一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

僕の歌姫 9

優輝くんの曲は、50曲近くあった。
上から順番に聞いて行った。
緻密なアレンジがされてて、曲としての完成度が高い曲もあれば、あまり音が足されてないシンプルな構成の曲もあったり、アップテンポな曲があったり、涙腺を刺激されるバラードもあった...
どの曲もどこか影を感じるような印象を残す感じとか、マイナーコードの絶妙な使い方とか、わたしの心はもう鷲掴みにされていた...
その中でも一際わたしの心を掴んで離さない強烈な1曲があった。
その曲は1番最後の曲だった。
きっと、1番最近に作った曲なのだろう、まだ主旋律のメロディーと、シンプルな伴奏ピアノのみの曲で、これから曲としての可能性を無限に感じる曲だった。
しかしながら、その主旋律メロディーが、わたしの中にある何かに刺さった。
この曲の歌詞を書いてみたいと思った。

「最後の曲の歌詞を書いてみてもいいかな?」
優輝くんにメッセージを送った。

「もちろんだよ! 」
驚くほど返事が返ってくるのが早くて、電車の中でクスっと1人で笑った。

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