邪神の力の一部で不死になったんだが!?
実力を見よう
お待たせしてすみません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「「っ!?」」
私たちはその雄叫びが聞こえたと同時に、素早くその場から飛び退きました。
私たちが飛び退いた数舜の後、私たちが立っていた場所には幹の半ばからへし折れて木が叩きつけられました。
木が叩きつけられた衝撃で砂埃が舞い襲撃者の姿を覆い隠します。
「何ですかっ!?今のはっ!」
「分かりませんっ!ですが、一瞬、硬質そうな皮膚が見えました。」
私もロシエル同様一瞬だけ、岩のような硬質なもので覆われた腕が見えました。
その腕が、へし折れた木を頭上から私たちに向かって叩きつけたことは分かりました。
(でも、油断していたとはいえ、私たちに察知されずにここまで近づいたんですか!?)
私は常に一定の範囲内を魔力感知で探りながら、川を下っていました。もし特殊技能を使って近づいたのでは無いとしたら、少し危険です。
私が腰に下げたジーヴィルを抜こうとすると・・・
「シア様、ここは私にお任せください。」
「大丈夫ですか?アレは私の魔力感知を掻い潜ってきました。それなりに強敵と思われますよ。」
「はい、承知しております。問題ないでしょう。ちょうどよく私の実力を披露できますし、体慣らしにもちょうどいいですから。」
私は心配してロシエルに聞きましたが、視線だけで彼女の表情を伺いましたが、どうやら本当に問題ないようです。
「分かりました。ここは貴女にお願いしましょう。」
「ありがとう御座います。」
ロシエルは私の許可が下りると同時に体に魔力を巡らせるのが見えました。いつでも魔法が発動できる状態のようです。
そのようなやり取りをしている内にも砂埃は晴れ、襲撃者の姿をしっかり確認することができました。
「あれは・・?!」
砂埃が晴れた場所に佇んでいたのは、全身を岩のような皮膚で覆った、身の丈三メートルはある大きな熊でした。
「あれは恐らくグランドベアです。全身を硬質な岩で覆い岩石地帯で岩に擬態し、獲物が通りかかるのを待って狩をする魔物です。ランクは確かBだった筈です。」
「ランクBですか?それにしては、ランクに似合わない素早さと力を持っているみたいですが・・」
ランクBといえば転生した次の日に倒した、あのクレイジーハイボアと同じランクのはずです。しかし、先ほどの攻撃からは、クレイジーハイボア以上の攻撃力があったように思われます。
(どう言う事でしょうか・・・?まさかロシエルが嘘を言うことはないでしょう。)
私はそう考えながらも、警戒は前方の熊に向けたまま視線をロシエルへ向けます。
「シア様もお気づきかと思いますが、このグランドベア・・普通の個体ではありませんね。恐らく異常種と思われます。」
「異常種?」
異常種と言うと、何らかの要因で特異な力を持つ個体という事ですか。
目の前の異常な力を持つ魔物について考えていると、今まで不意打ちの攻撃を避けた私たちを警戒してなのか、こちらを注視してずっと動かないままだったグランドベアが動きを見せました。
「・・っ!・・ッフ!」
『グウォォオオーーーッ!』
グランドベアは持っていた木をこちらに投げつけてきました。
私は飛んでくる木を避けようと、飛んでくる射線上から離脱しようとしましたが、ロシエルが手で私を静止させ、私を庇うように私の前の射線上に割り込んできました。
「ロシエル?」
私はどう言うことかとロシエルに聞くと彼女は・・
「シア様はそのまま、そこに居て下さい。私がお守りいたします。」
彼女がそう言うと、手に魔力を集め、両手を前方にかざし、魔法を発動します。
「・・・『マジックシールド』」
それは囁くように呟かれました。
ロシエルが魔法を発動すると、彼女がかざした両手から高濃度に圧縮された膜のような魔力が、彼女の前面を覆うように現れました。
直後「ベキッッ!」と言う音と共に投げつけられた木がロシエルの魔法に衝突し、魔法に接触したところから木がへし折れました。
グランドベアは私たちが避けずに木を受け止めたことが予想外なのか、一瞬動きが止まりました。
「では、今度はこちらから行かせてもらいます。」
ロシエルがそう宣言すると、彼女は魔法を解除し一歩を踏み出したと思えば、いつのまにか彼女は熊の目の前に立っていました。
