幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜
勇者と魔王の本気〜3〜
リュクスとピーカックが向かい合い十数秒。二人は動かない。フォレスたちは二人の攻防の余波を受けない、ちょっと遠くに避難した。フォレスは魔力の防壁を張って気軽に観戦できるようにした。
「ここら辺りだったら大丈夫かな」
「それより、なんで私の腕が切り飛ばされる前に助けてくれなかったの?!」
「え、あれぐらいどうにかしないと、これから生き残れないかって思って……」
「ん~! そんなの言い返せないじゃん!!」
「ちょ、痛い、痛い」
カリーナは、フォレスのことをポカポカ殴ってる。見た目は痛そうじゃないが、曲がりなりにも勇者のポカポカだ。普通に痛い。
「ほら、それよりもそろそろ始まるよ。二人とも見てなよ。これが、この世界の頂点と頂点の戦いだよ」
二人が、リュクスとピーカックの方に向き直った直後。リュクスたちは動き出した。
リュクスは槍を突き刺し、ピーカックは剣で槍の先をひねるように動かし槍を落とし、そのまま槍に沿って切り上げた。リュクスは槍を下に落とされ体が前屈みになっていた。後ろに避けることは出来ない。だから、そのまま前に倒れこんだ。ピーカックの剣は倒れこんだリュクスの髪の毛をかすって宙を切った。リュクスはそのまま前転でピーカックの後ろに回り込んだ。
「初めてだよ。俺の突きをあんな風に返されたのは……」
「あんなのできて当たり前だぞ。まさか、おまえもあいつと同じ強さじゃないよな?」
「はっ! 俺をあんな雑魚勇者と一緒にするなよ」
「はぁ~?? ちょっと聞きました? あいつ私のこと雑魚ですって……。後で絞めてやる」
そして、始まった戦いは先ほどの戦いでピーカックが手を抜いていたのでは? と思わせるほどだった。
膝を付いている状況から立ち上がり際に槍を逆手に持ち替え、ピーカックに背中を向けながら槍を突き刺した。お互いに背中合わせだったこともあり、リュクスの攻撃はピーカックには見えていない。けれど、ピーカックはその攻撃をひらりとかわし、リュクスの顔面を回し蹴りで蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた場所にクッション的な山は立っておらず、そのまま飛んでいく。しかし、飛んでいくベクトルがいきなり変わった。ピーカックが回り込んで上に蹴り上げたのだ。空高く蹴り上げられたリュクスはピーカックのかかと落としが顔面に直撃し、背中から地面に落ちた。
「ひっ!」
それを見たノルメから小さく悲鳴が聞こえた。
「もしきついなら、少し目、瞑っててもいいよ」
「う、ううん。頑張る」
背中から落ちたリュクスはむくりと起き上がった。それの少し遠くにピーカックは着地した。
「なかなかの攻撃だった。けど、俺に傷をつけるまではいかなかったな」
「ハハッ、いいねいいね。そう来なくっちゃ楽しめないよな」
「悪いな。お前に楽しませる余裕はもうないぞ」
「!!!!」
いつの間にかピーカックの真横に移動していたリュクスはピーカックの頭を掴んで膝蹴りを喰らわせた。一瞬だけピーカックの意識はそこで途切れ、次の瞬間には全身に黒い魔力が鎖のように巻き付き全く動けないようにされていた。
「久しぶりに本気出したけど、楽しかったよ」
「くそ、もっとやりたかった」
「俺もだ」
「何言ってる。お前なら、あいつといつでも本気で戦えるだろ?」
「やめろ。フォレスは俺が敵う相手じゃない」
「嘘だろ? この俺様を気絶までさせたお前が敵わない? まさか、俺様が想像してたよりもあいつ強いのか?」
「戦ってみるか?」
「いいのか?」
「ちょっと、待ってろ」
二人の動きが止まったなと思ってみていると、リュクスがこっちに跳んできた。
「どうしたの?」
「あいつ。フォレスと本気で戦いたいんだって。ちょっと戦ってくれない?」
「え、俺あんまり戦いたくないんだけど」
「そこを何とか!!」
ここまで食い下がるリュクスは初めて見たけど、戦うのがそこまで好きじゃない俺は今まで見たことのない嫌な顔をしていただろう。
「頼む!!」
今まで赤子からずっと一緒に過ごしてきた訳だが、頭を下げたリュクスを見たのは初めてだった。
「わ、分かったよ」
「助かる」
そう言い残して、リュクスはピーカックの元に戻っていった。
「なになに? フォレス戦うの?」
「……うん」
「凄い嫌そう」
「お兄ちゃんの戦い。興味あります」
「ノルメも? はぁ、しょうがない、やるか」
数分後。俺とピーカックは向かい合った。
「悪いな。魔王がお前には敵わないって言うもんでな、その強さちょっと見たくなったんだ」
「あまり、期待しないでほしいんだけど。どっちかというと、二人の暴走を止めるための力しか持ってないんだ」
「は、魔王と勇者二人を同時に止めるなんて、やっぱりお前凄い強いんだな。行くぞ」
ピーカックが剣を握り締め、俺に向かってくる。俺はそれを動かずに見続ける。そして、俺に当たる直前にその剣を掴んだ。
「っ!?!?」
「そろそろ、帰りたいんだ。お祭りも楽しみたいし。だから、ごめんね」
そして、魔力を拳に集めて殴った。初めてやったその攻撃に地面は半径十メートルのクレーターが出来上がった。
「力加減考えないと……」
それから、五分後。気絶から起きたピーカックは開口一番
