一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

加奈 2

〈奏太side〉

来蘭は嬉しそうに井澤たちと行ってしまった。
なんか思った以上に寂しい...

部活行くか...
今日は、英二先輩が少しドラムを教えてくれることになってるから、先輩より早く行かないと!
こうゆうとこは、体育会系のクセが抜けないのだ。
教室を出ると、ちょうど陽介もギターを背負って部室に行くところだった。
「おお!奏太!さっきの最後のジャンピングサーブは見事だったよ!」

「おう!まぁな!」

「あれ?来蘭ちゃんは?」

「井澤にもってかれた...」

「井澤さんて、あの背の高いショートカットの子?」

「そう...」

「あの子、うちのクラスの女子たちが言ってたけど、いわゆるLGBTらしくて、中学では異色の存在だったらしいぜ?」

「LGBTってなに?」

「同性愛者ってことだよ」

「女だけど女が好きってこと?」

「そうゆうこと」

「どおりで..」

「何かあったのか?」

「さっき体育館で、ネット潜って来蘭をぎゅっとしに行っただろ?あれをさ、とがめられたんだよ...あの後更衣室で来蘭冷やかされて大変だったらしくてさ...挙句、来蘭のことかわいい!とか言って抱きしめやがったから、俺が怒ったらさ、来蘭は青木のものじゃない!とか言い返されてさ...」

「来蘭ちゃんを抱きしめた...」

「他の女子たちも、来蘭をぎゅってしたいだの、むしろ俺にジェラシーだの言いたい放題でさ、んでなんだか駅前でタピるとか言うからさ、女子には女子のあれもあるんだろうなと思ってさ、行っておいでって言ったんだよ...大人だろ?俺」

「大人だろ?じゃないよ!他の男子の来蘭ちゃんファンなんかよりも、よっぽど井澤さんのが強敵だぞ多分」

「え?」

「井澤さんが女子って時点で来蘭ちゃんは警戒心なく心を開いてしまうだろうからね」

「井澤が来蘭に好意を持ったとしても、来蘭の恋愛対象が女じゃない限り、それは友情でしかないだろ?」

「いや、人の気持ちというものは理屈じゃないからねぇ...」

「ん?なんかそれどっかで聞いたセリフのような...」

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