楓と葉霧のあやかし事件帖〜そろそろ冥府へ逝ったらどうだ?〜

高見 燈

第28夜  事件の爪痕

 ーー楓と葉霧。
 それに杉本珈音ーー。

 三人は、合宿をする生徒たちが使う食堂に降りてきた。

 広い飲食スペースには、既に演劇部の部員達も座っている。厨房もちゃんとしていて、部員達が楽しそうに、調理や配膳の支度をしている。

「お。」

 テーブル席。

 縦一列に十人程度座れるであろう。視線を向けたのはーー灯馬だった。

「葉霧!」

 声を張り上げた。

 楓と葉霧。杉本はその席に向かう。

「杉本さん。大丈夫?」

 心配そうに視線を向けたのはーー水月だ。ライトブラウンの大きな瞳が、杉本を覗く。

「ありがとう。大丈夫。」

 杉本はーー力無く笑う。

 辺りのテーブル席では、そんな杉本の姿を見ている部員達。
 少し……怪訝そうに彼女を見ている。


 既に、生徒会メンバーは勢揃い。座ってトレーに、食事を載せている。

「カレーだ! 唐揚げだ! 葉霧!」

 見るなり声をあげたのは楓。葉霧のカーディガンの袖を引っ張る。
興奮気味で。

「楓……伸びる……。杉本。取りに行こう。」

 葉霧は楓に腕を掴まれーー杉本に視線を向けた。早く! 早く! と、急かさんばかりの楓に引っ張られながら。

 杉本も楓達と一緒に配膳のカウンターに向かった。

「あ。杉本さん! 大丈夫?」

 カウンターの奥から声を掛けたのは……眼鏡を掛けた女性。黒髪のショートヘア。
眼鏡から覗く心配そうな目。


「松井先生……。大丈夫です。」
「ごめんなさいね。来るのが遅くなって……。部長の平山さんから聞いたわ。倒れた……って。」

 松井は顧問である。
 杉本は力無く頸を横に振った。

「こちらこそすみません。」

 隣にいた女子がその様子に視線を向けた。
 杉本に。

「大丈夫? 杉本さん。食欲ある?ヨーグルトとかもあるわよ。」

 トレーを持ちながら心配そうにしていた。

「ありがとう。大丈夫。」
「あ。ねぇ? 一緒に食べない? あっちにみんないるし。」

 その横でカレーのお皿を受け取った女子が声を彈ませた。

「心配してたのよ。皆。ずっと体調……悪そうだったし。」
「ごめんね……」
「なに言ってるのよ。今年で最後だし! 絶対コンクール制覇しよ!」
「うん。」

 杉本は嬉しそうな顔をしていた。

 楓と葉霧はそのやり取りを聞きながら少し笑った。

 顔を見合わせた。

「大丈夫そうだ。」
「だな。」

 
 杉本はーー部員たちと楽しそうにしながら食事を受け取っていた。



「で? 灯馬から聞いたが……解決したのかよ?」

 鋭い視線を向けるのは秋人だ。さらっとした黒髪に端正な顔立ち。クールなイケメンだ。
 
 葉霧は、カレーを掬いながら目を向ける。


「ああ。お陰様で。」
「そのオンナのことじゃねーよ。杉本の事だ。」

 にっこりと微笑む葉霧に……秋人は苛ついた様子。王子様気質の……華やかな葉霧とは対極。眼が更に鋭い。
口調もキツい。


 当の楓は葉霧の隣でーーバクバク食べている。