「俺を、仲間にしてくれ。いや、弟子にしてくれ!!!」
そう言ってきた。だから……もう一発ぶんなぐっておいた。
「ここら辺りだったら大丈夫かな」
「それより、なんで私の腕が切り飛ばされる前に助けてくれなかったの?!」
「え、あれぐらいどうにかしないと、これから生き残れないかって思って……」
「ん~! そんなの言い返せないじゃん!!」
「ちょ、痛い、痛い」
カリーナは、フォレスのことをポカポカ殴ってる。見た目は痛そうじゃないが、曲がりなりにも勇者のポカポカだ。普通に痛い。
「ほら、それよりもそろそろ始まるよ。二人とも見てなよ。これが、この世界の頂点と頂点の戦いだよ」
二人が、リュクスとピーカックの方に向き直った直後。リュクスたちは動き出した。
リュクスは槍を突き刺し、ピーカックは剣で槍の先をひねるように動かし槍を落とし、そのまま槍に沿って切り上げた。リュクスは槍を下に落とされ体が前屈みになっていた。後ろに避けることは出来ない。だから、そのまま前に倒れこんだ。ピーカックの剣は倒れこんだリュクスの髪の毛をかすって宙を切った。リュクスはそのまま前転でピーカックの後ろに回り込んだ。
「初めてだよ。俺の突きをあんな風に返されたのは……」
「あんなのできて当たり前だぞ。まさか、おまえもあいつと同じ強さじゃないよな?」
「はっ! 俺をあんな雑魚勇者と一緒にするなよ」
「はぁ~?? ちょっと聞きました? あいつ私のこと雑魚ですって……。後で絞めてやる」
そして、始まった戦いは先ほどの戦いでピーカックが手を抜いていたのでは? と思わせるほどだった。
膝を付いている状況から立ち上がり際に槍を逆手に持ち替え、ピーカックに背中を向けながら槍を突き刺した。お互いに背中合わせだったこともあり、リュクスの攻撃はピーカックには見えていない。けれど、ピーカックはその攻撃をひらりとかわし、リュクスの顔面を回し蹴りで蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた場所にクッション的な山は立っておらず、そのまま飛んでいく。しかし、飛んでいくベクトルがいきなり変わった。ピーカックが回り込んで上に蹴り上げたのだ。空高く蹴り上げられたリュクスはピーカックのかかと落としが顔面に直撃し、背中から地面に落ちた。
「ひっ!」
それを見たノルメから小さく悲鳴が聞こえた。
「もしきついなら、少し目、瞑っててもいいよ」
「う、ううん。頑張る」
背中から落ちたリュクスはむくりと起き上がった。それの少し遠くにピーカックは着地した。
「なかなかの攻撃だった。けど、俺に傷をつけるまではいかなかったな」
「ハハッ、いいねいいね。そう来なくっちゃ楽しめないよな」
「悪いな。お前に楽しませる余裕はもうないぞ」
「!!!!」
いつの間にかピーカックの真横に移動していたリュクスはピーカックの頭を掴んで膝蹴りを喰らわせた。一瞬だけピーカックの意識はそこで途切れ、次の瞬間には全身に黒い魔力が鎖のように巻き付き全く動けないようにされていた。
「久しぶりに本気出したけど、楽しかったよ」
「くそ、もっとやりたかった」
「俺もだ」
「何言ってる。お前なら、あいつといつでも本気で戦えるだろ?」
「やめろ。フォレスは俺が敵う相手じゃない」
「嘘だろ? この俺様を気絶までさせたお前が敵わない? まさか、俺様が想像してたよりもあいつ強いのか?」
「戦ってみるか?」
「いいのか?」
「ちょっと、待ってろ」
二人の動きが止まったなと思ってみていると、リュクスがこっちに跳んできた。
「どうしたの?」
「あいつ。フォレスと本気で戦いたいんだって。ちょっと戦ってくれない?」
「え、俺あんまり戦いたくないんだけど」
「そこを何とか!!」
ここまで食い下がるリュクスは初めて見たけど、戦うのがそこまで好きじゃない俺は今まで見たことのない嫌な顔をしていただろう。
「頼む!!」
今まで赤子からずっと一緒に過ごしてきた訳だが、頭を下げたリュクスを見たのは初めてだった。
「わ、分かったよ」
「助かる」
そう言い残して、リュクスはピーカックの元に戻っていった。
「なになに? フォレス戦うの?」
「……うん」
「凄い嫌そう」
「お兄ちゃんの戦い。興味あります」
「ノルメも? はぁ、しょうがない、やるか」
数分後。俺とピーカックは向かい合った。
「悪いな。魔王がお前には敵わないって言うもんでな、その強さちょっと見たくなったんだ」
「あまり、期待しないでほしいんだけど。どっちかというと、二人の暴走を止めるための力しか持ってないんだ」
「は、魔王と勇者二人を同時に止めるなんて、やっぱりお前凄い強いんだな。行くぞ」
ピーカックが剣を握り締め、俺に向かってくる。俺はそれを動かずに見続ける。そして、俺に当たる直前にその剣を掴んだ。
「っ!?!?」
「そろそろ、帰りたいんだ。お祭りも楽しみたいし。だから、ごめんね」
そして、魔力を拳に集めて殴った。初めてやったその攻撃に地面は半径十メートルのクレーターが出来上がった。
「力加減考えないと……」
それから、五分後。気絶から起きたピーカックは開口一番
「俺を、仲間にしてくれ。いや、弟子にしてくれ!!!」
そう言ってきた。だから……もう一発ぶんなぐっておいた。
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