邪神の力の一部で不死になったんだが!?

Mikuzi

スキルを決めよう

 文を再度読み直しておかしな点があったので少し修正しました。

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 「あの、アストルティア様?何故種族が〈始祖〉になっているんですか?」


 僕がそうアストルティア様に聞くと・・


 『それはですね、今回の神崎さんの転生では、私が体を生成するのですが、《吸血種》は先ほどの説明にもありましたが、自然型の誕生には膨大な魔力が必要なのですが、《吸血種》の体を生成する時、神の力が加わると《吸血種》の中でも最高位の〈始祖〉になってしまうのです。ですのでステータスはこのようになったのです。ご理解して頂けましたか?』


 (なるほど、そうなのか。)


 《吸血種》と言うので神力が加わると逆に不味いことになりそうなものだが、どうやら違うようだ。


 (《吸血種》の〈始祖〉の誕生には神々が関わっているんだな。他の〈始祖〉については気よつけておこう。)


 『では、次にスキルを決めましょう。どうなさいますか?よければまた私の方でオススメのスキルを表示させることもできますが?』


 (確かにスキルとか何が必須なのかよくわからないので、アストルティア様ならスキルの詳細も教えててくれると思うし。)


 「是非、必要なスキルとか教えてくだい。」

 『分かりました。では、こちらを表示させますね。』


 女神アストルティアがそう言うと、先ほど同様ホログラムのような半透明の板が、再び出現した。


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 〈Skill 〉・〈Ability〉
  ・戦闘系
   〈各種武器I〉
   〈体術I〉
   〈武闘気I〉
   〈魔闘気I〉
  ・魔法系
   〈生活魔法I〉
   〈火魔法I〉
   〈風魔法I〉
   〈土魔法I〉
   〈光魔法I〉
   〈無魔法I〉
   〈雷魔法I〉
   〈木魔法I〉
   〈毒魔法I〉
   〈空間魔法I〉
   〈回復魔法I〉
   〈補助魔法I〉
  ・身体強化系
   〈筋力強化I〉
   〈俊敏強化I〉
   〈耐久強化I〉
   〈器用強化I〉
  ・耐久系
   〈斬撃耐性I〉
   〈打撃耐性I〉
   〈刺突耐性I〉
   〈苦痛耐性I〉
   〈状態異常耐性I〉
   〈精神異常耐性I〉
  ・補助系
   〈気配察知I〉
   〈気配遮断I〉
   〈瞑想I〉
   〈集中I〉
   〈思考加速I〉
   〈並列思考I〉
   〈鑑定I〉
  ・生産系
   〈鍛治I〉
   〈裁縫I〉
   〈木工I〉
   〈薬学I〉
   〈調理I〉
   〈錬金術I〉 
  ・種族系
   〈吸血効率I〉
   〈血液操作I〉
   〈血液強化I〉
   〈血液保有量増加I〉
   〈霧化I〉
   〈血の契約I〉
   〈ブラッドアームズI〉
   〈ブラッドボックスI〉
   〈魔眼I〉

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 (これはまた、数が多いな。これは決められないぞ・・・)


 『この辺りがよろしいかと思います。特に種族系は取っておいた方が良いかと。』


 確かに色々と必須スキルのようなものがあるようだ。〈吸血効率〉などはすごく必要そうなスキルだ。種族系は全て持っていた方がいいだろう。


 (あとは・・耐性系のスキルも必要だと思う。特に苦痛耐性や精神異常耐性は〔不死の回復〕では守ってくれないと思うから必須だね。)


 「じゃあ種族系は全てでお願いします。それと耐性系の〈苦痛耐性〉と〈精神異常耐性〉もお願いします。」

 『種族系は全てでいいんですね?』

 「はい。」


 女神アストルティアに確認を取られたので躊躇無くそう答えた。


 『分かりました。・・・はい、今言われたものは全て獲得できました。まだスキルは獲得できますが、どうしますか?』


 (残りはどうするかな。恐らくスキルは練習すれば獲得できると思うから・・一回聞いてみよう・・)


 「アストルティア様、スキルは練習すれば獲得できるものなのですか?」

 『はい、もちろん可能ですよ。スキルを使い続ければスキルレベルも少しずつ上がります。ですので今スキルを獲得しなくても修練次第ではより強くより上位のスキルも獲得できます。』


 (より上位のスキルか。異世界に行ってもやりがいがありそう。)


 「では、護身用に一様〈体術〉と、生活に必要そうな〈生活魔法〉、あと物を調べるために〈鑑定〉を取っておくことにします。」


 (今は特に必要そうなスキルはないけど、魔法もあまり持っていても器用貧乏になるだけだってよく言われるから、これだけでいいか。あとはやっぱり耐性系のスキルかな。うぅ〜ん・・あっそうだ、もしかして〈光・神聖属性耐性-〉や〈日照耐性-〉って今はマイナスになってるけどプラスにってできるのかな?)


