薬師無双〜ドーピングで異世界を楽しむ〜

蜂須賀 大河

オーク集団

 オークの集団を倒し、レベルを上げようと思った俺は、早速地図の印の場所へと向かっていた。
 裏山は結構な広さなので、俺は迷わないよう木に目印を付けながら進んで行く。




 ──進む事三十分。


 オークを二体発見した。
 大体目印の近くに来たと思うので、多分この近くにオークの集団がいるのだろう。


 そして、俺はオークを鑑定する事に。




 オーク
 Lv:12
 HP:105/105
 MP:9/9


 物攻:36(+5)
 物防:21
 魔攻:6
 魔防:18
 敏捷:11


 <装備>
 棍棒




(結構強いな……。流石に俺も、30体の集団に囲まれば負けるなこれは……)


 ──とりあえずは、目の前のオークを倒す事に。


 まだ気付かれていないので、俺は石を握り、そのまま全力でオークの元へと一気に駆け寄る。


「ブモォオ?!」


 一匹のオークがこちらに気付き声を上げるが、俺は石の握りを強め、オークの顔面目掛けて思い切り殴りつける。


 オークは血を噴き出し倒れるが、HPが残っていたのを確認したので、俺はすかさず倒れたオークの顔に、下段突きのように殴る。


 流石に一撃とはいかなかったが、なんとか倒せたみたいだ。


「ブモォオオオオッ!!」


 その声と共に、背後を振り向くと、もう一体のオークが此方へと向かって来ていた。
 向かって来るオークに対し、右手に持っている石を、顔面目掛けて投げつける。


「フゴッ」


 そんな鳴き声と共に、オークは顔面からそのまま地に倒れ込んだ。
 俺はトドメに、サッカーボールキックの要領で、オークの顔を蹴りあげると同時に、『グシャッ』っと骨の折れる嫌な音が聴こえた。


 倒した二体のオークを、異空間倉庫ストレージに納め、俺はこれからは数体ずつオークを誘き出し倒す事にする。
 まず俺は、オークの集団がいる場所へと向かった。


 オークは、報告で聞いた通り丁度三十体いたので、俺はそのまま集団を後にし、ひとまずその周りにオークがいないか探す事に。
 すると案の定、見回りをしているオーク二体を発見した。
 恐らく、オークは二体一組で見回りをしているのだろう。


 ──俺は前回と同じく、奇襲をかけ素早く一体のオークを倒す事に。
 もう一体のオークに気付かれはしたが、オークの攻撃は俺には当たらない。
 俺とオークにはかなりの敏捷差があるので、囲まれるか、不意打ちさえされなけらば、まず当たらないだろう。


 また、異空間倉庫ストレージに倒したオークを納め、俺はそのまま見回りのオークがいないか、集団の周りを探索する事に。


 それからも、見回りのオークを倒し合計六体のオークを倒していた。
 他に、見回りのオークはいなかったので、俺は集団のいる場所へと向かい、様子をみる事に。


 ──様子を見ていた俺は、オーク達が突然ざわつき始めたのに気付いた。
 俺が倒した見回りが帰って来ないので、ざわつき始めたのではないだろうか。
 すると、集団の中から三組のオークがまた森の中へと、向かっていった。


(……これを繰り返せば、俺でも勝てるな)


 それからの俺は、見回りのオークを倒しては、集団に戻り様子を見る。
 そしてまた、見回りのオークを倒し、集団の様子を見る事に。


 今現在のオークの集団は、残り十二体。
 最初の三十体から比べると、かなり減らしたと思う。
 ただ、オークも流石に異変に気付き、四体の三組に別れ森へと向かって行ったのだ。
 俺は急いで、一組を追いかける。


