一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

デート(横浜) 3

帰りの電車に揺られながら、さっき買ったお揃いの物を俺に差し出す来蘭。

俺のイニシャルの〈S〉のキーホルダーと、〈6月6日〉のストラップを俺に渡すから
「来蘭それ逆...」
と言って、俺に渡されたキーホルダーとストラップを来蘭に渡して、来蘭が手にしていた〈R〉のキーホルダーと、〈2月4日〉のストラップを俺がもらった。

きょとんとする来蘭...

「俺のイニシャルとバースデーを来蘭が付けて、来蘭のを俺が付けた方がいいでしょ?」
と言うと、来蘭はちょっと考えてから俺を見て頷いた。

こうゆうとこホント天然ちゃんなんだよね、来蘭は...
あーもう、くそかわいいっ!!

もう次は俺が降りる駅だ...
明日また学校で会うのに離れたくなくて、なんか急に会話が途切れた。

俺はそっと来蘭の手を握って言った
「ちっちゃい手だなぁ」

「それ、今朝も言った」
来蘭がふふふと笑った。

「楽しかった今日の最後に、来蘭が笑ってくれて良かった」
と、俺も笑った。

電車は無情にも駅に辿り着いてしまった...

「あ、そうだ、これ」
俺はさっきガムと一緒に買った絆創膏を、来蘭に渡した。

「ブーツの縁のとこ、赤くなってたから...
痛いの我慢してたんじゃないかと思ってさ...後で貼りな?」

離したくなかったけど、握ってた来蘭の手をそっと離して
「じゃあまた明日ね」
と言って、電車を降りた。




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