一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

初ライブ 7

ライティングのスタッフに駆け寄る
「ライトすべてオフにして!!お願い!!」

「え?何言ってるの君?」

「とにかく全部消して!!ステージを真っ暗にして!!これから演奏する子たちの動画を撮ってアップして晒そうとしてる奴が居るの!!演奏はさせてやりたいの!!だからお願い!!」

「わ、分かった!!」

ステージが真っ暗になる

ざわめくフロア

あたしはステージに走った!
吉井先輩に状況の訳を簡潔に伝えた。

「みんな、驚かせてごめん。これは機材トラブルでもなんでもないから安心して。ちょっとした演出だから」
吉井先輩が機転を利かせたMCをしてくれてる間に、来蘭たちに伝える

「このまま演奏して!!訳は後で話すから!!」

「来蘭!落ちついて歌って!あたしにその歌聴かせて!!」
 


ドラムのカウントが鳴る...

静かな水面に落ちる水滴のような優輝のピアノの音...
その水面をバシャバシャと壊すような歪んだギター
そして来蘭の寂しく悲しい歌声が包み込む...



あたしはステージ袖で聴いていた...
来蘭の思いを乗せたその歌詞を噛み締めていた...


2コーラス目、メロディーは同じはずなのに、演奏がガラッと変わった!
暗闇の中で耳だけが研ぎ澄まされて、音のうねりにトリップする...


その時だった!
人影がステージに向かって一直線に向かって進んで来るのが見えた...

コメント

  • 来亜子

    本当にいつもコメントをありがとう
    。゚( ゚இωஇ゚)゚。

    来蘭の身に迫る危機...どうか無事でいて...

    1
  • ノベルバユーザー427233

    文章読んでるだけで、ライブの世界観に入った、引き釣り込まれた。

    1
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