「解決したよ。」

 葉霧の視線の先はーー前の方のテーブル席だ。秋人は振り向いた。

 部員たちと楽しそうに食事している杉本がいる。

「葉霧。お代わりあんの?」
「一杯だけにしとけ。」
「おやつ抜きだったから足んねぇ。」

 楓はがたっと椅子から立ちあがる。


 楓の言うおやつーーは、商店街の惣菜や焼き鳥だ。

 カレーのお皿だけ持ってテーブルから離れる楓に秋人は視線を向けた。


「ねぇ? 葉霧くん。ちゃんと聞いてなかったんだけど……。何処の高校の娘? 学園の娘じゃないよね?」

 水月はお茶の入ったグラスを手にしながら葉霧に目を向けた。

 ふわっとした栗色のパーマ掛かった髪を、ちょっと巻いてシュシュで 纏めたドールフェイスの少女だ。

「あ。今更だけど……色々すっ飛ばしてるよね? 葉霧。ちゃんと紹介してよ~。連れて来たんだからさ。」

 夕羅はスプーン片手。

 ショコラ系の髪を、ポニーテールにした猫目が特徴的な娘。可愛らしい顔をしている。
少し不満気。

「ああ。楓は……鬼だ。寺で一緒に暮らしてる。」

 かたん………

 夕羅の手からスプーンが落ちた。
 
 お皿の上に。
 固まっている。

「鬼??」

 声が大きくなってしまった水月は……慌てて口を手で押さえた。

 葉霧は面々を見ると

「そう。鬼。人間じゃない。」

 ハッキリと言ったのだ。

 
 灯馬は水月の横でカレーを頬張る。素知らぬ顔で。

 グレーの眼が、特徴的なさらさらブロンドヘアの、イケメンだ。

 戸惑う空気の中で口を開いたのは秋人だった。

「なるほどな。調教マニアのド変態が、選ぶ理由がわかった。」

 葉霧に呆れた顔を向けたのだ。

「え?? 言い方っ!」

 夕羅はひやっとしたのか隣の秋人を見る。

「さっき……お前が鬼みてーなツラして探してたのを見て……何となくは気づいた。ただのオンナじゃねーんだな。って。」

 秋人は葉霧を強く見据えていた。


 楓は大盛りによそってもらったお皿を持って戻ってくる。


「けど。だったら言えよ。最初っから。ムカつく。」


 秋人はお茶を飲み干した。

 たん。

 少し乱暴にグラスをテーブルに置いた。

「どーしたんだ? 葉霧? ケンカか? 仲良くしろよ。仲間なんだろ?」

『お前が言うな』


 と、誰もが思ったのか深いため息を着いた。全員。


 素知らぬ顔で座る楓を除いて。


「まー。葉霧も言うタイミング見てたんだろ? 秋人の気持もわかるけどさー。」


 灯馬がそう言うと秋人はギロッと睨みつけた。斜め前の灯馬を。


「お前。知ってたな?」
「今日。聞いたんだよ。流れで。」

 灯馬は少し……顔を引き攣らせた。

(あ~……嫉妬がスゴいこと。)

 葉霧は秋人を見る。
 柔らかな笑みを浮かべて。

「秋人。悪かった。心配かけて。」

 秋人は葉霧に視線を向けると……少しぶすっとした様な顔をした。

「別に。してねー。」

 突っ慳貪な対応である。

 水月と夕羅は顔を見合わせると笑った。

(素直じゃない……)

