一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

来蘭をDVから救え 6

なんでここに足が向いたんだろ...
あぁそうか...いつもここに来れば廣瀬先輩がわしゃわしゃしてくれるからか...
そんなことを思って、ちょっと笑った。

誰も居ない音楽室のピアノの前に座わり、人差し指を鍵盤に置く...
もうずっとピアノなんて弾いてないな...

ふっと降りてきたのは、優輝くんのあの曲だった。
片手でメロディを弾いてみる...
気がつくと、わたしは声を出して歌っていた。

物悲しくて、救いようのないような始まりだけど、少しずつ暗闇から光を見出してゆくような強さを感じる、そんな曲だった。
それに見合う詞を付けて、歌ってみたいと強く思った。

授業終わりのチャイムが鳴り、我に返る...
教室に戻ろう...

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