 「アストルティア様、〈光・神聖属性耐性-〉や〈日照耐性-〉ってスキルレベルを上げられますか?」

 『はい、あげられますよ。確かに弱点属性の耐性は上げておきたいですよね。そのお二つのスキルレベルを上げるということでいいですか?』

 「はい、お願いします。僕は、これでいいかなと思うんですけど、どうですか?」


 氷餓がそう聞くと、女神アストルティアは氷餓のステータス表示を見ながら黙考する。


 『・・・はい私もこれでよろしいのなら異論はございません。』


 しばらくして、女神アストルティアは顔を上げて言った。

 (あとは自力で獲得していこう。せっかくの新しい人生楽ばかりしてても楽しくないしね。)


 『ではこれにて、転生に必要なものは揃ったかと思いますので、早速転生しましょうか?』


 女神アストルティアは転生前に聞く事はもう無いかと言う意味も込めて確認してきた。


 「はいっ!」


 (これでやっとかぁ・・意外に大変だったなあ。でも、せっかくだから頑張って生きていこう。)


 『神崎さん、今回の転生では私たちは最大限支援しますので、転生直後は安全なところであるようにします。』

 「ありがとうございます。正直そこまで考えが回っていなかったので、助かります。」


 転生した直後に魔物に襲われて、人生を終わりたくはないから、これはすごく助かる。


 『あぁ、それと一つ《吸血種》は血を得ることで身体的にもレベル的にも成長しますので、直接では無くても血を採取することを勧めます。』


 確かに人から直接血を吸うのには少し抵抗があると思はれるが、動物とかはあとからでも摂取しといた方が良さそうだ。


 『神崎さん、今回のことは本当に申し訳ありませんでした。私たちの不手際でこのように異世界に強制的に転生することになってしまいご迷惑をかけてしまいました。私たちが言うのはお門違いではありますが、あなたに幸いあらんことを心から願います。』


 アストルティア様は、申し訳なさそうにしながら、僕のこれからの人生を祝福してくれた。


 「いえっ!そんなことはないです。地球に未練はないと言うと嘘になりますが、きっと異世界に行っても新しい目標を作って、いままで以上に充実した生活を送ります。だからそんなに自分たちを責めないでください。」

 『神崎さん・・・ありがとうございます。』


 女神アストルティアは少し涙目になりながら感謝の言葉を言ってきた。
 そして・・・


 『良い人生を・・』


 アストルティア様にそう言われた直後、僕の周りが光だしだんだんと意識が薄れていきた。意識が朦朧としながらも最後に見たのはアストルティア様の綺麗な微笑みだった。


    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 『もういいですよ。』


 しばらく、今送り出した魂のいたところを見ていた女神アストルティアは、怒った声で何も無いはずの虚空に向かって呼びかける。するとアストルティアが声をかけた空間がとたんに歪みそこから一人の男が現れた。男はボロボロの黒いコートを羽織りまるで死神のような服装で、漆黒の髪は肩口まで伸ばされ中性的な顔立ちもあってか姿だけでは男から女か判別がつかない。


 『感謝するよアストルティア、お陰で彼の事を見送れた。』


 しかし彼の声聞けば彼が男であるとすぐに分かる。男は無表情で心底面白いと言うような声音で言う。


 『何が”見送れた“ですかっ!貴方は彼を殺めてしまった事をわかっているんですかっ!貴方のせいで彼はこれから静穏な世界から魔物や人間同士による戦争など殺伐とした世界に送られるんですよっ!ヴェルディトル!』


 アストルティアは男に怒鳴りながら彼に詰め寄って言った。そうこの男神こそが神崎氷餓を襲った張本人、邪神ヴェルディトルである。


 『いや、彼には悪いと思っているよ。だから彼に俺の力を与えたんだ。』


 ヴェルディトルはそうアストルティアに弁明しながらも彼の雰囲気からは少しも悪びれた様子は感じられない。それが余計にアストルティアの堪に触れ、より一層抗議は激しくなった。


 『貴方はまたそうやって下界の人々を巻き込んでっ!?本当に悪いと思っているんですかっ!?』

 『まあまあ落ち着いて・・・何はともあれ無事に彼を送ることができてよかったよ。』


 ヴェルディトルはアストルティアを押さえながら苦笑いしつつ、彼の事を心配した。


 『貴方はには、また何かしらの罰がありますから、覚悟していてください。』

 それでもアストルティアは不機嫌さを隠しもせず、ヴェルディトルにそう言ってきた。


 『ははは、それは楽しみだなぁ・・・』


 ヴェルディトルは引きつった笑みを浮かべながらアストルティアの脅しに怯むも、その態度は改めない。


 『それにもう一つあの力には特性を付けてある。』


 そう言ってヴェルディトルはまた心底面白そうに笑う。


 『えっ!?もう一つの特性っ!?あなた一体何を仕込んだのっ!?』


 アストルティアはその告白に驚きつつヴェルディトルに問いた出した。


 『それは見てからのお楽しみというやつだ。』


 ヴェルディトルは茶化すように言いながら、今はもうここにはいない魂に想いを馳せて物思いにふける。


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