 夕羅はくすくすと笑う。

 きょときょと。と、楓だけはみんなを見ていた。


 ✣


 食事が終わると……葉霧は楓を連れて、エントランスホールに来ていた。

 エントランスホールはひっそりとしているが、明るいライトで照らされている。
廊下よりも明るい。

 葉霧は……女神像の乗っていた台の前にしゃがむ。白いタイルの床を見つめた。茶系の瞳が、険しくなる。

 天井のライトが……彼の赤み掛かった茶髪をさらに紅く……煌めかせる。

「出てるか? 黒い煙……」

 楓は覗く。
 さらっと肩から蒼い髪が垂れる。葉霧の事をじっ。と、見つめる蒼い眼。

「いや。出てないよ。」

 葉霧は立ちあがる。

 台とタイルに隙間は無い。
 しっかりと設置されている。

 昼間……見た時はここから黒い煙があがっていた。
 
 その様子を見に来たのだ。

 葉霧は、割れた女神像の前にしゃがむ。石膏の破片が落ちている。

 
 用務員や職員も休暇中だ。合宿に来ている演劇部の顧問が、付添で登校してるだけ。


「なんだったんだろうな? その煙。」

 楓には視えなかった。


「さあ?」

 葉霧は首を傾げる。
 石膏の破片を置いた。

 特に何ら変わった様子は無い。

「戻ろう」

 葉霧は立ちあがる。

 不可思議な事が起きているのはわかるが……それが何なのかは、楓にも葉霧にもわからなかった。

 ✣

 ーー朝陽。

 それは穏やかでいて神々しい。
 一日の始まりを告げる光だ。

 そしてーーここも。

 すー………

 スー………

 とてつもなく穏やかな寝息をたてて眠っているのは、楓と葉霧。

 ここは各務学園高校の宿泊施設。
 その部屋だ。

 少しだけ開いたカーテン。
 そこから柔らかな日差しは覗く。

 ダブルベッド。
 その上で二人はくっつき……………。

 楓が葉霧にしがみつき、胸元に頬を擦り寄せ眠っている。

 葉霧は本を読みながら寝に入ったのか胸元には開いたままの本。手に持ちつつ爆睡。

 ヘッドライトは煌々とついて二人を照らしている。

 先に目を覚ましたのは葉霧だ。

「…………あれ?……いつの間に……」

 頭の上で照らすオレンジ色の光。
 それが目に入る。

 ふと視線を落とすと自分の胸元にしがみつき寝入る楓。スウェットの腰にまで腕を回し、抱きついて寝てる。

(え……? なに? この可愛いシチュ………)

 葉霧にしてみれば……はじめて見る光景だ。

 すやすやと胸元に頬をくっつけちょっとだらしない顔をしながらも、穏やかに眠る楓。

 しっかりと身体にしがみついていた。

 葉霧は本を頭の上に置くと……そっと。
 楓の頬に触れる。

(………俺にしがみついて寝てるとか可愛い過ぎだろ……)

 眠気も覚めた。

 もぞ……

 布団の中で楓の足が動く。

 どすっ!

「痛っ!」

 思わず声をあげた。

 左脚の脛だ。
 そこに楓の足が振り落とされたのだ。
 それはもう思いっきり。

 布団すらあがるほどの、高さから。

 バシッ!

 葉霧は楓の頭を引っ叩いた。
 思いっきり。

「ん? あ?」

 寝惚け眼は開く。
 その口すらも。

「退け。マジで。」

 葉霧の鋭い眼は楓に向けられた。

「ん~~~~」

 すりすりと目を閉じつつしがみつき頬をすりつける。

「退け。俺の理性があるうちに」


 可愛いシチュエーションも吹っ飛んだ………。

 その後、余りにも退かない楓の頭は三発ほど。引っ叩かれた。

 ✢


「そんな怒ることねぇだろ~~~。わざとじゃねぇんだからさ~~~」

 楓は床の上で胡座かいて座っている。
 頭を擦りながら。

 葉霧はソファーに座り左脚の脛にシップを貼っていた。青痣になってるのは言うまでもない。


「骨が折れるかと思った」

 葉霧はぴたっと貼り付ける。

「オレは頭が割れそうだ」
「割れればいい。どうせ死なない。」


 葉霧のブラックジョークは時に……ぐさっと楓に突き刺さる。その小さな胸に。

(……葉霧って………すげぇ……傷いこと言う………)

「それより……支度しろ。帰るよ。」
「ん? 帰んのか?」

 葉霧はソファーから立ちあがる。
 ナイトテーブルに置いてあるスマホを手にした。

「ああ。解決しただろ。」

 画面を見ていたが直ぐにデニムのポケットに突っ込んだ。既に着替えは二人とも済ませている。

 ふ~ん。

「葉霧……さっきの。スマホだっけ?オレも欲しい。」

 楓が葉霧を見上げると、

「必要ない」

 ぴしゃり。と、言い放った。

「え? なんで?? だって葉霧と離れてても会話できんだろ? 欲しい!」
「だから必要ない。」

(渡したら最後だ。いつでも掛けてくる。絶対に。)

