一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

文化祭 8

それからいよいよライブ会場となる、校舎内の体育館へ場所を移し、リハーサルが始まった。
コロラドミュージックから、プロの機材スタッフやPAさん、照明スタッフも来てくれていて、本格的なライブ会場のようだった。生配信の方のWebスタッフの方々も、忙しそうにセッティング作業を行っていた。

わたしたち『Re Light』の方がトップバッターで、その後に先輩たちの『Jaguar』という順番のため、逆リハと言って出演順番の逆からリハーサルを行うため、先に先輩たちがリハーサルに入った。
さすが先輩たち、ライブ慣れしている。1曲軽く流す程度に音を出すと、先輩たちのリハーサルは終わった。

次はわたしたちの番だ。
緊張でガクガクしてる…
そうちゃんも陽介くんも優輝くんも加奈も、それぞれ自分楽器のセッティングで精一杯な様子…

落ち着け、落ち着け、と言い聞かせながら深呼吸をしていたら、後ろから両肩に手が置かれ、振り返ると、瀬名さんが立っていた。

「緊張するなって言ったって無理な話しだよな」
なんて言って笑ってる。

「思い出すよ、俺も初めてのライブは緊張しすぎて口ん中カラッカラだったよ」

「え?瀬名さんもバンドを?」

「うん、ボーカルやってた。高校の時にね…
あの時のドキドキワクワクが忘れられなくて、この仕事やってるんだろうなぁ…俺…」

瀬名さんと話していたら、ちょっと落ち着いてきた。

「1曲弾き語りするんだろ?その手で、頑張ったんだな…楽しみにしてるよ、その曲…ん?そのギター…」

「ギター?」

「あ、いや、なんでもない…さぁほら、リハーサル行ってこい!」

リハーサルは、セットリストの1曲目の曲をやった。うん、悪くない。大丈夫だ!行ける!

「一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代ドラマ」の人気作品

コメント

  • 来亜子

    だけじゃないだよぉー、これからのキーマンなんだよぉー

    2
  • 来亜子

    瀬名さん優しい

    1
  • ノベルバユーザー427233

    瀬名さんが緊張を解してくれたんだ〜優男だね笑

    1
コメントを書く