邪神の力の一部で不死になったんだが!?
探索を続けよう
今回も遅れてすみません。話もいつもより短めです。
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私は手に持つ血晶玉を口に含みました。すると先ほどよりも強い高揚感が全身を包み体から力が漲ってきました。
「はぁああぁ〜・・・いいですね、とても美味しいです。」
私は血晶玉を一つ食べただけで、この味に病みつきになってしまいそうです。
「これは積極的に血晶玉を作って食べていきたいですね。」
(それにもしかしたら他の魔物を素材としたらまた違った味が楽しめるかもしれません。)
私はそんなことを考えながら、次に何をするべきか周囲を見渡します。
私の目の前には死体となり果てたクレイジーハイボアが倒れています。
「このクレイジーハイボアはどうしましょうか?先程の血晶玉から考えるに、本体のお肉の方も十分に期待できると思うのですが・・・」
クレイジーハイボアは高さ三メートル全長五メートルの巨体を誇ります。ですのでこの死体からは私一人であれば一ヶ月は持つであろうことは、想像できます。しかしそのためには先ずこの死体の保存方法と、輸送方法を考えないといけません。
保存方法に関しては、私の魔法で凍らせておけばいくらか持つでしょう。
私はクレイジーハイボアの死体にに近づくと、手で皮を触り死体が傷つかない限界まで凍るようにイメージして魔法を発動させました。
感覚的に私の魔法なら繊維の一本一本まで完全に凍結させることができると思いますが、そこまでするともしかしたら何かの衝撃で粉々になってしまうかもしれないのでそこまではしませんでした。そもそも私はまだそこまで精密な魔力操作をすることができないので、そこまでなるとは思いませんが。
「・・・次は輸送方法ですね。」
小さい物であれば、この腰のマジックポーチに入れて持ち運ぶことが可能ですが、生憎とこの中に入れることができるのは、ある程度このポーチの口に入る大きさでないと収納することはできません。
「さて・・どうしましょうか・・・」
何かいい方法は無いかと考えていると、あるスキルが頭の片隅から浮かび上がってきました。
「そういえば私、種族系のスキルにブラッドボックスなんて言う名前のスキルがありましたね。」
転生する前の自分のステータスを決める際に、アストルティア様からおすすめとして項目に入れてくださっていたスキルを思い出します。
大体の場合異世界転生では『アイテムボックス』なんて言う便利なスキルを神様から贈られることがよくあるのではないかと思います。もしかしたらブラッドボックスがその代わりなんじゃ無いかと思い、ステータスを表示して鑑定でブラッドボックスヲ調べてみることにしました。
ーーーーーーーーーーー
〈ブラッドボックス〉•••《吸血種》の固有スキルで自らの血の中に物を収納することができるスキルである。原理は〈アイテムボックス〉のスキルと類似しており、亜空間に物を収納する。亜空間の大きさはスキルレベルと使用者の血と魔力に比例する。
Skill: ActiveSkill〔アクティブスキル〕
Class: Race〔種族系〕
Breadth:5.5×5.5×5.5〔m^3〕
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「・・・なるほど、意外と大きいですね。」
アイテムボックスに似ているスキルなのでアストルティア様はこちらを私に勧めたのでしょう。
恐らく《吸血種》の血には大量の魔力が含まれているため、それを媒体に亜空間を作り、その中に物を収納すると言う仕組みなのだと思います。
「早速使ってみましょうか。」
私はクレイジーハイボアの死体に手を触れ、ブラッドボックスのスキルを発動させました。
すると、突然私の手から血が吹き出し、瞬く間にクレイジーハイボアの死体を飲み込んで行きました。
スキルを発動した瞬間、手から大量の血が吹き出した時は驚きましたが、痛みが全く無いことに気がつくとホッとしました。
死体を完全に飲み込み終わると、血が叙々に私の手に吸われていくのを感じ、先程のと同様瞬く間に私の血で覆われた巨体が小さくなり、最後にはもともとそこには何も無かったかのように、綺麗さっぱり消えてしまいました。
「これは驚きですね。スキルを発動したときに、急に私の手から血が吹き出しことにも驚きましたが、まさかあれ程の巨大なクレイジーハイボアを本当に収納することができるなんて、本当にビックリです。」