「・・・・・ッ!?」
グランドベアはロシエルが一瞬で私の元から自分の目の前に現れたことに驚きます。
かく言う私も、目の前に居たロシエルの動きを目で捉えることができませんでした。
しかし、それでもやはりグランドベアは高ランクの魔物だけはあり、すぐに気を取り直し、ロシエルに向かって腕を横薙ぎに振るう攻撃をします。
その攻撃は私の目から見てもとても速く、油断すれば避けることができずに、まともに食らってしまいそうな程です。
「この体での戦闘は初めてです。折角なので魔法攻撃はなしで、純粋な身体能力でお相手いたします。」
ロシエルは横薙ぎに振るわれた腕を宙返りの要領で後方に跳躍し躱しました。
『グガァ!?』
グランドベアはまさかあの距離からあの速さで振るった自分の攻撃が躱されるとは思わなかったのか、驚愕の声を上げます。
ロシエルは着地すると同時に、再びグランドベアに接近し、その勢いのまま反応できていないグランドベアの無防備なお腹を、拳で直接殴りつけました。
『ガァウッ!?』
ロシエルのパンチをまともに喰らったグランドベアは悲痛な悲鳴を上げ、砲弾のような速さで後方へと吹っ飛ばされました。
「やはり、この身体は素晴らしいですね。あれ程の一撃を放っても全く負荷がありません。」
ロシエルは殴り飛ばしたグランドベアには目もくれず、殴りつけた方の手を見つめ、状態を確認するように手を開いたり閉じたりしています。
流石の私も今のロシエルの攻撃には驚きました。まさか素手であの巨体の熊を殴り飛ばすとは、想像もしていませんでした。
「さて、確認もできましたので・・次、行きますよ。」
そう言ってロシエルは再び拳を握り、グランドベアに向かって不適に笑って見せました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みくださりありがとうございます。誤字・脱字やアドバイスなどのご意見があればコメントしてください。
次回もよろしくお願いします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「「っ!?」」
私たちはその雄叫びが聞こえたと同時に、素早くその場から飛び退きました。
私たちが飛び退いた数舜の後、私たちが立っていた場所には幹の半ばからへし折れて木が叩きつけられました。
木が叩きつけられた衝撃で砂埃が舞い襲撃者の姿を覆い隠します。
「何ですかっ!?今のはっ!」
「分かりませんっ!ですが、一瞬、硬質そうな皮膚が見えました。」
私もロシエル同様一瞬だけ、岩のような硬質なもので覆われた腕が見えました。
その腕が、へし折れた木を頭上から私たちに向かって叩きつけたことは分かりました。
(でも、油断していたとはいえ、私たちに察知されずにここまで近づいたんですか!?)
私は常に一定の範囲内を魔力感知で探りながら、川を下っていました。もし特殊技能を使って近づいたのでは無いとしたら、少し危険です。
私が腰に下げたジーヴィルを抜こうとすると・・・
「シア様、ここは私にお任せください。」
「大丈夫ですか?アレは私の魔力感知を掻い潜ってきました。それなりに強敵と思われますよ。」
「はい、承知しております。問題ないでしょう。ちょうどよく私の実力を披露できますし、体慣らしにもちょうどいいですから。」
私は心配してロシエルに聞きましたが、視線だけで彼女の表情を伺いましたが、どうやら本当に問題ないようです。
「分かりました。ここは貴女にお願いしましょう。」
「ありがとう御座います。」
ロシエルは私の許可が下りると同時に体に魔力を巡らせるのが見えました。いつでも魔法が発動できる状態のようです。
そのようなやり取りをしている内にも砂埃は晴れ、襲撃者の姿をしっかり確認することができました。
「あれは・・?!」
砂埃が晴れた場所に佇んでいたのは、全身を岩のような皮膚で覆った、身の丈三メートルはある大きな熊でした。
「あれは恐らくグランドベアです。全身を硬質な岩で覆い岩石地帯で岩に擬態し、獲物が通りかかるのを待って狩をする魔物です。ランクは確かBだった筈です。」
「ランクBですか?それにしては、ランクに似合わない素早さと力を持っているみたいですが・・」