 四体ならオークを倒し、レベルも増えた俺なら勝てると判断していた。


 いつもの様に、気付かれずに一体を倒す。
 すると三体のオークに気付かれたので、俺はひとまず距離を取ることに。


「「「ブモォオオオッ!!」」」


 三体のオークが、一斉にこちらへと向かって来る。


 一体のオークが棍棒を振り下ろしてきたので、俺はそれをステップの様に横へと回避した。
 回避すると同時に、オークの横腹を思い切り殴る。
 殴られたオークは、そのまま口から吐瀉物を吐きながら、膝を付き倒れた。


 ──残り二体のオークは、一斉に棍棒を振り下ろしては、横薙ぎに、また振り下ろしては、横薙ぎにと怒りのまま行動している様にも見えた。
 俺は、一体のオークに石を投げるが、棍棒を盾に石を弾かれてしまう。
 だが、俺は既にオークの元へと全力で駆け寄り、胴目掛けて勢いの乗った蹴りを放つ。


 全力で走り、勢いの乗った蹴りはかなりの威力があり、オークは吐血しながら、マンガの様にくの字に吹き飛んだいった。


(……なんか、今物凄い吹き飛んだ気がするんだが)


 それだけ、レベルが上がったのだろうとひとまず思い、残りの一体の攻撃を避け、鳩尾目掛けて殴り倒した。




  「四体相手でも、案外余裕だったな──でも、途中から物凄く体が軽くなったような……」




 ──そう呟きながらも、俺は倒した四体のオークを異空間倉庫ストレージに納め、残りのオークを倒しに行く事にした。


 日も暮れ始めた頃、俺は全てのオークを倒していた。
 オークを倒しきり、一息つきながらステータスを確認してみる事にした。




 名前:アラン   性別:男  15歳
 職業:薬師Lv26 ※サブ職業:僧侶Lv23※
 HP:238/238
 MP:356/356


 物攻:97
 物防:92
 魔攻:95
 魔防:105
 敏捷:102


 <固有スキル>
 薬学創造魔法


 <スキル>
 薬学知識〔極〕 調合7 アイテム鑑定  new  薬品合成  魔力操作 5  無詠唱  狙撃3  結界1  new  格闘術1  new  体術1 new  


 <パッシブ>
 MP増加(小)
 器用増加(小) 
 身体強化(小)  new
 魔防増加(小)  new
 薬品威力増加(小)  new


 <魔法>
 回復魔法3


 <装備>


 <加護>
 最高神の加護




 <異空間倉庫ストレージ
 188500メル
 初級回復薬×39
 中級回復薬×16
 中級魔力回復薬×9
 バームウェルムの知識×1
 食料
 生活用品
 オークの死体×36




「おおっ! 職業外のスキルが、三個も増えてるっ!」




 素手での近接戦闘の影響か、身体強化(小)、格闘術、体術を覚えていた。


 【身体強化(小)】
 物攻、物防のステータスに小補正の効果がかかる。


 【格闘術】
 素手での威力が上がる。
 スキルレベル上昇により威力増加。


 【体術】
 身体を使う能力に補正がかかる。
 スキルレベル上昇により補正量も上昇する。




(途中から身体が軽く感じたのは、体術と格闘術を覚えたからか……)


 僧侶は15・20レベルになった時に、それぞれ結界と魔防増加(小)を取得した。




 【結界】
 一定の時間、魔物から認識されない結界を展開する。
 スキルレベル上昇により、効果範囲と効果時間が増す。
 また、スキルレベル×10までの魔物にしか効果はない。
 消費MP:20
 効果時間:1時間


 【魔防増加(小)】
 魔防のステータスに小補正がかかる。




 そして薬師のレベルは20・25の時に、薬品威力増加(小)とアイテム鑑定を覚えたが、俺は既に上位鑑定を持っている為アイテム鑑定は、完全に死にスキルとなった。




 【薬品威力増加(小)】
 薬品効果の威力に小補正がかかる。




 これが、オークを倒した成果だ。
 はっきり言って半端ない……
 俺はほくそ笑みながらも、討伐報告をしに村へと戻る事にした。

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