死体を収納し終わると私は周囲を見渡しました。辺りにはクレイジーハイボアによってなぎ倒された木々が目立っており、森自体には静けさが戻ってきていました。
「さてと・・・・完全に迷いましたね。ここがどこなのか全く判りませんね。」
先程クレイジーハイボアを倒すため、背にジーヴィルを突き立て、暴れるクレイジーハイボアを背に乗りながら耐えていたのでここがどの辺りなのか判りません。
一様クレイジーハイボアがなぎ倒した、倒れた木々を逆に辿っていけば元いた場所に戻れると思いますが、何ぶんクレイジーハイボアはガムシャラに走っていたので、色々なところで木々が倒れ、正確な道が判らなくなってしまっています。
「どうしましょうか?適当に歩いたところで余計に迷ってしまうでしょうし、困りましたね。」
こう言う時はどこか高い場所から周囲を見渡すことができれば、今自分がいる場所を把握できると思いますが、周囲を見た限り高い場所は見当たりません。木々もそれほど高いようには見えないので、手詰まりです。
「うぅ〜ん・・・そうですっ!高い場所がないのなら、自分で作っちゃいましょう!」
こういう時は探すのではなく、作ってしまう方が楽でしょう。私には水氷魔法があるので、魔法で高い足場を作ってそこから見渡せば、簡単に見つけられると思います。
「思いついたら即実行です。ダメだった時は、またその時考えましょう。」
私は自分が今立っている場所から氷の足場が形成させ、叙々に上へ迫り上がるようイメージで魔法を発動させます。
すると、私の足元から半透明な氷が出来上がり、私の体を木々の上へと運んでくれます。もちろん足を滑らせて落ちないように足元は氷で覆って固定させます。
数秒もしないうちに私の体は背の高い木々を超え、さらに高い場所まで持ち上げてくれます。
高さが大体50メートルほどになったところで魔法を止めます。
周囲を見回してみると、“辺り一面が緑色”というわけでもなく、所々前世では見られなかった、色の木も点在していました。こういう所でも異世界だと感じさせるもののがあります。
ここから見える景色はとても綺麗で、ずっと見ていた気持ちにさせられます。見通しもいいので、遠くの方もよく見ることができます。
正面を見ると、森がずっと続いていますが、途中から森が無くなり草原らしきものが見えます。左右には地平線まで森が続いていて、所々に小さな丘や川などが見えます。そして後ろにはあの凍てつく山脈が見えます。
「改めて見ると、とても綺麗に見えますね。」
凍てつく山脈は小降りな雪が降っており、日の光に反射してキラキラ輝いてとても幻想的に見えます。
そして右斜後方にポッカリと広い範囲で開けているところが見えます。その中にここからでも分かるぐらい大きな建物も立っています。
「見つけました!あそこですね。」
ここからだと家までは直線距離で1キロほどです。
「なるほど、かなりの距離を運ばれてしまったようですね。距離的には近いのでまだまだ探索を続けましょうか。」
日の高さから考えると正確には判りませんが、正午前ぐらいだと思われます。
「では、あちらに見える川に行ってみましょうか。」
ここから左方向にある家から程近いところを流れている川は、見る限り凍てつく山脈の方から流れているようです。
「さぁ、行きましょうか。」
足場として作った氷の柱を叙々に水へと変えて降りていきます。
数分ぶりに地面に足を着き周囲を確認します。特に何かがいるということでもないので、先程の見た川の方へと歩き出します。
〜数分後〜
しばらく歩いていくと、水が流れるせせらぎが聞こえ始め、そして遂に木々の中から出るとそこには透明で綺麗な水が流れていきます。川の周囲には草花が咲き、長閑な雰囲気を醸し出しています。
川に近づき水に触れてみると、最初は凍ってしまいそうなほど冷たく感じ、すぐにまた冷たさを感じなくなっていきました。
「気持ちいいですね。ここは日差しもよく当たり、花の匂いが心を穏やかにしてくれます。」
そよ風に運ばれてくる花の匂いを堪能しながらのんびり川を眺めていると、上流の方からキラキラと光る何かが流れてきました。
「何でしょうか?」
私は川のギリギリ端まで寄って、流れてくる物体に注視すると、どうやらそれは何か雫のような形をした結晶でした。
私はそれが気になって足が濡れるのに構わず、川の中に入っていきその結晶を掬い上げ調べてみます。
「これは一体何でしょうか?結晶の様に見えますが、これは・・氷でできてますね。」
私はそれを日の光に当てながら鑑定を掛けてみることにしました。
ーーーーーーーーーーー
