日常【BL】
さしも知らじな 8
それでもきっと、嬉しいのには違いなくて。
「ああ。とても綺麗だ」
祐志の表現を真似てみたりする。同じように、祐志とは逆の肘を欄干について。そうして――。
そうして、気が付いた。
手の甲が、祐志の手に触れてる……。
なのに額をぶつけたあの時のように、唐突に手の感触は離れていった。
思わず目を瞠る。向けた目線の先で、川と花火を見つめたままの祐志が、両肘を欄干に乗せて凭れかかっていた。
――俺だけが、意識してるや。
笑っちゃうくらい、滑稽だった。
俺が見つめる先。祐志がゆっくりと体を起こした。何かを吹っ切るように、ハッと一気に息を吐き出す。
『やーめた』
そう、呟いた気がした。
不意にこちらへと顔を向けた祐志が、俺を見て薄く笑う。次の瞬間、俺の手首を掴むと、足早に歩き出した。
「えっ。ちょっ……と」
動揺する俺をグイグイと引っ張って、人垣から脱出する。
「お前等の場所で見れないのは非常に残念だけど。折角だから、今日は『俺達の場所』ってのを見つけようぜ」
俺の耳元でそう告げて、子供のように笑った祐志が再び歩き出す。
          
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