日常【BL】

Motoki-rhapsodos

しづこころなく 14

「ねぇよ。――それより。いらねって言ってる俺より、母さんを優先すんのかよ。お前は」

不機嫌に言葉を吐く。本気で俺が嫌がってんの、こいつは気付いていた筈だ。

しかしその言葉に「うん」とあっさり頷いた弘人は、自分の分のコーラを開けた。口元へと持っていきながら、何かを思いついたようにそっと微笑む。

「昔。小学生の頃によく『究極の選択』ってやんなかった? 海で溺れて死にかけてる○○君と△△君。どちらか片方しか助けられないとしたら、どっちを助ける? ってヤツ」

「んー。やったような、やらなかったような……。それがなんの関係があんだよ?」

「今、それをやったとしたら――現実でそういう状況になったら尚更だけど。片方がお前だったら、もう1人が誰であれ、同じクラスの相沢でも佐藤でも誰でもいいけど……。俺は迷わずそのもう1人を助けるね」

「なんでだよッ」

ここは突っ込ませろ。

普通、俺だろ? 確かに相沢も佐藤もそれなりに仲良くはあるが……。

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