【凍てつくアネモネの花びら】•••寒い地域に生息するアネモネの花が、凍てつく山脈の冷気に触れ凍りつき結晶化したものである。凍てつく山脈の冷気を宿しているため、簡単には溶けることがない。
尚このように結晶化した物が完全な形で残っている物は希少価値が高い。
Class: Material〔素材〕
Rarity: 7[Rare〔レア〕]
Quality:B-
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「凍てつく山脈の影響で凍った花びらですか・・とても綺麗ですね。確か家に残っていた本の中に植物の本がありましたね。」
私は一度ちょうど良さげな石に腰掛け、持ってきていたその本をマジックポーチの中から取り出して調べてみます。
「えぇ〜と・・・ありました。アネモネ一般的には一重咲きから八重咲きで青・赤・白などの色がある。花言葉は『はかない夢』『薄れゆく希望』など・・なるほど少し暗いイメージの花のようですね。」
他にも明るいイメージの花言葉もありますが、私は何故かここ二つの花言葉が気になりました。何かあの日記の人物の心情に繋がる物を感じます。
「花びらだけでなく、完全な状態の花も見てみたいですね・・まぁ、それもまた次の機会にしましょうか。」
私は本を閉じると結晶化したアネモネの花弁を本と一緒に、大事にマジックポーチの中に入れると、立ち上がり伸びをします。
「うぅ〜んっ・・・さて、今日の探索はこれぐらいにして家に帰りましょうか。」
家の方角はこのまま森をまっすぐ進めば門に着くはずです。私は家からここへと行き来し易いように雑草を凍らせて砕きながら家へと帰路に着きました。
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最後までお読みくださりありがとうございます。誤字・脱字やアドバイスなどのご意見があればコメントしてください。
次回もよろしくお願いします。
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〈ブラッドボックス〉
Breadth〔広さ〕:
5×5×5〔m^3〕強化前
↓
5.5×5.5×5.5〔m^3〕強化後
(〈血液強化〉より1.1倍の強化)
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私は手に持つ血晶玉を口に含みました。すると先ほどよりも強い高揚感が全身を包み体から力が漲ってきました。
「はぁああぁ〜・・・いいですね、とても美味しいです。」
私は血晶玉を一つ食べただけで、この味に病みつきになってしまいそうです。
「これは積極的に血晶玉を作って食べていきたいですね。」
(それにもしかしたら他の魔物を素材としたらまた違った味が楽しめるかもしれません。)
私はそんなことを考えながら、次に何をするべきか周囲を見渡します。
私の目の前には死体となり果てたクレイジーハイボアが倒れています。
「このクレイジーハイボアはどうしましょうか?先程の血晶玉から考えるに、本体のお肉の方も十分に期待できると思うのですが・・・」
クレイジーハイボアは高さ三メートル全長五メートルの巨体を誇ります。ですのでこの死体からは私一人であれば一ヶ月は持つであろうことは、想像できます。しかしそのためには先ずこの死体の保存方法と、輸送方法を考えないといけません。
保存方法に関しては、私の魔法で凍らせておけばいくらか持つでしょう。
私はクレイジーハイボアの死体にに近づくと、手で皮を触り死体が傷つかない限界まで凍るようにイメージして魔法を発動させました。
感覚的に私の魔法なら繊維の一本一本まで完全に凍結させることができると思いますが、そこまでするともしかしたら何かの衝撃で粉々になってしまうかもしれないのでそこまではしませんでした。そもそも私はまだそこまで精密な魔力操作をすることができないので、そこまでなるとは思いませんが。
「・・・次は輸送方法ですね。」
小さい物であれば、この腰のマジックポーチに入れて持ち運ぶことが可能ですが、生憎とこの中に入れることができるのは、ある程度このポーチの口に入る大きさでないと収納することはできません。
「さて・・どうしましょうか・・・」
何かいい方法は無いかと考えていると、あるスキルが頭の片隅から浮かび上がってきました。
「そういえば私、種族系のスキルにブラッドボックスなんて言う名前のスキルがありましたね。」
転生する前の自分のステータスを決める際に、アストルティア様からおすすめとして項目に入れてくださっていたスキルを思い出します。