 たまに……楓がスマホを持っていれば……と、考える事もある葉霧だが……。
 所構わずーー電話を掛けてきそうで……恐ろしくて渡せない。


「欲しい!」
「荷物を片せ。」

 便利なツールも楓に掛ればいい迷惑に、なりそうだ。


 ✢


 ーー各務学園高校から全員で帰宅する。
 その帰り道である。


「じゃ。またなー」
「楓ちゃん。今度、遊び行こうね。」

 灯馬たちとは街に降りて来るとお別れだ。
 水月と一緒に駅に向かう。

「またな。」
「楓~またねー。」

 夕羅と秋人はバス停に向かう。

 こうして一泊二日に予定変更となった学園での宿泊も終わったのだ。

 すっかり……楓も打ち解けた。

「いいヤツらだな。オレ……鬼なのに。」
「気にしないんだ。アイツらは。」

 葉霧と楓は街中を歩く。
 寺にご帰還だ。

 GWもやっと始まったのか……街中は観光客や家族連れなど……いつもの人の波とは異なる。

 楓は横断歩道で信号待ちをしながら
【カフェ・モンドール】に視線を向けた。

 営業してないのか真っ暗な店内が見えた。

 規制線は張られていないが何処と無く重苦しい佇まい。

「あの店だったな。ネットで見たよ。」

 葉霧は信号が変わった横断歩道を、歩きながらお店に視線を向けていた。

「ああ。」
「いきなり刃物を持って入って来たそうだ。」

 自然とーーであった。
 二人はお店の方に足を向けていた。

 楓は来たがーー葉霧は話だけしか聞いていない。

 店内は通リの角にあった。
 その隣はパチンコ屋だ。

 人通りの多いこの通リ。
 今も店の前を行き交う人達は多い。

【お客様各位
 暫く営業を見合わせます。
 ご迷惑をお掛けして申し訳御座いません。

 店主】

 貼り紙がガラスのドアの所に貼り付けてあった。真っ暗な店内はブラインドが降ろされているから覗けない。

 ただ、暗いのはわかる。
 やけに不気味に感じる。

「店の中にも人はいたんだ。いっぱい。」
「白昼堂々と……か。」

 葉霧と楓は店の前から離れる。


 ✣

【蒼月寺】

「ただいま~」

 玄関にあがり声を出したのは楓だ。

 ふぅ………

 一日しか離れていないのに葉霧は何だかホッとしていた。

 とても内容の濃い一日であったからだ。

「あら。お帰り」

 出迎えたのは【女神の様な微笑み】を浮かべる優梨。

 この優しい微笑みを見るだけで癒やされる。柔らかなブラウン系の髪を横に垂らし、シュシュで纏めている。

 優しげな黒い瞳が、出迎えた。

「大丈夫? 大変だったわね。」

 優梨は玄関から上がった葉霧に声を掛けた。心配そうな顔をしている。


「ああ。大丈夫だ。」

 葉霧は微笑む。

 どたどた……

 足音響かせて和室に走ってく楓。


「楓! 洗濯物。」

 ぴたっ。

 葉霧の声に楓は立ち止まる。
 バッグ持って戻ってくる。

「あ。そっか。」
「ついでに俺のも。」
「えっ!? なにそれ!」

 葉霧は楓にバッグを渡した。
 楓は驚いている。

「鎮音さんに話があるんだ。」

 葉霧は和室に向かった。

「なんだよ~~~。オレにやらせたかっただけかよ!」

 唇尖らせる楓。
 優梨はくすくすと笑う。

(賑やかね~……昨日は静かだったわ。ホント。)

