてはいけいということなんだ。そして調理方法を変えれば毒無しになるかもしれないんだ」


「す、すごい」


「まずジャガイモは僕の世界にもある調理法ですけど、ペリコブタとツクツクとササノコは調理方法がわからない、なのでジャガイモと同じようにして君に食べてもらおうとおもう」


「うん、まかせて」


 かくして調理タイムが始まろうとしていた。


 ちょうど沢山のごみをあつめてきたカナードネちゃんが、お手製リアカーで運んできた。


 しかもお手製リアカーはすべてが木材で作られており、
 タイヤ部分まで丸太のようなそれだった。


 この世界にはすごい発明をするものもいるものだと、
 僕はこの時感じていた。


 ちなみにザバンド君はひたすら草原を眺めています。
 カナードネちゃんはひたすらスライムにご飯を提供しています。
 テナンド君はうきうきとジャガイモの料理を待っている。


 僕とカナードネちゃんで料理することとなり、
 カナードネちゃんは鉄の鍋や大きな木製のスプーンなどを用意してくれている。


 すぐそばにゴブリンの集落がある。
 だけど僕たちは自給自足するかのように、
 集落のすぐそばの平原で畑をつくろうとしているのだ。


 僕が行った料理法とは、
 ジャガイモの毒の部分を抜くことだ。
 それは緑色になった芽の部分を切除することと、
 鍋でぐつぐつと煮込むこと。


 するとほくほくのジャガイモができる。
 テナンド君は無我夢中で食べている。


「生よりうまいぞ」


「ザバンド君もたべよー」
「いま僕は男になるんです」


 真面目少年ゴブリンは断固としていとしいカナードネちゃんの誘いの言葉も断る。


 テナンド君とカナードネちゃんと僕頼で食事タイムをすることに、


 ペリコブタも同じ要領でテナンドに食わせたら毒はなかった。


 のでザバンド君以外で食べることに、


 ペリコブタも鍋にぐつぐつしたせいかめちゃくちゃほくほくしている。


 ツクツクも同じ方法で大丈夫で、これはアスパラのようだった。


 ササノコはまるでガム感覚でしゃぶれる。
 すごく甘いもので、どことなくサトウキビを思わせた。




「このササノコってゴブリンたちには有名なのか?」


「そうだよ、ササノコはゴブリンたちにとって御菓子の次においしいデザートなのだ」


「そうか明日はもっと集めてくれ」
「了解したよ」


「ジャガイモは種イモにできるから便利なんだ。ジャガイモは全部食べないようにしてくれよ」
「了解だわ、料理しないように別の箱にしまっておくね」


「助かる」


「うおおおお、ひらめいたぞおおおお」


 ザバンド君が何かに目覚めたようだ。


 彼は突然ゴブリンの集落のところまでいなくなると、
 数分後には戻ってきた。
 その手には人数分の鎖鎌が握られている。


「そうか、そういうことか」


 僕は納得する。


 おそらくゴブリンの集落で鎌をつくってくれといっても想像できないだろう、
 ならすでに存在する武器を使えばいい、


 それこそが鎖鎌なのだから。


 僕は度肝を抜かれてしまって。
 驚きをかくせない、


 それから、僕たちの雑草狩が始まったのだ。


 それからが長い長い草とのバトルの始まりだった。
 僕は確かに農業については詳しかったりする。


 それは大抵がすでに整った畑とか、
 整った肥料とか、
 そういう現代化された畑ならではだからだ。


 だがここではすべてが整っていないのだ。


 肥料もない草刈りも進んでない。
 そして種も自分で集める。


 さらにはいろいろなこともろもろあるのだ。


 それだけ農作業とはとても大変なことなのだ。


 僕はそれを受け止めて、
 今ここで立ち上がっているのだ。


 簡単に負けられるかよ。


 村人たちに後悔させてやって、
 改心したら村人たちを助けてやるんだ。


 彼らを見殺しにするほど、
 僕は人間腐ってねーんだよ。





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