大体の場合異世界転生では『アイテムボックス』なんて言う便利なスキルを神様から贈られることがよくあるのではないかと思います。もしかしたらブラッドボックスがその代わりなんじゃ無いかと思い、ステータスを表示して鑑定でブラッドボックスヲ調べてみることにしました。
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〈ブラッドボックス〉•••《吸血種》の固有スキルで自らの血の中に物を収納することができるスキルである。原理は〈アイテムボックス〉のスキルと類似しており、亜空間に物を収納する。亜空間の大きさはスキルレベルと使用者の血と魔力に比例する。
Skill: ActiveSkill〔アクティブスキル〕
Class: Race〔種族系〕
Breadth:5.5×5.5×5.5〔m^3〕
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「・・・なるほど、意外と大きいですね。」
アイテムボックスに似ているスキルなのでアストルティア様はこちらを私に勧めたのでしょう。
恐らく《吸血種》の血には大量の魔力が含まれているため、それを媒体に亜空間を作り、その中に物を収納すると言う仕組みなのだと思います。
「早速使ってみましょうか。」
私はクレイジーハイボアの死体に手を触れ、ブラッドボックスのスキルを発動させました。
すると、突然私の手から血が吹き出し、瞬く間にクレイジーハイボアの死体を飲み込んで行きました。
スキルを発動した瞬間、手から大量の血が吹き出した時は驚きましたが、痛みが全く無いことに気がつくとホッとしました。
死体を完全に飲み込み終わると、血が叙々に私の手に吸われていくのを感じ、先程のと同様瞬く間に私の血で覆われた巨体が小さくなり、最後にはもともとそこには何も無かったかのように、綺麗さっぱり消えてしまいました。
「これは驚きですね。スキルを発動したときに、急に私の手から血が吹き出しことにも驚きましたが、まさかあれ程の巨大なクレイジーハイボアを本当に収納することができるなんて、本当にビックリです。」
死体を収納し終わると私は周囲を見渡しました。辺りにはクレイジーハイボアによってなぎ倒された木々が目立っており、森自体には静けさが戻ってきていました。
「さてと・・・・完全に迷いましたね。ここがどこなのか全く判りませんね。」
先程クレイジーハイボアを倒すため、背にジーヴィルを突き立て、暴れるクレイジーハイボアを背に乗りながら耐えていたのでここがどの辺りなのか判りません。
一様クレイジーハイボアがなぎ倒した、倒れた木々を逆に辿っていけば元いた場所に戻れると思いますが、何ぶんクレイジーハイボアはガムシャラに走っていたので、色々なところで木々が倒れ、正確な道が判らなくなってしまっています。
「どうしましょうか?適当に歩いたところで余計に迷ってしまうでしょうし、困りましたね。」
こう言う時はどこか高い場所から周囲を見渡すことができれば、今自分がいる場所を把握できると思いますが、周囲を見た限り高い場所は見当たりません。木々もそれほど高いようには見えないので、手詰まりです。
「うぅ〜ん・・・そうですっ!高い場所がないのなら、自分で作っちゃいましょう!」
こういう時は探すのではなく、作ってしまう方が楽でしょう。私には水氷魔法があるので、魔法で高い足場を作ってそこから見渡せば、簡単に見つけられると思います。
「思いついたら即実行です。ダメだった時は、またその時考えましょう。」
私は自分が今立っている場所から氷の足場が形成させ、叙々に上へ迫り上がるようイメージで魔法を発動させます。
すると、私の足元から半透明な氷が出来上がり、私の体を木々の上へと運んでくれます。もちろん足を滑らせて落ちないように足元は氷で覆って固定させます。
数秒もしないうちに私の体は背の高い木々を超え、さらに高い場所まで持ち上げてくれます。
高さが大体50メートルほどになったところで魔法を止めます。
周囲を見回してみると、“辺り一面が緑色”というわけでもなく、所々前世では見られなかった、色の木も点在していました。こういう所でも異世界だと感じさせるもののがあります。
ここから見える景色はとても綺麗で、ずっと見ていた気持ちにさせられます。見通しもいいので、遠くの方もよく見ることができます。
正面を見ると、森がずっと続いていますが、途中から森が無くなり草原らしきものが見えます。左右には地平線まで森が続いていて、所々に小さな丘や川などが見えます。そして後ろにはあの凍てつく山脈が見えます。
「改めて見ると、とても綺麗に見えますね。」
