一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

next stageへ 8

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いよいよ東京ドームライブが始まる。


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午前11時、メンバー5人揃って会場入りした。

それぞれに、それぞれのスタイルのライブ前のルーティンがある。

陽介はとにかく、まずはガッツリと筋トレ


加奈はMYヨガマットを敷いて、ゆっくりとヨガ


優輝は最高級ヘッドフォンをして、ひたすら音楽を聞いて自分の世界に入り込む


今日も、それぞれのルーティンを始めていた。


来蘭は、とにかくまずはステージを隅から隅までゆっくり歩きながら会場を見渡すのがルーティンだった。
今日だけはその来蘭のルーティンに付き合おうと決めていた。


ステージに上がる階段を、二人で一歩一歩登り、広いステージを踏みしめる。
そして、メインステージから真っ直ぐに続く花道を歩いてゆく来蘭の後ろを静かに付いて俺も歩いて行った。
センターステージに辿り着いた来蘭は、360度ゆっくりと見渡して俺に言った。

「この景色、夢で見たことがある...」

「うん。俺も夢で見たよ...
あの事故の後、来蘭が三日三晩高熱で苦しんだあの朝に、ここ、東京ドームに立つ俺たちの夢を見た」

「え?」

「あの日、あの時、俺と来蘭は、同じ夢を見たんだよ...
いつかあの夢を叶えた時に、来蘭に話そうと思っていたんだ。
やっと話せた...」

「だからあの時、あの大きな会場はどこだったんだろう...って言ったら『東京ドーム』って言ったんだそうちゃん...」

「うん」

「俺が連れてくって言ってくれたんだよね、あの時。本当に連れてきてくれたね、そうちゃん」

「本当に来れたな...」

「来れたね」

「そうちゃん...ライブ終わったら伝えたいことがあるんだ」

「俺も来蘭に伝えることがあるよ」


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