日常【BL】

Motoki-rhapsodos

わが身ひとつの 1


ファミレスで晩飯を済ませた俺と親友の磐木祐志は、待ち合わせのバス停へと向かっていた。

待ち合わせのバス停は祐志の家の近くにあるのだが、祐志は俺の家に泊まるとおばさんには言ったようだった。

だからまさか、祐志の家で晩飯を食う訳にはいかない。

そう言う俺も祐志の家に泊まると家族に言って出て来たもんだから、俺ん家で食う訳にもいかないんだけど……。

一体どうしてこんな事になってるのかというと、この前会った祐志の中学時代の友人、竹内昭仁から「肝試し行かねぇ?」と誘いがあったからだ。

もちろん、俺にではなく祐志にだ。

だけど、「この前の織田も誘ってさ~」と言う事だったらしい。

そしてどうやら、あの時2人の会話に出てきた『先輩』も、来るらしかった。

「先輩が車で迎えに来てくれんだよな? 待ち合わせって、8時だっけ?」

俺が訊くと、祐志は「ああ」と言葉少なに答える。

まだ余裕だよな、と腕時計を覗き込む。針は7時40分をさしていた。

まさか、祐志の『先輩』を待たせる訳にはいかない。

だって祐志が、あんなに慕っている先輩なんだから。

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