一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

来蘭をDVから救え 7

足取り重く教室に向かっていると、廊下を走るそうちゃんの姿...
「そうちゃん!」

「来蘭!お前どこ行ってたんだよ...
父親に、連絡付いたみたいだ。一緒に職員室行こう!」

職員室では、長谷川先生がわたしを待っていた。
「赤井!お父さんに連絡ついたぞ。先生の方から状況を話させてもらった。これから学校の方に来てくれることになった。昼までには来てくださるそうだ。一緒によく話し合おう」

「はい、ありがとうございます」

そうちゃんと教室へ戻ると、加奈が待っていた。
「青木、来蘭、次の授業自習だから、ちょっと場所移して話そう」

加奈が最近見つけて、昼寝によく使ってるという陽当たりのいい資料庫に、3人でこっそりと入った。

「それで、父親に連絡付いたの?」
加奈が聞く

「うん、連絡ついて、今学校に向かってるみたい。昼までには着きそうだって」
とわたしは答えた。
 
「父親に、今後来蘭がどうしたいかをまずは伝えるべきだと思うんだけど、来蘭はどうしたい?」
という加奈に
「わたしの願いは...ママから離れられる方法があるのなら、離れたい...
でもそれよりもわたしは、普通の高校生活をこの学校で送りたい」

「3年間の学費と、住む所の家賃と、生活費を父親に出すように交渉するべきだと俺は思う」
加奈も頷く。

「青木、昨日来蘭を泊めることが出来たのは、あたしが一人暮らしをしているからなんだ。
これは提案なんだけど、あたしが暮らす部屋で来蘭とルームシェアって形で一緒に暮らすことを許してくれないかな?
家賃の半分をきちんと来蘭の父親に提示して貰うようにして、それは生活費にあてて、それとは別に生活費を要求すれば、卒業するまでに少しお金貯められるだろ?
多分青木は、あたしと来蘭が暮らすのは許し難いかもしれないけれど、お前達がいくら付き合ってるからって、高校生である以上青木と来蘭が一緒に暮らすのは難しいのだから、ここは我慢して...」

「加奈...そんな...いいの?」

「あたしは構わない。むしろそうして欲しいから提案してるんだから...」

そうちゃんは黙って考え込んでいた。

「うちは親父と俺の2人だし、うちに来いって言うつもりでいたけど、普通に考えて、来蘭の父親は、そんなのは許さないよな...
井澤とルームシェアという提案のが、首を縦に振ってくれるだろうな。
学校側も巻き込んだ話しにした以上、その方法が1番いいと思う、うん。」

「ありがとう青木!
来蘭の父親が来る前に、長谷川先生に伝えに行こう!」

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