ランクBといえば転生した次の日に倒した、あのクレイジーハイボアと同じランクのはずです。しかし、先ほどの攻撃からは、クレイジーハイボア以上の攻撃力があったように思われます。
(どう言う事でしょうか・・・?まさかロシエルが嘘を言うことはないでしょう。)
私はそう考えながらも、警戒は前方の熊に向けたまま視線をロシエルへ向けます。
「シア様もお気づきかと思いますが、このグランドベア・・普通の個体ではありませんね。恐らく異常種と思われます。」
「異常種?」
異常種と言うと、何らかの要因で特異な力を持つ個体という事ですか。
目の前の異常な力を持つ魔物について考えていると、今まで不意打ちの攻撃を避けた私たちを警戒してなのか、こちらを注視してずっと動かないままだったグランドベアが動きを見せました。
「・・っ!・・ッフ!」
『グウォォオオーーーッ!』
グランドベアは持っていた木をこちらに投げつけてきました。
私は飛んでくる木を避けようと、飛んでくる射線上から離脱しようとしましたが、ロシエルが手で私を静止させ、私を庇うように私の前の射線上に割り込んできました。
「ロシエル?」
私はどう言うことかとロシエルに聞くと彼女は・・
「シア様はそのまま、そこに居て下さい。私がお守りいたします。」
彼女がそう言うと、手に魔力を集め、両手を前方にかざし、魔法を発動します。
「・・・『マジックシールド』」
それは囁くように呟かれました。
ロシエルが魔法を発動すると、彼女がかざした両手から高濃度に圧縮された膜のような魔力が、彼女の前面を覆うように現れました。
直後「ベキッッ!」と言う音と共に投げつけられた木がロシエルの魔法に衝突し、魔法に接触したところから木がへし折れました。
グランドベアは私たちが避けずに木を受け止めたことが予想外なのか、一瞬動きが止まりました。
「では、今度はこちらから行かせてもらいます。」
ロシエルがそう宣言すると、彼女は魔法を解除し一歩を踏み出したと思えば、いつのまにか彼女は熊の目の前に立っていました。
「・・・・・ッ!?」
グランドベアはロシエルが一瞬で私の元から自分の目の前に現れたことに驚きます。
かく言う私も、目の前に居たロシエルの動きを目で捉えることができませんでした。
しかし、それでもやはりグランドベアは高ランクの魔物だけはあり、すぐに気を取り直し、ロシエルに向かって腕を横薙ぎに振るう攻撃をします。
その攻撃は私の目から見てもとても速く、油断すれば避けることができずに、まともに食らってしまいそうな程です。
「この体での戦闘は初めてです。折角なので魔法攻撃はなしで、純粋な身体能力でお相手いたします。」
ロシエルは横薙ぎに振るわれた腕を宙返りの要領で後方に跳躍し躱しました。
『グガァ!?』
グランドベアはまさかあの距離からあの速さで振るった自分の攻撃が躱されるとは思わなかったのか、驚愕の声を上げます。
ロシエルは着地すると同時に、再びグランドベアに接近し、その勢いのまま反応できていないグランドベアの無防備なお腹を、拳で直接殴りつけました。
『ガァウッ!?』
ロシエルのパンチをまともに喰らったグランドベアは悲痛な悲鳴を上げ、砲弾のような速さで後方へと吹っ飛ばされました。
「やはり、この身体は素晴らしいですね。あれ程の一撃を放っても全く負荷がありません。」
ロシエルは殴り飛ばしたグランドベアには目もくれず、殴りつけた方の手を見つめ、状態を確認するように手を開いたり閉じたりしています。
流石の私も今のロシエルの攻撃には驚きました。まさか素手であの巨体の熊を殴り飛ばすとは、想像もしていませんでした。
「さて、確認もできましたので・・次、行きますよ。」
そう言ってロシエルは再び拳を握り、グランドベアに向かって不適に笑って見せました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みくださりありがとうございます。誤字・脱字やアドバイスなどのご意見があればコメントしてください。
次回もよろしくお願いします。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
93
-
-
4
-
-
70810
-
-
93
-
-
140
-
-
0
-
-
1978
-
-
353
-
-
124
コメント