凍てつく山脈は小降りな雪が降っており、日の光に反射してキラキラ輝いてとても幻想的に見えます。
そして右斜後方にポッカリと広い範囲で開けているところが見えます。その中にここからでも分かるぐらい大きな建物も立っています。
「見つけました!あそこですね。」
ここからだと家までは直線距離で1キロほどです。
「なるほど、かなりの距離を運ばれてしまったようですね。距離的には近いのでまだまだ探索を続けましょうか。」
日の高さから考えると正確には判りませんが、正午前ぐらいだと思われます。
「では、あちらに見える川に行ってみましょうか。」
ここから左方向にある家から程近いところを流れている川は、見る限り凍てつく山脈の方から流れているようです。
「さぁ、行きましょうか。」
足場として作った氷の柱を叙々に水へと変えて降りていきます。
数分ぶりに地面に足を着き周囲を確認します。特に何かがいるということでもないので、先程の見た川の方へと歩き出します。
〜数分後〜
しばらく歩いていくと、水が流れるせせらぎが聞こえ始め、そして遂に木々の中から出るとそこには透明で綺麗な水が流れていきます。川の周囲には草花が咲き、長閑な雰囲気を醸し出しています。
川に近づき水に触れてみると、最初は凍ってしまいそうなほど冷たく感じ、すぐにまた冷たさを感じなくなっていきました。
「気持ちいいですね。ここは日差しもよく当たり、花の匂いが心を穏やかにしてくれます。」
そよ風に運ばれてくる花の匂いを堪能しながらのんびり川を眺めていると、上流の方からキラキラと光る何かが流れてきました。
「何でしょうか?」
私は川のギリギリ端まで寄って、流れてくる物体に注視すると、どうやらそれは何か雫のような形をした結晶でした。
私はそれが気になって足が濡れるのに構わず、川の中に入っていきその結晶を掬い上げ調べてみます。
「これは一体何でしょうか?結晶の様に見えますが、これは・・氷でできてますね。」
私はそれを日の光に当てながら鑑定を掛けてみることにしました。
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【凍てつくアネモネの花びら】•••寒い地域に生息するアネモネの花が、凍てつく山脈の冷気に触れ凍りつき結晶化したものである。凍てつく山脈の冷気を宿しているため、簡単には溶けることがない。
尚このように結晶化した物が完全な形で残っている物は希少価値が高い。
Class: Material〔素材〕
Rarity: 7[Rare〔レア〕]
Quality:B-
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「凍てつく山脈の影響で凍った花びらですか・・とても綺麗ですね。確か家に残っていた本の中に植物の本がありましたね。」
私は一度ちょうど良さげな石に腰掛け、持ってきていたその本をマジックポーチの中から取り出して調べてみます。
「えぇ〜と・・・ありました。アネモネ一般的には一重咲きから八重咲きで青・赤・白などの色がある。花言葉は『はかない夢』『薄れゆく希望』など・・なるほど少し暗いイメージの花のようですね。」
他にも明るいイメージの花言葉もありますが、私は何故かここ二つの花言葉が気になりました。何かあの日記の人物の心情に繋がる物を感じます。
「花びらだけでなく、完全な状態の花も見てみたいですね・・まぁ、それもまた次の機会にしましょうか。」
私は本を閉じると結晶化したアネモネの花弁を本と一緒に、大事にマジックポーチの中に入れると、立ち上がり伸びをします。
「うぅ〜んっ・・・さて、今日の探索はこれぐらいにして家に帰りましょうか。」
家の方角はこのまま森をまっすぐ進めば門に着くはずです。私は家からここへと行き来し易いように雑草を凍らせて砕きながら家へと帰路に着きました。
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最後までお読みくださりありがとうございます。誤字・脱字やアドバイスなどのご意見があればコメントしてください。
次回もよろしくお願いします。
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〈ブラッドボックス〉
Breadth〔広さ〕:
5×5×5〔m^3〕強化前
↓
5.5×5.5×5.5〔m^3〕強化後
(〈血液強化〉より1.1倍の強化)
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