 たった一日だけ。楓と葉霧がいないだけ。この家はとても静かな日を過ごしたのだ。

 葉霧が和室に入ると鎮音は座っていた。

「お帰り」

 老眼鏡を掛けて本を読んでいた。
 その顔をあげた。

「ただいま。」

 葉霧はいつもの自分の席に座る。自分の席と言う訳では無いが……何となく落ち着いた定位置がある。

 鎮音の斜め前。
 そこが葉霧の定位置だ。
 座布団もちゃんと用意してある。

「鎮音さん。憑き神が出た後に……また違う者が現れた。心当たりは?」

 葉霧は座るや否や話を始めた。
 鎮音は老眼鏡を外す。

「来栖警部から話は聞いとるよ。それに今日も朝からその報道で……持ち切りだ。」

 テーブルに老眼鏡と本を置く。
 鎮音は着物の袖に腕を通す。

「学園でも……教師が同じ様に豹変した。」
「あの後か?」

 鎮音は目を丸くした。

「ええ。楓が言うには……黒い影の様な火の玉が空に飛んで行ったらしい。その後に……新宿のカフェで事件が起きた。そう言っていた。」

 葉霧は鎮音を見据えていた。

「その事件の犯人の様子は詳しく報道はされとらん。ただ……人とは思えない異常者と、伝えられている。」

 鎮音は葉霧を見ていたが……その足音に廊下に視線を向けた。

 楓がバッグ二つ持って入ってきたのだ。

「ばーさん! ありがとな。助けてくれて。」
「お帰り。身体はどうだ?」

 楓はバッグをテーブルの脇に置いた。

 鎮音はーー楓の顔を見て安堵した様な顔をしていた。

「オレか? 全然へーき。杉本も良くなったぞ。」

 楓はけらけらと笑いながら葉霧の隣に座る。
 ここがーー楓の定位置だ。
 葉霧の左隣。

「そうか。楓。早速だがーー葉霧と一緒に、行って欲しい場所がある。」

 鎮音は葉霧と楓を交互に見つめた。

「ん? どこだ?」

 楓は聞き返した。

「商店街にある【小料理屋  忍】。そこの女将に会え。この街に古くからいるーーあやかしだ。」

 鎮音は二人を強く見つめるとそう言ったのだ。

「小料理屋………」
(知らなかったな……。そんな店……)

 葉霧は呟いた。

「彼女なら何か知っておるかもしれん。」

 鎮音はそう言ったのだ。

 楓と葉霧は顔を見合わせた。


「あら。出掛けるの?」

 優梨は洗濯かごを持って玄関に通りかかる。
 楓と葉霧が玄関に降りているのを見ると立ち止まった。

「ああ。商店街だ。」

 楓はスニーカーを履きながら優梨に視線を向けた。

「商店街行くの? 買い物して来てくれない? 今日……卵安いの。それから……キャベツと豚と牛の挽き肉。」

 優梨の顔は一気に明るくなった。

「ああ。いいよ。」

 葉霧が頷くと優梨はエプロンのポケットから、紐のついた蝦蟇口を取り出した。

「はい。楓ちゃん。お金は入ってるから。いい? 焼き鳥は盛り合わせ一パックだけよ?  コロッケは三コまで。それから……」

 優梨がそう言いだすと遮ったのは葉霧だ。

「何なんだ? その蝦蟇口。」
「オレの財布だ。お小遣い入ってんだ。」

 真っ赤な蝦蟇口だ。外側は毛糸で編んだ袋で包んである。楓は首からぶら下げた。

 これで楓の胸元は蒼い勾玉と赤い蝦蟇口になった。

「葉霧くん。楓ちゃんの買い食い。ちゃんとセーブしてね? 食べ過ぎるとお腹壊すから。」
「壊すのか?」

(鬼も?)

 葉霧は目を丸くした。

「もう大変よ。一時間出て来ないの。トイレから。」
「お前………ガキか?」

 葉霧は頭を押さえた。

「だって! みんなウマそうなんだ!大体制覇したんだ。商店街エリアは。」

 楓は得意気だ。




 















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