一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

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翌日、加奈に連れられて来た病院の待合室の長椅子に加奈と二人、状況が飲み込めないまま腰掛けていた...その診療科目は『産婦人科』
内科に受診受付したはずなのだが、問診され、症状を話すと、こちらへと回された...

尿検査とエコー検査をされ、診察室に呼ばれ、中に入る。

「おめでとうございます。妊娠3ヶ月です」


放心状態で診察室から出ると、出迎えてくれた加奈にわたしは言った。

「赤ちゃん出来てるって...」

言葉にしたら、後から後から涙が出てきた。

「来蘭どうして泣くの?」

加奈はわたしを落ち着かせるように抱きしめて、背中を撫でてくれた。

「おめでたいことなんだから、泣くことないでしょ?」

諭すように加奈が言う。

「だって...これから東京ドームなのに...バンドとしてもこれからなのに...」

ふぅとひとつ息を吐いてから加奈はわたしに言った

「そうゆうこと抜きにして、来蘭はそのお腹の子を産みたいの?産みたくないの?どっち?」

「産みたい...」

そう即答したわたしに加奈は

「それなら、まずは青木に伝えないとね」
と言う加奈に

「そうちゃん喜んでくれるかな...」

「喜ぶに決まってるでしょ!きっとあいつ泣くよ?号泣するよ?」

「そうかな?」

「当たり前でしょ!どんだけ来蘭にベタ惚れだと思ってんのよ!
あ...ちょっと待って来蘭、あたしいい事思いついた」

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