日常【BL】
さしも知らじな 10
こんないつもの『日常』が、俺にとっては凄く大切で、失いたくないモノだったんだと今更ながら自覚する。
『遠慮しなくていい』よ――なんて。俺もいつか、こいつに言える人間になろう。
突然芽生えた大きな目標に、思わずクスクスと笑ってしまう。
俺の気配に振り向いた祐志が、訝しげに眉根を寄せている。だが俺は、気にせず笑いながら花火を見上げた。
――そうだよな。それにはこの花火のように、『とても』大きな存在でなきゃあ。
          
コメント