キミの次に愛してる【BL】
第2話
「ただいま」
いつものように、仕事から帰った義兄はキッチンにいる僕に笑顔で声をかける。
そうして和室に行ってから、自室に入る。
――姉さんに手を合わせてから、あの、見合い写真のある自室に行くんだ……。
そう考えて、自嘲気味に笑ってしまう。
姉さんに託けて、嫉妬してる自分を誤魔化そうとしているのだ。
「バカ……みたい……」
独りポツリと呟いた僕の声は、とても空しくキッチンの床に落ちていった。
「今日の晩御飯は何かなぁ?」
着替えてリビングに戻ってきた裕文さんが、呑気に問いかけてくる。
「今日はしょうが焼きと、ポテトサラダ。豆腐の味噌汁……」
僕の沈んだ声にも気付かずに、裕文さんは「やった!」とご機嫌だ。
「浩次君のポテトサラダは美味しいからなぁ」
「そんな事……ないですよ……」
口先だけで返事をしながら、なんとも言えない、苛立ちだけが心に溜まっていく。
それは重くて。息苦しささえ感じてしまう。
――言っちゃ、ダメだ……。
解っていたのに。
僕の口は、親の言う事を聞かない駄々っ子のように、勝手に声を発していた。
「お義兄さん」
いつものように、仕事から帰った義兄はキッチンにいる僕に笑顔で声をかける。
そうして和室に行ってから、自室に入る。
――姉さんに手を合わせてから、あの、見合い写真のある自室に行くんだ……。
そう考えて、自嘲気味に笑ってしまう。
姉さんに託けて、嫉妬してる自分を誤魔化そうとしているのだ。
「バカ……みたい……」
独りポツリと呟いた僕の声は、とても空しくキッチンの床に落ちていった。
「今日の晩御飯は何かなぁ?」
着替えてリビングに戻ってきた裕文さんが、呑気に問いかけてくる。
「今日はしょうが焼きと、ポテトサラダ。豆腐の味噌汁……」
僕の沈んだ声にも気付かずに、裕文さんは「やった!」とご機嫌だ。
「浩次君のポテトサラダは美味しいからなぁ」
「そんな事……ないですよ……」
口先だけで返事をしながら、なんとも言えない、苛立ちだけが心に溜まっていく。
それは重くて。息苦しささえ感じてしまう。
――言っちゃ、ダメだ……。
解っていたのに。
僕の口は、親の言う事を聞かない駄々っ子のように、勝手に声を発していた。
「お義兄さん」
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